●大寝坊の真相



 


このお話は、昨日のブログ(●来た事がある中世の風景)の続きです。

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12110642156.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ



彼女はある時休暇をとってOL友達の美加さんと二人で海外旅行に出かけました。

彼女(山崎さん)は、当初から行きたかったフランスへ。

そして、友人の美加さんは、ドイツへ行きたいという希望でした。

そこで、最初はフランスを旅行して、その後、二人でドイツを旅行。

旅行に行く一ヶ月前から、山崎さんは、フランスの観光案内を入念に調べ、

美加さんは、ドイツ観光を計画したといいます。

彼女らが最初に着いたのが、パリでした。

最後は、モンサンミッシェルというコースだったといいます。

フランスは思っていた以上に楽しめたといいます。

不思議な体験をしたのは、ドイツに行った時の事だったといいます。

美加さんが立てたドイツ旅行のプランは、

ミュンヘンの街並みと、中世の街並みの雰囲気残るローテンブルク、

そしてノイシュヴァンシュタイン城に行ってみたいというものだったといいます。

彼女らが最初に降り立ったドイツの地は、ミュンヘンでした。

そこで1泊して、翌日ミュンヘンの町を見て回ったそうです。

マリエン広場という所があり、そこで仕掛け人形が踊る時計を見たといいます。

そして、ローテンブルクに着いたのは、暗くなった時でした。

二人は予約していたユースホステルに泊まり、

疲れていたのか、起きたのは、翌日正午過ぎだったといいます。

寝坊で無料の朝食を逃してしまったので、二人は昼食をとりに外に出ました。

ユースホステルを出て、5分位歩き出した時だったといいます。

山崎さんは、ふと変な気分になったといいます。

ユースホステルの周りは城壁があるそうなんですが、

何かとても懐かしい感じがしたといいます。

昨日この地に着いたのは、夜だったのでよく見えなかったのですが、

昼間明るくなったローテンブルクを見た時、

「私、ここに来た事がある!」と思ったそうです。

山崎さんは、今自分が感じている事を、隣に居る美加にいいました。

「ねぇ、不思議、私ここに来た事ある」「まさかぁ」と信じて無い感じです。

そこで、山崎さんは、「でも、この道をまっすぐ行くと、

 教会があって、もっと真っ直ぐ行くと、 市庁舎があるんじゃないの?

 そして、市庁舎の後ろに教会の様な大きな建物があるんじゃない?」

と、まるでその地に住んでいる人の様に、説明したといいます。

彼女にとっては、自然と口をついて出たと言葉だったといいます。

やがて、彼女達が歩いて行くと、山崎さんが言った様に、ヨハネ教会があり、

更に真っ直ぐ行くと、市庁舎がある広場の前に着いたのです。

そして、市庁舎の後ろに行ってみると、聖ヤコブ教会があったのです。

それは全て山崎さんが言った通りだったのです。

しかも、山崎さんは、この聖ヤコブ教会に来た事があって、

この教会には人が通れるトンネルがあるんじゃないの?と言うのです。

二人は相当ビックリしたといいます。

たしかに行ってみると、教会の下を潜り抜けるトンネルがあったのです。

ローテンブルクに来る前に、山崎さんにはローテンブルク市庁舎の写真を見せて、

行ったら展望台に登ろうという話はしていたそうですが、

彼女が持っていたパンフレットには、市庁舎と教会の位置など書いて無いし、

トンネルの記述もありません。山崎さんは来る前はフランス事ばかり調べていて、

ドイツの事は資料も見ていないのです。

それなのに、なぜこの中世のローテンブルクに来た事があるのでしょうか。

もちろん、海外旅行が初めてな山崎さんは、ドイツに来た事も無いのです。

これはいったいどういう事でしょうか?

私は何かに憑依されてしまったのでしょうか?

そんな電話相談でした。




















 

 

 


まず、相談者が心配されている、

何かに憑依されてしまったのではないか。という事ですが、

これに関しては、憑依では無い思いました。




というのは、




この旅行で、山崎さんに起きた事というのは、

ローテンブルクの中世の町を見て、来た事があるという記憶の呼び起しです。

何かに体か行動を支配された訳では無く、

ただ頭の中にある過去の記憶を思い出したというだけです





これは憑依現象とは言えません。






では、だとしたら、

今回山崎さんが体験したものは何だったのでしょうか。







彼女が一度も訪れた事が無いドイツの片田舎で、

「この道をまっすぐ行くと、教会があって、

 もっと真っ直ぐ行くと、 市庁舎があるんじゃないの?

 そして、市庁舎の後ろに教会の様な大きな建物がある。」

と予言した訳ですが、


友人の美加さんから、市庁舎に行く事だけは前から市庁舎の写真を見せてもらい、

知っていたという事ですから、

美加さんと歩き出した時点で、市庁舎に向っているという事は分かりますから、

真っ直ぐ行くと市庁舎があるというのは、素人でも予測がつきます。

ただ、市庁舎の裏の聖ヤコブ教会の事は知らなかったといいます。

もちろん、位置関係も知らないはずです。

そして、決定的なのは、市庁舎の裏にある教会には、

人が通れるトンネルがあるという指摘です。



さすがに、これはパンフレットにも載ってなく、

また偶然言い当てられるものでもありません。




この事を考えると、やはり山崎さんは過去に、

この地(ローテンブルク)を訪れた事があるのだとしか思えません。





過去に、この地を訪れた事がある。と言えば、




 


すぐに頭に浮かぶのは、


前世です。






つまり、山崎さんは前世で、

ここローテンブルクに住んでいたのではないか。




それも市庁舎と聖ヤコブ教会がある時期に・・・

だから、市庁舎と聖ヤコブ教会の位置関係や、

トンネルの事を知っていたのではないか。







 


ここで私が、

「それは貴方の前世の記憶が蘇ったのでしょう。」

と言えば、相談者の山崎さんも、きっと納得したでしょうし、

その可能性もあるのですから、誰も否定はしないでしょう。





 

ただ、この時は、

彼女の話を、ずっと聞いていて、

何となく、これは前世の記憶では無い様な気がしたんです。








 


私が、これは前世の記憶とは違う様な気がしたのは、

次の2点からでした。




■まず最初の話で、

 山崎さんはフランスに憧れていて、フランス旅行を楽しみにしていました。

 普通、前世でドイツに住んでいたのなら、

 なぜかドイツに何らかの親しみを感じて、

 ドイツに行きたいという願望があったりします。


 つまり、ドイツに行きたいと言っていた美加さんの方なら、

 前世はドイツというのに、合致するのですが、

 山崎さんの前世がドイツというのに、若干の疑問が感じられました。




■もう1つは、ミュンヘンでの出来事です。

 彼女達はローテンブルクに来る前に、ミュンヘンで一泊しています。

 ミュンヘンはローテンブルクと電車で2時間半位の距離だそうですが、

 同じドイツ国内であり、ミュンヘンにも昔ながらの建物が残っています。

 それなのに、山崎さんはミュンヘンでは、なんの懐かしさも感じていません。

 それが何となくですが、ドイツが本当に前世だったのかな。と思わせました。








 

では、前世では無くって、何なの?

と聞かれそうですね。





 

私は山崎さんに、

もっとも可能性があると思えるのは、





 

 

幽体離脱ではないかと、いいました。


 


そこで彼女に聞いてみると、

彼女は日本に居る時にも、幽体離脱の様な体験を何回かしているとの事でした。



普通、幽体離脱したというのを本人は覚えているものですが、

彼女の場合、見た情景しか記憶に無い様です。



多分彼女は、ローテンブルクに着いた翌朝、

幽体離脱して、ローテンブルク市内を見て回ったのではないでしょうか。

そうであれば、ミュンヘンでは何も感じなかったものが、

ローテンブルクでは、見た景色だと言ったつじつまが合いますし、

また、聖ヤコブ教会が、市庁舎の裏手にあるという言い方って、

まるで、やや高い上空から見た様な言い方だと思いませんか。

彼女が幽体離脱して見たと思えば、そういう説明の仕方にも納得がいくのです。




 

最後に、普通の人が、

幽体離脱が起きやすい条件としてあげられるのは、

■病気の時

■仕事や運動で肉体的に疲労している時

■精神的に追い詰められていたり、勉強で脳が非常に疲れている時

です。






彼女の場合、前日まで、

フランス旅行で飛び回り、ミュンヘンでも歩き回り、

初めての海外旅行、慣れない土地、慣れない言葉など、

とても疲れていたのでしょう。







それが、あの幽体離脱をしたと思われる朝の、

 

 


大寝坊だったのかもしれません。

END