●物別れ
このお話は、昨日のブログ(●手が無い幽霊)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12098521726.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
[前回までのあらすじ]
幽霊そのものに手が無いという相談は、これが初めてでした。
それはレストランを2店舗経営しているという男性からの相談でした。
2年前に購入した自宅に幽霊が出るというのです。
彼はインターネット経由で、家の写真を見せてくれました。
2階建てで庭が広く、立派な家です。
新築ではなく、10年落ち位の中古の家を購入したとの事でした。
そして、この家に住んでから良い事が無く、
レストランの業績も右肩下りに落ちているといいます。
彼の依頼はズバリ、この家にいる幽霊を除霊出来ないかというものでした。
そこでとりあえず、彼に詳しく話を聞くと、
彼自身は、その幽霊を見た訳では無いのだというのです。
彼のお母さんが見たのだといいます。
それは彼がこの家を買って住む様になってから3週間後の事だったそうです。
居間で彼と奥さんとお母さんの3人で食事をしていると、
急にお母様が、彼の後ろの壁際に幽霊が居ると騒ぎ始めたそうです。
彼と奥さんは直ぐに振り向いたのですが、幽霊など見えなかったそうです。
しかし、その後も何度となく母親は、家の中でその幽霊が出たと騒いだそうです。
彼がどんな幽霊だったのかと聞くと、髪がやや長い女の幽霊で、
腕を上げるが、腕の先には手が無いのだというのです。
その後、お母様はこの家に居るのは、怖いから嫌だと言って、
次男の家に行ってしまったといいます。
それから3ヵ月後、今度は奥さんが、幽霊を見た訳では無いのですが、
なんとなく一人でこの家に居るのが気持ち悪いと言い出し、
実家に帰ってしまい、現在別居中だといいます。
彼が何か因縁のある家を買ったという可能性もあります。
何か、前の住人に不幸があって、
それに絡んだ霊が、地縛霊となって出現しているのではないか。
ただ、売買契約の時に、事故物件だという説明は無かったといいます。
また住宅の値段も、相場より安いという事は無く、また、現在2年住んでいても、
近所の方から昔の悪い噂や事件などは聞いていないとの事でした。
一度家を診てみましょう。という事になりました。
ただ、幽霊を見たという人から直接話を聞いたのではなかったので、
一応彼には、そちらの家に行く前に、
一度電話でいいから、お母様から直に話を聞きたいと申し入れました。
彼に話をつけてもらい、
弟さんの家にいる母親から直接私に電話してもらう事になりました。
彼とは一旦電話を切り、1時間後にまたかけてもらう事になりました。
しばらくしてから、彼の母から電話がありました。
簡単な挨拶を交わしてから、
「息子さんが、家の事で悩まれているという事で、
私がお役に立てるかどうか、良かったらお話を聞けたらと思います。
まず、お母様が見たという幽霊について詳しくお聞かせください。」
すると、お母様は、あの家で見た幽霊について話してくれた。
それによると、あの家で最初に見たのは、
先の話の通り、3人で居間で食事している時だったという。
息子さんの後ろに、
髪がやや長い女の幽霊で、
腕を上げるが、腕の先には手が無かったのだという。
正面からその幽霊を見たのは、その時だけで、
後は後ろからとか、横からとかで、
その時も顔は怖くてよく見られなかったという。
「あの家で見たのは、その3回です。」と言った。
彼女が、3回も「あの家で見たのは、」と言ったので、
気になって、「あの家以外でも見ましたか?」と聞いてみた。
すると、
「あの家以外でも見ました。」と言うではないか!
「えっ、どこで見たんですか?
それは同じ手が無い幽霊でしたか?」
「あの家に引っ越すまでに居た家です。
それも手がありませんでした。」
なんと、あの家に引っ越す前に住んでいた家にも、
同じ幽霊が出ていたというのだ!
そうなると、話が根本から違ってくる!
幽霊は、前の家から現在の家に付いて来ているのだ。
そうなると、当然、現在の土地や家に問題があるのではない。
そして、結婚してから奥さんとあの家に一緒に住み始めたので、
奥さんにも関係が無い事になる。
多分、問題は彼にある可能性が高い。
そして、彼が現在独りになっている事や、
彼のレストラン事業の低迷になっている事から、
彼に対する怨みがあるのかもしれないと思った。
そこでお母様に、
「誰か腕から先を失くして、亡くなった女性の方はいますか?
特に彼に怨みを抱いて亡くなったとかという女性はいますか?」
と聞いてみた。
すると、突然電話口に音楽が流れ始めた。
電話が保留になったのだ。
1・2分ほど、その音楽が流れる受話器を持って待っていると、
突然男の人が、受話器に出て、
「兄と以前、お付き合いしていた女性が、
手首を切って自殺していますが、兄を怨んでいると思います。」
と言って来た。
多分、弟さんなのだろう。
詳しく事情を聞くと、
私が言ったという事は、兄には言わないで欲しいという事で話してくれた。
それによると、
お兄さんは、レストランを立ち上げる時から、
ある女性と一緒に始めたという。
当然女性も出資して、二人でレストランの立地から、デザインまでを考え、
二人三脚で、レストランが軌道に乗るまでやってきた。
二人は婚約こそしていなかったが、
弟さんの目には二人は結婚するものだと思っていたという。
ところがある日、
その彼女が子宮ガンになって、入院する事になったという。
最初の内は、親身になってお見舞いなどに行っていた様だが、
段々と疎遠になり、
やがて、兄は自分のレストランに勤めるウェイトレスと仲良くなり、
結局そのウェイトレスと結婚してしまったのだという。
その後、子宮ガンの彼女は自殺したというのである。
私が、「その亡くなった女性は、髪がやや長い女性でしたか?」
と聞くと、そうだという。
私はそれだ!と思いました。
しばらくして、依頼者である長男さんから電話が来ました。
さて、お兄さんにはどう話していいのか、困りました。
なにしろ、弟さんが言ったという事は伏せなければなりません。
そこで、やや遠まわしに、
「手が無い幽霊ですが、
レストランの業績が悪くなったり、
お嫁さんが家を出て行ってしまうという現象は、
何か女性から怨まれる様な事はしていませんか?」と聞いてみた。
しかし、彼は、
「それが、女性から怨まれる様な事は、まったく思いつきません。」と言う。
「では、幽霊に手が無い事から、
手に致命傷を受けて亡くなった女性とか、
手を負傷して亡くなった女性は知りませんか?」
と聞いても、「知りません。」と言う。
仕方がないので、思い切って、
「例えば、自殺して亡くなった女性の知り合いとかはいますか?」
と聞いてみた。
すると、少し考えてから「いません。」と言うのだ。
ああ、この人は、言いたくないんだ。
そう思いました。
私はこう言うしかありませんでした。
「もし、手を負傷して亡くなった女性か、
貴方を怨みながら自殺した女性が居るなら、
心から謝り供養してあげるようにして下さい。」
結局、この相談は物別れとなり、
私の場合、当時は後払いだったので、
相談料をもらう事は出来ませんでした。
占いをやっていると、1ヵ月に1度くらいは、
こういう物別れ的な結果が出てしまうものです。
最後に、
これを読んだ方は、多分1つ疑問に思われた事があるでしょう。
それは、亡くなった人は手首を切ったのであって、
手を切り落とした訳では無いのに、
なぜ、幽霊には手が無かったのか。ですが、
確かに、本当なら、幽霊になって出る時、
手首が傷つき、手首から血を流している幽霊として出るのが、
本来の正しい姿ではあります。
でも、それって、
よく見ないと手首の傷なんてよく見ないと分かりませんよね。
それに、見た人の印象にも残りませんし。
そこで、幽霊になって出る時は、
印象に残る様に、
伝えたい部分を誇張して、現れる事がよくあるのです。
例えば、片目をつぶされたのであれば、
片目を閉じて出るところを、
片目から目が飛び出した幽霊が現れるとかです。
誇張して出る事によって、今回の様に思い出してもらえやすいのです。
ある意味、連想ゲームみたいに考えなければならない時があります。
私は部屋に戻ると、
お線香を1本、
子宮ガンを患った、自殺した彼女の為に灯してあげました。
「早く成仏して、今度生れてくる時は、
結婚して、幸せになるんだよ。」
END