●イトマン
この世の中には、
本当に世にも不思議な話というものがあるものです。
今日お話しするのは、その1つです。
きっと最後まで読んだ貴方も、
そんな不思議な事があるんだ。と叫びたくなるかもしれません。
東京に住んでいるある中年の女性からの相談でした。
彼女が言った、
「先生、イトマンって、どこのあるのでしょうか?」
という質問が今でも思い出されます。
イトマンと聞くと、
当時私は伊藤萬という会社ぐらいしか思い出せませんでした。
昔、日本には、「天下のイトマン」と呼ばれた大企業があったのです。
しかし、この大阪の総合商社の伊藤萬株式会社は、
戦後最大の不正経理事件を起こし、1990年に無くなっていました。
それに、これは場所では無いので、当然彼女が言うイトマンとは違うものです。
彼女は私に相談してきた5年前に、
ひとり息子(当時2歳)を先天性心疾患で亡くしていました。
その後、子宮頸部筋腫になり、子供が産めない体になったという事でした。
それ以来、離婚もあり、立ち直れずに今まで暮らしてきたといいます。
彼女は結婚前、保母さんをしていたくらいでしたから、
とても子供が好きで、それだけに自分の子供を失ったショックは、
他人の私には、計り知れないものがあると思います。
5年経った今でも、息子さんの衣服や玩具が捨てられないといいます。
彼女が電話口で、あまりに息子さんを可哀想な事をしたと連発するので、
私は、幼くして亡くなった子は、
来世では、とても長生きな人生を送るはずですから、
そんなに可哀想では無いと思いますよ。
と言っても、余り慰めにはなっていないようでした。
そんな彼女が、私に一番聞きたかった事。
それが、「イトマン」だったのです。
それは息子さんが亡くなってから、1ヵ月程たった頃だったといいます。
その日も、彼女は泣いて寝床についたのは夜中の0時を回っていました。
すると、夢の中に、在りし日の息子さんが出て来たといいます。
夢の中の息子はとても元気で、
笑顔で彼女の方を見ると、一言、
「イトマンにいるから・・・」と言って消えたといいます。
そして同じような夢が、3日続けてあったそうです。
いずれの夢も、息子さんは一言だけしか喋らなかったといいます。
「イトマンにいるから・・・」とだけ。
それから彼女は、図書館に行って調べたり、
占い師の方に相談したりしたそうですが、納得いく答えは得られなかったといいます。
そして、私も例外ではなく、分からなかったのです。
彼女に聞かれてもさっぱり、思いつかないのです。
「天国に居るとか、地獄に居るなら分かりますが、
イトマンに居るというのは、どういう事でしょうか?
そもそもイトマンって何処でしょうか?」
私もイトマンなんて、聞いた事がありません。
なにしろ子供が言った言葉だし、夢の中の言葉は時として、
似た様な言葉の発音違いだったり、
ニュアンス違いのまったく別のものを指していたりする時があります。
結局、私も彼女の期待に答える事は出来ませんでした。
ただ、私は彼女に、
3日間同じ夢を見るのは、何かしら息子さんが貴方に伝えたい重要な事があったからでしょう。
もし、イトマンの意味が分かる時があったら教えて下さい。と言って鑑定は無料にしました。
無料にしたのが良かったのか、彼女が義理固かったのか、
それから約15年が経った時でした。
私はすっかり、そんな相談があった事さえ忘れていましたが、
ある日、彼女から短いハガキが届いたのです。
先生、覚えていらっしゃらないかと思いますが、
随分前、イトマンについて相談した○○です。
あの時、イトマンの意味が分かる時があったら教えて下さい。と言われたのでご連絡しました。
もしまだ御興味があるようでしたら、お電話下さい。
短い文の下に、電話番号が書かれていました。
しばらくすると、何となくイトマンの事を聞かれた様な感じを思い出しました。
そして電話してみたのです。
やがて、
滅多に驚かないという私も、驚いた、
イトマンの謎が明らかになるのです。
後半は、明日のブログに続く。