●死神の使者
このお話は、昨日のブログ(●仏壇から出てくる霊)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12082798197.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
ある時、女子大生の方から電話相談を頂きました。
それは半年前の夏の事だったといいます。
彼女の実家には、祖父と祖母が暮らしているのですが、急に祖母が言葉が出づらくなり、
医者に行くと、脳梗塞という診断で入院となったのです。
祖父は車椅子生活だったので、祖母が入院している間、
丁度夏休みに入った彼女が、祖父の身のまわりの世話をする事になり、
実家に帰省したのです。その夜の事でした。
彼女が寝ていると、隣の仏間から「バン」という音がしたのです。
彼女は、何か落ちたのかなと思いましたが明日の朝、確認すればいいやと思いました。
ところが、しばらくすると、畳の上を誰かが歩いている様な、小さく「ミシッ」という
畳を押す様な音が聞こえたのです。
シーンと静まりかえった夜中なので、そんな小さな音でも聞こえたのでしょう。
誰かが、隣の仏間を歩いている!祖父ではない!歩けないのだから・・・
彼女は、息を殺してじっとしていたといいます。
足音は、4歩ぐらいで、あとは聞こえなくなりました。
もし誰かが、襖を開けてこっちの部屋に入って来たら、
すぐに逃げようと思って、布団の中で用意はしていましたが、
いつの間にか寝てしまったといいます。翌朝、昨日の夜の事は気のせいだったのだろうか、
思いながら、彼女は仏間に入りました。すると、なんと!
仏壇の観音開きの扉が、開いているのです。仏壇は夜、仏様が眠れる様にと、
水を下げた後、扉を閉めて寝るというのが彼女の家の仕来りでした。
そして、昨夜、彼女は確かに仏壇の扉を閉めてから寝たのです。
その扉が開いているのです。
それも、扉はちゃんと観音開きに両側に開いているのではなく、
人が僅かに通れるぐらい開いているのです。彼女は、扉を開け閉めしてみましたが、
多少の力を入れないと、自然に開く様な扉ではありませんでした。
彼女は何が何だか分からなくなったそうですが、
もしかしたら、昨日自分がきちっと扉を閉めなかったのかもしれないと思い、
その日は床についたといいます。ところが、その夜も、昨日と同じような時間に、
隣の仏間から「バン」という音がしたのです。
そして、誰かが畳の上を歩いている様な、小さく「ミシッ」という音。
昨夜と同じでした。もちろん、起きて隣の仏間を確かめる勇気はありません。
その日も布団の中でじっとしていたといいます。翌朝、彼女は恐る恐る仏間に入りました。
するとやはり、仏壇の扉は昨日と同じように開いていたのです。
それは昨日と同じように扉は全開ではなく、人がやっと通れるくらい開いているのです。
彼女は怖くなったといいます。誰かが夜中に、仏壇から這い出て来る!
それは、井戸から這い出てくる”貞子”の様に思ってしまい怖くなったといいます。
そこで彼女は、夜中に仏壇の扉が、勝手に開かない様に、
扉の左右の取っ手を輪ゴムで結んで、開かない様にしました。
これなら多少押しても、扉は開かないだろう。
こうすれば、夜中に変なものが仏壇から這い出て来る事は出来ないわ。
こうして彼女は、床につきました。ところが、この行為が、更なる恐怖を、招いたのです。
シーンと静まり返る田舎の深夜。
仏壇の扉は輪ゴムで縛ってあるから、今夜は開かないはず。
彼女はそう思って、眠りについていた。
深夜2時頃だっただろうか。
仏壇の部屋から、「カタッ!」という微かな音がした。
彼女は心の中で思った。
良かった。今日は大丈夫。
仏壇から何か出てくる事は無い。
そう思った直後だった。
突然、仏間から、
「ガタ、ガタ、ガタ、ガタ、ガタ!」と音が鳴り始めたのである。
一瞬地震かと思った彼女は、
持っていた懐中電灯をつけて、部屋の明かりを点けると、
そっと、音が鳴り響く仏間の襖を開けた。
「ガタ、ガタ、ガタ、ガタ、ガタ!」と音が鳴っていたのは、
なんと、仏壇の扉だった。
輪ゴムで結わいておいた扉が、中から開けようと、
激しく扉を叩いている感じで、
扉が「ガタ、ガタ」と波立っている。
何かが仏壇の中にいて、無性に外に出たがっている。
彼女は恐怖を覚えたという。
逃げる様にして、祖父の部屋に飛び込んだ。
翌朝、祖父に立ち会ってもらって、仏間に入った。
さすがに、今日は仏壇の扉は開いていない。
昨夜は、この仏壇の中に、何かいた!
今もいるかもしれない。
彼女は恐る恐る手を伸ばし、
仏壇の扉の輪ゴムを解いた。
そして、扉を開けた。
仏壇の中は、めちゃくちゃかと思いきや、
中の花立てや、仏飯器や写真などは倒れている様子も無く、
ほぼ前日の朝と同じ状態だった。
ただ、過去帳が台座から落ちていたので、
それを台座に戻した程度である。
いったい昨夜の扉の音は何だったのだろう。
祖父は普段仏壇の五供はしないのだろう。
ただ黙って見ているだけだった。
私もあえて祖父には、今まであった事は言わなかった。
私はその日以来、扉をゴム輪で縛る事はせず、
また、仏間の隣の部屋で寝るのは止め、祖父の部屋で寝る事にした。
その後も、朝起きると仏壇の扉が開いている事は度々あったが、
祖母が退院するまでと思い、なるべく気にしない様にした。
やがて、祖母が退院する日がきた。
私は祖母を迎えに行き、タクシーが来るまでの間、
祖母に今までの顛末を全て話した。
すると、祖母は、
「実は私も仏壇の扉をひもで縛った事があるのよ。」
なんと、祖母も私と同じような事をしていたのだ!
「それで? それでどうなったの?」
「やっぱり、あんたと同じように、夜中、
仏壇の扉がガタガタ鳴りだしよったよ。」
やっぱり祖母も、同じ体験をしていたのだ。
祖母の話に寄ると、翌朝仏壇を開けてみると、
過去帳が台座から落ちているだけで、他に異変は無かったという。
それも私の時と同じだった。
ただ、祖母の考え方は私と違っていた。
仏壇の扉が開くという現象は、
1年前からしだしたと言うのだが、
仏壇の扉が開き始めてから、この家には良く無い事が起きはじめているという。
大切な形見の花瓶を割ってしまったり、
祖父がダンプにはねられ、車いす状態になってしまったり、
祖母が脳梗塞になって入院と、ロクな事が無いというのだ。
そして、祖母はいうのです。
これはきっと、お迎えが近いんだよ。と。
死ぬ時は、ご先祖様が何人か迎えに来るから、
その前兆なんだよ。
祖母は、病気のせいもあるでしょうが、
以前の祖母よりも元気が無く、すっかり諦めている感じさえあります。
祖母は一連の仏壇の出来事を、
ご先祖がもうすぐ迎えに来るという、
まるで、死神の使者かのように言うのです。
実際、私は祖母の言う事が正しいのかどうか分かりませんが、
祖母にも祖父にもまだ死んで欲しくありません。
また、よく考えてみたら、
仏間の出来事を体験したのは、私もです。
そう思えば、死神が迎えに来るのは私かもしれないと思うと、
実家から帰宅した今でも、怖くなります。
どうか私達を助けて下さい。
そんな電話相談だった。
話を聞くと、思ったよりけっこう不気味で深刻そうだった。
はたして、こんな深刻な問題が電話相談で対処出来るのか。
どうする、占い師よ!
最終話は、明日のブログに続く。