●眠る様に亡くなる
このお話は、昨日のブログ(●幽霊付き物件)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12079842944.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
相談者は奥さんで、2ヵ月前に、中古の住宅をご夫婦で購入したという。
ところが、その家に住み始めて2日目に、霊現象が起きたというのだ。
お宅の場所を聞くと、岐阜県だという。
この一軒家を購入する時に、親にも資金を少し出して貰ったそうだが、
その時に、関ヶ原の戦いがあった跡地付近は、止めた方がいいと散々言われたというが、
夫の勤め先にも便利な場所だったので、親の反対を押し切って購入したという。
ただ、そんな場所には、亡くなった多くの武士などの魂を弔う為に、
お寺や神社が建てられていたり、祠や戦場の石碑があるのが普通だ。そこで、彼女に、
「貴方の家の半径200m以内に、お寺や神社や祠や石碑はありますか?」と聞くと、
そういうものは無いという。
「では、昔の武士の様な姿をした霊が出たとか見たという事はありますか?」
すると、「その様な幽霊は見ていない」という。
まぁ、絶対ではないが、私の場合、上の2つの質問がNOならば、
古戦場の地縛霊では無い可能性が高いとしている。
次に、彼女の家で起きるという怪奇現象を詳しく聞いてみた。
まず最初に起きたのが、引っ越して2日目に、奥さんに起きた金縛りだという。
今まで彼女は金縛りにあったことは無く、今回が初めてだったので、
とても怖かったという。そして、その時に誰かが階段を登って来る足音が聞こえたという。
それ以後、金縛りは時々起き、1階のリビングに居る時や、風呂に入っている時、
誰かが階段を降りてくる足音を聞いて、怖くなった事も何回かあるという。
そしてそれは、夫がまだ帰宅していない時や、夫が一緒にリビングに居る時なので、
間違いなく幽霊の足音だと思ったという。あと怪奇現象として彼女がいうのは、
夜寝るときには、必ず廊下と台所を結ぶドアは閉めてから寝るのだそうだが、
朝起きると、そのドアが開いている時がよくあるという。
夫に聞いても、夜中に1階に降りる事は無いと言うし、
幽霊がドアを開けたとしか考えられないという。
話を聞いてみると、はっきりと幽霊を見たという訳では無かった。しかし、
■金縛りを初めて体験。その後も度々。
■階段を登ったり、降りたりする幽霊。■勝手に開く、台所のドア。
以上の事だけだったが、引っ越して2日目に起きるという事も考え合わせると、
やはり、この家には何か居る。
霊が出る家の場合、
最も大切な判断は、その霊が依頼者を攻撃しているかどうかである。
電話相談の場合、私が直接見る事が出来ないので、
依頼者の話を聞いて判断するしかないのだが、
今回の場合、彼女の家に出る霊には余り攻撃性が無い様に思えた。
というのは、
彼女もご主人も、霊の姿を見ていないし、
また夢に出る事も無いという。
そして、「出て行け!」等の声も聞いた事が無いという。
あと頭痛や、病気などにもこの2ヵ月なっていない。
そんな事から、この霊は住人を怖がらせて追い出すという目的では無いだろう。
彼女は相談の中で、度々怖いともらしたが、
それは誰もいないはずの階段を誰かが登り降りする音に脅えての事であって、
幽霊に脅かされての事では無い。
つまり、このままの状態でも、
相談者の危険は無いと思えた。
そうは言っても、
誰か分からない幽霊が出る家は気持ちが悪いものである。
友人は呼べないし、不動産価値も下がるかもしれない。
彼女も悪い霊でなくても、出ない方がいいと言う。
当然である。
そこで、この幽霊について考えてみた。
私が気になるのは、下記の2つの怪奇現象である。
■階段を登ったり、降りたりする幽霊。
■勝手に開く、台所のドア。
まず、私が気になったのは、階段を登り降りする霊である。
私の今までの経験上、
階段を登り降りする時に、足音を立てる霊は、
以前、その家に住んでいた事がある人である。
階段を登る音、降りる音を出すというのは、
その階段を以前利用した事が無いと出来ない芸当である。
地縛霊なら、2階や1階に急に現れる事はあっても、
使った事が無い階段の登る音、降りる音を出す事は出来ないだろう。
きっと何回も、何回もその階段を利用した人だったはずである。
つまり、以前その家に住んでいた人だろうというのが私の推論である。
次に毎回廊下に通じる台所のドアだけが開いているという現象であるが、
廊下に通じるドアは、リビングや仏間、トイレや浴室があるというが、
なぜか、台所に通じるドアだけが開いているという現象。
台所だけ、というのが気になる。
私が思うに、
この霊は、女性の様な気がした。
もちろん、私の勝手な推論であり、絶対ではないが、
調べる目安にはなる。
そこで、依頼者に一旦電話を切ってもらい、
この家に以前住んでいた人の情報を調べてもらう事になった。
すると後日、彼女から再び電話があり、
彼女の家のお隣さんのお婆さんが、
この家に以前住んでいる人の事を話してくれたという。
その方の話によると、
この家に以前住んでいた人は、70代の女性だったという。
ひとり暮らしで、子供も居なかったという。
ところがある日、夜になっても家に明かりがつかないので、
おかしいと思っていると、翌日も明かりがつかないので、
警察の方に来てもらい、調べると、
ベッドで寝たまま眠る様に亡くなっていたという。
その後、死因は急性心不全と分かり、事件性は無いと判断された。
ここで、ちょっと家の売買に詳しい人は、
その家で人が死んだのなら
「事故物件」と契約時に言われたのではないかと言うかもしれないが、
実は、事故物件として告知しなければいけないのは、
その家の中で自殺や他殺、もしくは火災による焼死、
不審死や事故死などの死亡事件があった場合にのみであって、
老人の孤独死や、病死した場合は告知不要なのである。
ただし、そういう場合でも、
長い間発見されずに、死体が腐敗して発見された場合は別とされる。
つまり、この家に以前住んでいた70歳の女性は、
親も子も無く、孤独死されたという事だった。
その後、親戚の人が来て、金目の物を取り、
亡くなった女性のお葬式も行わずに、
家を不動産屋に処分してもらった様だったという。
私はその話を聞いて、
その一連の出来事が、今回の幽霊騒動の原因だと思った。
それは大きく下記の2つの出来事が関係する。
■ベッドで眠る様に亡くなっていた。
■亡くなった女性のお葬式が行われていない。
つまり、亡くなった70歳の女性は、
自分がまだ亡くなったと、認識していないのではないか。
今も自分は生きているとして、あの家で暮らしているのではないか。
寝ている時に亡くなると、そういう事が起きる時があるのである。
それでも大抵は、自分の葬儀が行われているのを見て、
ああ、自分は亡くなったのだと気付くのであるが、
彼女の場合、ケチな親戚が葬儀も行っていないというので、
その機会も奪われている。
さて、どうするかだが、
仕方がない。
亡くなった彼女の葬儀を、行うのがいいだろう。
葬式といっても費用はかからない。
隣のお婆ちゃんが、彼女の生前の写真をお持ちだったので、
亡くなった彼女だけの写真を引き伸ばし、
短冊に彼女の名前を書き、
白紙に、○○は、何年何月何日、急性心不全にてベッドで眠る様に亡くなった。と書き、
彼女がよく現れるという階段を降りた所に、机を置き、
その上にお盆とお水、お線香と写真と短冊と紙を置き、
毎日1ヵ月間、彼女を供養してあげる様に言った。
その時に、「貴方はもう亡くなったんですよ。どうか成仏して下さいね。」
と声をかけてあげるようにアドバイスした。
その後、段々とこの家で起きていた怪奇現象は無くなっていったという。
END