●自殺を考える娘





 

占い師の仕事をしていて、

やはり一番気が重いのは、自殺が絡んだ相談です。





結果がどうあれ、後味のいいものはあまりありません。




ある時、そんな気が重くなる様な相談が来ました。




 

 

千葉にお住いの主婦の方からの相談でした。





 


20歳になる娘さんがいて、

東京の大学に進学中で、

現在一人でアパートに住みながら大学に通学しているといいます。





 

娘さんとは何でも話せる親子だといいます。


ところが、最近メールの中で、

死にたいという言葉が度々使われるというのです。







今までそんな言葉は使った事は無く、

さすがに心配して、私に相談してきたという訳です。






彼女は、現在娘さんが住んでいるアパートの見取り図を持参して来ました。




お母さんいわく、明るかった娘が、

こんな自殺など考える様になったのは、

家を離れて、このアパートに住む様になったからです。

きっとこのアパートに、何か原因があるのではないでしょうか。

というので、まずこのアパートの家相を診て欲しいという。







 

しかし、私の経験から言って、

家相で、ここに住んだら自殺するという様な家相は聞いた事が無い。



確かに、ここに住んだら自殺してしまうという家はある。

しかし、それはその家にかつて住んでいた人がその家で自殺して、

成仏出来ずに、そのまま地縛霊となり、

次に住んだ人を自分と同じような気持ちにさせる現象である。



つまり、その家にまつわる因縁が関係するもので、

家の見取り図などの家相を診て分かるものではない。





 

だから、私は即座に、

家相からは、どうして娘さんが自殺を考えるのかは分かりませんと断った。



また、自殺などの心のケアは、私の専門外である。

こういう問題は、専門のカウンセラーや、

専門の医者に連れて行った方がいいですよ。と答えた。




 

すると、お母さんは、

「実は娘が死にたいという大体の理由は、分かっています。」という。





何ですか?と聞くと、

娘さんは、大学に入学してからこの最近の1年で、

2人の男性と友達になったという。

そして、いずれも彼女にメールで彼氏の写真を送信してきて、

大好きです。とか、性格がとてもいい人です。とか言ってきたという。


ところが、次々と破局してしまったという。

多分、1人の男性とは深い仲になっていたと思いますと、お母さん。


それがショックだったのだと思います。

それから元気が無くなり、死にたいという言葉出る様になったという。




 

なるほど、

話を聞けば、聞くほど、占い師の仕事では無い様に思えてきた。



カウンセラーなどのケアが必要なんじゃないですか。と私。






しかし、母は強しというのでしょうか。

どうしても、一度でいいから娘のアパートを見て欲しいというのです。






鑑定料の他に、出張費、交通費が係りますよ。

それに多分無駄足になりますよ。

と言っても、それでいいというのである。






 


さすがの私も根負けした。

まぁ、場所も神田だったので、電車で行きやすい。というのもあったし、

千代田区神田は、昔からよく古本屋探しで出歩いた場所だ。

仕事が終わったら、現地解散で古本でも探してみようという不謹慎な考えもあった。





 


翌々日、私は奥さんと一緒に、

娘さんのアパートへと向かった。


電車である。



車でも行けない距離では無いが、

運転疲れで、感覚がやや衰えるし、

神田辺りは駐車場が少ない。

それに、電車なら寝れる。(これが一番大きい)





 


やがて、JR山手線の神田駅に着いた。

今は千代田区だが、昔は神田区と麹町区だったのが、合併して千代田区となった。

神田で外せないパワースポットは、神田明神である。

仕事運、商売運を高めたい会社、個人は、ここがお勧めパワースポットである。

私も一度行った。



 


そんな説明もお母さんにしたのだが、

まったく興味が無い様子だった。

やはり娘さんの事が心配なのだろう。






 

しばらく歩くと、いきなりお母さんが、指を差し、

このアパートです。と言って立ち止まった。





 

神田のアパートと言っていたから、

さぞや2階建てのボロアパートかと思っていたら、

なんと、目の前には7階建て以上もあろうかと思われる鉄筋の建物。



「えっ! ここですか?」



「これアパートじゃなくて、マンションですよ。お母さん。」





合鍵を持っているという事で、

エレベータで娘さんの部屋へ。





明るくていいマンションである。





娘さんには、前日連絡しておいたという事で、

午後一に帰って来るまで、部屋に上がって待つことになっていた。




「お邪魔しまーす。」





予め見せてもらっていた見取り図通りの部屋である。

洋間が1部屋あり、トイレ、浴室が別々にある。

玄関を開けると、すぐにキッチンで、

キッチンを通り抜けると洋室があり、バルコニーへと一直線である。

いわゆる1Kという間取りだ。


生活感はあるものの、大体思っていた通りの部屋だ。

悪い感じはしない。






トイレも浴室も見たが、異常な感じはしない。

洋間には、テレビとソファー兼ベットがあった。

私達が来るというので、かなり片付いている感は強い。





バルコニーにも出て見たが、悪い感じはしない。





まぁ、はっきり言って、


これで鑑定料と出張料と交通費をもらって帰るだけだと思うと、

なんとなくお母さんに申し訳ないという気持ちになってしまった。





だから、来る前に無駄足になりますよ。って言ったんだよなぁ。

とそんな事を考えていた。







 

 

 

 

 

 

 

やがて来る、恐ろしいものがあるともしらず........


後半は、明日のブログに続く。