●犬の悪霊が住む家
私はこの事件が起きるまで、
愛犬家や愛猫家は、犬や猫などを虐待した事が無い方々なので、
愛犬家は、犬の悪霊などに襲われる事は無く、
愛猫家は、猫の悪霊に襲われる事は無いだろうと思っていました。
でも、人間で考えた場合、
とても心の優しい良い人にも悪霊が、襲ってくる事がある様に、
はやり、愛犬家にも犬の悪霊が襲ってくる事があっても不思議ではなかったのです。
それはある電話相談だった。
女性の方からで、
彼女は夫と息子さん、
そして、2匹のラブラドール・レトリーバーの飼い主さんでした。
1匹の名前はピーター。もう1匹はジョンと名付けていました。
夫と息子さんはそれほどでは無いのですが、
彼女は、小さい時から犬と暮らし、
今まで犬と暮らしていない時は無いという位の愛犬家でした。
そんな彼女は、2匹の犬達が思いっきり走れる庭がある家を探していて、
埼玉県にあるこの一軒家を購入したのでした。
駅からはだいぶ離れているものの、
2階建ての立派な家で、青々とした綺麗な芝生の庭が広がり、
2匹の犬が走り回るには、十分な広さがありました。
彼女は、この家に引っ越して来る時、
きっと犬達は大喜びで、この家を気に入るだろうと思っていました。
ところが、最初の異変は、
2匹が初めてこの家に門の前に着た時でした。
彼女が門を開けても、2匹はその家の敷地に入ろうとしないのです。
特にピーターは、門の前で座り込んで紐を引いても入って来ません。
それを見た息子さんが、ピーターを抱き上げ、
やっと2匹は家の中に。
その時はまだ、
変わった環境に犬達は慣れていないのだろう。ぐらいにしか思っていませんでした。
やがて、引っ越しの業者さん達が帰り、
家族3人と犬だけになりました。
夫と息子は、家中を見て回り、
自分の部屋の片づけや、荷物の整理で走りまわっていました。
私は家族の夕食作りと、2匹に食事をあげたのですが、
いつもはすぐに飛びつく犬達なのに、呼んでも来ません。
今日に限って、食欲が無い様です。
それよりも不思議に思ったのは、
普通、新しい環境に来ると、そこらじゅう臭いを嗅ぎまわって、
探検するピーターが、玄関の近くに腹ばいになったっきりそこを動かないのです。
そして、ジョンもピーターの側にぴったりついていて、
2匹がかたまって玄関の側から離れないのです。
夜、おしっこさせに庭に出した時も、
庭を隅々走り回るどころか、外に出ると、すぐにおしっこをして、
すぐに2匹とも家に中に戻ってきた。
家の中も、庭も、あまり好きでは無い様なのです。
犬だけへの異変なら、いずれ慣れるだろうと思っていたのだが、
3日後だった。彼女に恐ろしい事が起きたのは。
3日目になっても、犬達は元気が無かった。
食欲は、少しは食べる様になったが、いつもの半分。
水は口が渇くのか、よく飲んだという。
しかし、相変わらず家の探検もしないし、庭も走り回らない。
このままだと運動不足になると心配して、
息子が散歩に連れて行ったそうだ。
すると、家の敷地から出ると、いつも元気が戻るという。
2kmぐらい散歩したが、いつもの2匹だったという。
ところが、家に帰るとまた元気が無くなるのだ。
この家が気に入らないのだろうか。
そんな事を考えながら、彼女は寝床についた。
すると、夢の中で、
それは恐ろしい体験をしたという。
恐ろしい形相をした犬に、襲われたのである。
それは柴犬と思われる中型犬で、彼女を見ると吠えだし、
顔目がけて突進してくるのである。
犬に襲われる夢など見たのは始めただったので、
彼女は汗びっしょりになり、途中で飛び起きたという。
夫に話すと、
ただの夢だろう。忘れなさいと言われた。
しかし、犬に襲われる悪夢は、その後も続いたのである。
一日おきぐらいに、寝室で寝る時や、居間でうたた寝した時にも見る事あるという。
ある時は、片目の柴犬が恨めしそうに彼女を睨み、
ある時は、ビッコになった柴犬が、彼女を追いかけて来るという。
しかし、彼女は今まで柴犬を飼った事はなく、
もちろん、柴犬から怨みをかう様な事もした事は無いという。
不思議な事に、夫と息子さんは、
いっさい犬の悪夢は見ないのだという。
ある程度利口な犬は、霊が見えるという。
多分、2匹の犬達は、この家に犬の霊が居る事に、
当初から気がついていたんだと思います。
だから、怖くて玄関に座ったっきり動かなかったのでしょう。
彼女は、一日おき位に見る犬の悪夢に疲れ切っている感じだった。
一日でも早く、この家から出たいという。
しかし、そうもいかず、一人我慢しているというが、
もう我慢の限界だという。
彼女は言う、
助けて下さい。
この家には、恐ろしい犬の悪霊が住み着いているみたいなんです。
後半は、明日のブログに続く。