●ご主人のおっちょこちょい
このお話は、昨日のブログ(●不吉な数字だけの夢)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12068771710.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
私が東京のアパートに住んでいた頃、同じアパートに、田中さんご夫婦が住んでいた。
私はそれまでは、挨拶位しかしていなかったが、母とは、たまに長話をしていたようだった。
田中さんもウチも、もうこのアパートに10年以上住んでいた。
田中さんの家は、以前はご夫婦と娘さん、そしてお祖母ちゃんの4人暮らしだったが、
2年前にお祖母ちゃんが亡くなった家だった。
ご夫婦は共働きで、将来お祖母ちゃんに新築の家をプレゼントしたいと言って、
それを目標に頑張っていただけに残念だったという。
ある日、その田中さんが突然ウチに来て、奇妙な相談してきたのである。
娘さんが変な夢を、2回連続で見たというのだ。
どんな夢ですかと聞くと、それは、夢の中に数字が出て、
最初はよく見えなかったのだが、段々その数字が近づいて来て、
やがて、その数字が58だと分かったという。
大きくなった数字の58が、段々と揺れ出して、
そして、ブロックの塀が壊れる様にして、58の数字はその場に崩れ去ったという。
最初の夢は、それだけだったという。
ところが、娘さんは同じような夢を次の日も見たのだ。
夢の中に大きな数字、58が現れると、それが段々と、
夏のアイスクリームの様に、上から段々と溶け始めたのである。
やがて、58の数字は、ただの水となってしまうという夢である。
続けて見た何か嫌な感じの夢に驚き、その事を母親に話した。
娘さんも奥さんも、58という数字にはまったく思い当たる事が無い。
しかし、前月ご主人が健康診断で、初期の大腸がんが見つかって手術していた。
そして、ご主人の年齢が57だった。その時奥さんは嫌な想像をしてしまったという。
それは、夫は来年死ぬとか倒れるという意味じゃないか。
つまり、58歳になる来年、何か夫にあるのではないか。
こうして、不安になって眠れなくなってしまい、私に相談に来たのだった。
ただ、折角相談に来てもらったのだが、夢の判断は難しい。
その人の生活環境や、普段の出来事が関係したり、
その日に起きた事がそのまま出たり、寝ている環境が引き起こす夢もある。
しかし、娘さんの話を聞いていると、3つだけ、可能性が高い事が予想された。
■1つは、同じ様な夢を2回連続で見るのは、霊が絡んでいる事もあるという事。
■数字が崩れるとか、溶けて無くなるというのは、何か不吉な予感を感じさせる。
■そして、両方の夢に共通な「58」という数字が、
その不吉な予感を表しているキーポイントである事。
つまり、ヒントは「58」という数字である。しかし、どんなに考えても、
来年夫が58歳になる事以外に、思いつく事は無いという。
確かに不吉な夢ではあるが、
この時、私はご主人の死や倒れる予知では無い様な気がした。
というのは、相談を受けたのが、8月である。
しかし、ご主人が58歳になるのは、まだ10ヶ月あった。
通常死を予知するものはそんな10ヶ月も先の事は出ないというのが私の考えである。
また、「58」と言えば、5月8日に何かが起こるとも取れるのだが、
来年の5月8日までもかなり期間があるので、これも違うだろう。
結局、私の所に相談に来てくれたのだが、分からず仕舞いだった。
それから1週間ぐらいたった頃だろうか、また田中さんから依頼があった。
しかし、それは意外にも、夢の事では無かったのである。
私がこれから昼食を食べようかと思っていた時だった。
急に「ピンポーン」とドアベルが鳴り、開けると田中さんと娘さんだった。
聞くと、念願だった家を買ったという。
そこで家相を診て欲しいというのだ。
この前はお役に立てなかったので、私は快く快諾した。
ただ、驚いたのは今すぐ来てほしいというのだ。
私もまだ昼食も食べていなかったので、
「何か急いでいるんですか?」と聞くと、
実はそうだという。
朝、ご主人が千葉の方に、家の本契約をしに出かけたというのだが、
なんと肝心の実印を家に忘れて来てしまったというのだ。
このおっちょこちょいなご主人のせいで、
奥さんと娘さんがこれから実印を届けに行く所だという。
だから、千葉ではご主人が、実印の到着を今か今かと待っているのだという。
それは大変だ、
私も急いで用意して家を出た。
不動産屋さんは千葉駅前にあるという事だったので、
私達3人は電車で向かった。
途中時間があったので、電車の中で今回買った家の大体の家相を伺った。
奥さんはうる覚えだったが、娘さんの方がはっきりと覚えていた。
ざっと見る限り、悪い所は無い。
でも、
「奥さんが今実印を持っているという事は、
この物件、まだ本契約をしていないんですよね。」と聞くと、
そうだという。
「それなら、本契約の前に、
もう一度、現場を見る事は出来ますか?」
すると、奥さんはご主人に電話して、
家族にもう一度家を見せてから本契約という事になった。
とりあえず、私も家族の一員となってしまった。
私達はご主人と一旦千葉駅前で落ち合い、昼食をとる事になった。
その時に、改めて正式な図面を見せてもらったが、やはり特に問題は無い。
書類にも「事故物件」などという記述も無かった。
食事をしてから、1時丁度に不動産屋さんに出向いた。
行くと、不動産屋さんはビルの3階にあるのだが、
もう一階の入り口で、待っていてくれて、
さっそく車で現地に案内してくれた。
車の中は、不動産屋さんを含め5人なので、満員御礼状態である。
私は直ぐ着くかと思っていたら、
意外にも現地に着くまで1時間ぐらいかかった。
駅前の、特に大都市の駅前の不動産屋は、
こんなに事務所から遠い物件まで扱っているのか、感心した。
現地に着き、ようやく満員御礼状態から解放されると、
目の前に、2階建ての立派な家が目に入った。
2階の部屋などにカーテンが無いので、この家だろう。
ただ、着いた時、
一瞬だが、嫌な臭いがした。
表現しにくいが、ドブ川の様な・・・
ただ、側に川は無い。
人間の鼻は、すぐに周りの環境に慣れてしまう。
だから、最初の一瞬が勝負の時がよくあるので、注意が必要である。
さっそく家の中を見せてもらった。
先に図面を診ていたので、現地ではそれ以外の気になる所を探したが、
1階も、2階にある部屋も、やはり悪い所は無かった。
ただ、
どの部屋もカーテンが無いので、
隣の家などが、見ないでいても目に入った。
その中で、
2階の部屋から見える風景に、何か嫌な感じを受けたのである。
この家の裏手は、空き地になっているのだが、
その空地を挟んで、建っている家もカーテンが無いのだ。
不動産屋さんに聞くと、やはり空家だという。
その家は、敷地に大きな木々があり、
立派な趣きの家なのだが、何となく気持ちが悪いのだ。
手入れのされていない木々のせいか、
その家は、昼間でも暗い感じのする家だった。
私は迷っていた。
この家自体は、問題は無い。
ただ隣の隣の空家が気になる。
こんな事を、これからこの家を買う人に言っていいものか。
しかし、意を決して不動産屋が窓などを閉めている時に話すと、
娘さんが、意外な事を言ったのである。
私も門柱の所に58のシールが貼ってあるの気になったんだよね。という。
どれどれと、玄関を出て門柱を見ると、確かに58のシールが貼ってある。
「58」と言えば、先の相談で娘さんの夢の中に出て来た数字だ。
なぜ、こんな所に58のシールが・・・・
そこで、気になったので、契約書を見ると、
この家の住所だったのである。
「千葉市○丁目○番地58」
それを見た瞬間、何か嫌な感じを受けた。
これはきっと、亡くなったお祖母ちゃんが、
この家を買ってはいけないという事を、
お祖母ちゃん子だった娘さんを通じて教えているのに違いない。
そう思ったのには、もう1つ理由があった。
それはご主人のおっちょこちょいの為に、実印を忘れたという件である。
もし、実印をご主人が忘れていなければ、と考えると、
やはり、この家は買ってはいけないと、
忠告されている気がどうしても否めない。
霊は生きている人を助ける時に、
この様に、肝心な物を忘れさせて妨害しようとする事があるのである。
結局、田中さんはこの家を買わなかった。
仮契約の時の手付金は損したものの、大した額では無かったという。
今から思うと、
あの隣の隣にあった家は、幽霊屋敷だったのではないだろうか。
それを予知したお祖母ちゃんが、
娘に夢で知らせたのではないだろうか。
夢で数字だけが現れる時、
今回の様に、その数字が崩れたり、壊れたり、燃えたりするのは良く無い。
しかし、逆に、
その数字が、輝いていたり、周りが明るい雰囲気だったり、
数字の周りが花などで華やかな場合、その数字に絡んで、
良い事が起きる場合が多い。
その後、
田中さん一家は、埼玉県に家を買い引っ越して行った。
END