●不吉な数字だけの夢
占い師をしていると、
その場では、どんなに考えても分からない事がある。
今日は、そんな一例をお話ししましょう。
私が東京のアパートに住んでいた頃、
同じアパートに、田中さんご夫婦が住んでいた。
私はそれまでは、挨拶位しかしていなかったが、
母とは、たまに長話をしていたようだった。
田中さんもウチも、もうこのアパートに10年以上住んでいて、
田中さんの家は、以前はご夫婦と娘さん、そしてお祖母ちゃんの4人暮らしだったが、
2年前にお祖母ちゃんが亡くなった家だった。
ご夫婦は共働きで、将来お祖母ちゃんに新築の家をプレゼントしたいと言って、
それを目標に頑張っていただけに残念だったという。
ある日、その田中さんが突然ウチに来て、奇妙な相談してきたのである。
娘さんが変な夢を、2回連続で見たというのだ。
どんな夢ですかと聞くと、
それは、夢の中に数字だけが出るのだという。
彼女が最初に見た夢は、
夢の中に数字が出て、
最初はよく見えなかったのだが、
段々その数字が近づいて来て、
やがて、その数字が58だと分かったという。
大きくなった数字の58が、段々と揺れ出して、
そして、ブロックの塀が壊れる様にして、58の数字はその場に崩れ去ったという。
最初の夢は、それだけだったという。
ところが、娘さんは同じような夢を次の日も見たのだ。
夢の中に大きな数字、58が現れると、それが段々と、
夏のアイスクリームの様に、上から段々と溶け始めたのである。
やがて、58の数字は、ただの水となってしまうという夢である。
続けて見た何か嫌な感じの夢に驚き、
その事を母親に話した。
娘さんも奥さんも、58という数字にはまったく思い当たる事が無い。
しかし、前月ご主人が健康診断で、
初期の大腸がんが見つかって手術していた。
そして、ご主人の年齢が57だった。
その時、奥さんは嫌な想像をしてしまったという。
それは、夫は来年死ぬとか倒れるという意味じゃないか。
つまり、58歳になる来年、何か夫にあるのではないか。
こうして、不安になって眠れなくなってしまい、
私に相談に来たのだった。
ただ、折角相談に来てもらったのだが、
夢の判断は難しい。
その人の生活環境や、普段の出来事が関係したり、
その日に起きた事がそのまま出たり、
寝ている環境が引き起こす夢もある。
しかし、娘さんの話を聞いていると、
3つだけ、可能性が高い事が予想された。
■1つは、同じ様な夢を2回連続で見るのは、
霊が絡んでいる事もあるという事。
■数字が崩れるとか、溶けて無くなるというのは、
何か不吉な予感を感じさせる。
■そして、両方の夢に共通な「58」という数字が、
その不吉な予感を表しているキーポイントである事。
つまり、ヒントは「58」という数字である。
しかし、どんなに考えても、
来年夫が58歳になる事以外に、思いつく事は無いという。
確かに不吉な夢ではあるが、
この時、私はご主人の死や倒れる予知では無い様な気がした。
というのは、
相談を受けたのが、8月である。
しかし、ご主人が58歳になるのは、まだ10ヶ月あった。
通常死を予知するものは、
そんな10ヶ月も先の事は出ないというのが私の考えである。
また、「58」と言えば、
5月8日に何かが起こるとも取れるのだが、
来年の5月8日までもかなり期間があるので、
これも違うだろう。
結局、私の所に相談に来てくれたのだが、
分からず仕舞いだった。
私は、お役に立てず申し訳ありませんと言って相談料も頂かなかった。
それから1週間ぐらいたった頃だろうか、
また田中さんから依頼があった。
しかし、それは意外にも、
夢の事では無かったのである。
やがて不吉な数字「58」の本当の意味が分かる時が来たのである。
後半は、明日のブログに続く。