●個人宅では荷が重すぎる。


 


このお話は、昨日のブログ(●顔が歪む(ゆがむ)男)の続きです。

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12066557628.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ


 


相談者の中には、たまに、犯罪を犯している者がいる事もある。

それはある男性の電話相談者だった。

歳はけっこういっていると思われる。後に家族構成を聞いた時、

娘は嫁に行って、妻と二人暮らしだと言っていたので。

まず彼が最初に、訴えたのは「家に、見えない何かがいる感じなんです。」という。

彼の話をまとめるとこうだ。

ある朝、彼が目覚めて、洗面所に顔を洗いに行ったという。

そして、歯を磨いている時に、何気なく正面の鏡を見た。

すると、自分の顔が歪んでいるのだという。

右口が上がり、右目が上がり、全体的に右上がりに顔が歪んでるのだ。

しかし、妻は別にいつもと変わらない顔だと言う。

不思議な事にさっきは右上がりに歪んでいた顔が、いつもの普通の顔に戻っている。

妻からは、寝ぼけていたんじゃないと言われた。

ところが、翌日、彼が風呂に入っている時だった。

彼が髪の毛を洗い終え、正面の鏡を見ると、またもや自分の顔が歪んでいるのである。

しかも今度は、右目がやや大きくなり、おでこが腫れている感じだ。

彼はびっくりして、すぐ風呂を出ながら妻を呼んだ。

飛んできた妻が「どうしたの?大きな声を出して?」と聞くと、

「オレの目とおでこ、腫れてないか?」と彼。

「別に腫れて無いけど。」そこで改めて、風呂の中の鏡を妻と見ると、

普通の顔なのである。どこも腫れていない。結局その時も、妻に、

「鏡に水滴がついていると、その部分だけ変に映る時があるわよ」と指摘され、

その時も無理やり納得したという。

しかし、その次の日、今度は間違えようが無い事が起きた。

起きた朝食を食べ、会社に出かける時だったという。

玄関で靴を履き、ふと玄関にある大きな鏡を見ると今度は体全体が歪んでいるのである。

鏡の中の自分は、右足が短く、右腕が異様に曲がっていた。今度は間違いなかった。

その時彼は、瞬間的に思ったという。これはきっと、重大な目の病気だ。と。

その日彼は会社を休み、すぐに眼医者に行った。ところが異常は何も認められなかった。

彼は納得いかず、他の眼科医にも行ったが、結果は同じだった。

その後も、家の鏡を見ると、時々、自分の姿が歪んでいる現象が起きるという。

私が、なぜ家に見えない何かが居ると思うのですか?と聞くと、

家から一歩でると、外の鏡を見ても、顔が歪むという現象は一切起きないという。

それなのに、洗面所の鏡を新しい物に取り換えたのに、

その新しい鏡でも顔が歪む現象が起きるのだという。

だから、きっとこの家の中に、見えない何かが居るのではないかと言う。

それ以来、彼は、洗面所と風呂場と玄関の鏡はもちろんの事、

奥さんが使っている鏡も全て、普段は布を掛けさせ、

彼はこの半年、家の鏡を使った事は無いという。しかし、こんな状態だと、

家に人も呼べず、奥さんからもどうにかして欲しいと言われているのだという。

でもこの時点では、私はさっぱり訳が分からなかった。

ご主人だけに起きるという、顔や体が歪む鏡の怪現象。

この家でいったい何が起きているのだろうか!





























 

 

 

 

 

彼の話を聞く限り、

鏡の怪現象が起きるのは、彼の自宅でのみという事から、

やはり原因は彼の自宅にあると思われた。






また、彼には起きるが、奥さんには起きないという事は、

男性にのみ起こる事か、彼に対して訴えたい事がある霊現象である可能性は高い。





ただ、霊現象にしては、

ちょっと不思議な点はあった。





彼に聞いても、鏡の中の顔が歪む以外の霊現象は一切無いという。

そして、家中の鏡に布を掛けて見ない様してからは、その霊現象も起きていないという。

幽霊みたいな物が現れた事も無いし、不可解な音や金縛りも無いという。

霊現象にしては、なんか生易しい感じを受けた。




 

とは言っても霊現象は霊現象、このまま放っておくと、

もっと悪い現象に発展する事もある。

だからなんとか原因を見つけたいと思った。




 

こういう霊現象が起きる場合、

一番最初に起きた時がいつだったかを、重視する事が大切である。





彼の場合、半年前の朝、歯磨きしている時だったという。

彼の自宅は10年前に購入しているので、土地がらみや過去の家の因縁ではないだろう。

そうなると、半年前に何か彼に変わった事が起きたのではないかと思った。

「なにか、半年前頃、変わった事が貴方に起きませんでしたか?」

「半年前? ん~。別に変った事は起きて無いと思います。」と彼。






変わった事は起きていないという彼。

しかし、手がかりはこの「半年前から起きる」という事実しか無かった。





 

こういう場合、私は、

もっと限定した質問をしてみる事にしている。





 

「何か、半年前頃、

 に関して、何か変わった事がありませんでしたか。

 もしくは、

 について何か怨まれる様な事をしたとか。」




 


すると、さっきまで流暢に話していた彼の口調が止まった。

少し考えている感じで、黙ってしまった。







1・2分して、私が、

「どうしました? 何か心当たりがありますか?」と聞くと、

彼はある話を話し始めた。










それは、7ヶ月前だったという。


ある神社から、鏡を借りてたという。








「それは、どんな鏡ですか?」と聞くと、

彫刻が施された台にのった、丸い鏡を借りたという。






「借りたのは鏡だけですか?

 それはどういう経緯で借りたんですか?」と聞いてみた。







すると、

その時に小さい仏像も一体借りたという。

なにやら、彼は地域の神社の研究をしていて、

研究が終わるまで貸してもらっているという。







 

それを聞いた瞬間、私はそれが原因だと思った。

神社やお寺にある仏像などを、個人宅に持って来て飾るのは良く無いのである。

もっと言えば、多くの人が訪れる神社やお寺にある仏像や鏡が、

たった1人の為に自宅にあるのは、荷が重すぎるのである。





 

そういう場合、よく起きるのが、

元あった場所に戻りたいという、その物に籠る念や霊の訴えである。






 

私は彼に、すぐにその鏡と仏像を返すように勧めた。

彼は、そうしますと言って、電話を切られた。





 


その後、彼から再び電話が来る事は無かった。






 


しかし、なんか腑に落ちない気がしたので、

信仰のある神社の方に聞くと、



個人の人に、鏡や仏像を貸すという事は無い。という。

それも期間を区切らず、研究が終わるまでというのはいい加減な話だと。



多分、その人は、

神社から鏡と仏像を盗んだのではないか言っていた。




 


そう言えば、神社から鏡を借りたというあたりから、

なんか声がオドオドしていた感じはあった。





今思うと、私は窃盗犯と話をしていたのか。と思い、

ちょっと複雑な気分になった。







彼の場合、

鏡に映る自分が歪むという現象が起きたが、

こういう場合、もっと酷いと、

その家の金運が急激に落ちたり、体の一部が痛くなるという現象が起きる。




それなのに、彼の場合、

鏡に映るだけの現象で、布をかけたら起きなくなっている。



私が思うに、

鏡に籠っていた念は、もしかしたら、

高貴な女性のものだったのかもしれない。





最後にそんな事を感じた。

END