●告知の是非
このお話は、昨日のブログ(●怨念タンス)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12046284335.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
23歳の娘さんを病気で亡くしたというご家族から相談を頂いた事があった。
娘さんは、とてもファッションに興味があり、
着飾る事が大好きで、沢山の衣装を持っていたという。
特にお気に入りの服は、2着買って、1着は未使用のまま保存していたという。
最初のその不思議な現象が起きたのは、
娘さんが亡くなってから、半年が過ぎた頃だったという。
家に不用品を買ってくれるという軽トラックを運転する業者が通ったので、
新しくテレビを買ったので、不要になったテレビを売る事になり、
業者さんに家に取りに入ってもらった時だった。
押し入れにあったテレビをトラックに積み込むと、
その業者さんは、「他に不用品はありますか?」と奥さんに尋ねた。
すると、奥さんは、そういえば、亡くなった娘の部屋にも小さなテレビがあった事に気が付き、
業者さんを娘さんの部屋に案内した。「こんな小さなテレビでも買い取りしてもらえますか?」
「はい。大丈夫ですよ。」「説明書や付属品などはありますか?」と業者さん。
「確かタンスの中にあると思います。」と奥さん。
ところが、業者さんが、タンスの中を探し初めてしばらくした時、
急に頭を抱えて、その場に座り込んだという。そして、頭が痛いと言い出したのである。
結局、業者の方は娘さんの部屋のテレビは買わずに帰っていった。
今から思えば、それが最初の異変だったのだが、
その時は、その業者さんが偶然頭が痛くなったのだと思っていたという。
それからしばらくして、奥さんが、娘さんの持ち物の内、
まだ未使用な衣服などを、オークションで売ろうと思い、
タンスから未使用のままの物を選んでいる時に起きた。
急に頭痛がきて、その場に座り込んでしまったのだ。
そして、それから1ヵ月後、タンスが何かおかしいと気付く事が起きた。
それは、息子さんが中学生になりクラブ活動が始まったのをきっかけにタンスが欲しいと言い出した。
そこで、もう使わないお姉ちゃんのタンスを使ってもいいという事になり、
彼がお姉ちゃんの部屋で、タンスの中身を出そうとした時だった。
急に頭痛が彼を襲ったのである。
息子さんは、すぐに階下に降りると、タンスが変だと、両親に言った。
そう言えば、お母さんもそのタンスの整理をしていたら頭痛が襲ったし、
前に業者の方が、タンスをいじったら頭痛に襲われて座り込んでしまった。
「あのタンスには、きっとお姉ちゃんの怨念が染みついているんだ。」と弟さんが言った。
それ以来、誰もそのタンスには触れていないという。
私がこの話を聞いて、最初に不思議に思ったのは、そのタンスそのものの事だった。
というのは、こういう風に、タンスに亡き霊が憑くというケースは全く無い訳ではない。
希に、そのタンスがとても価値がある高価な時代物だったり、
そのタンスに対して、故人がとても思い出あったりする場合である。
ところが、今回のケース。そのタンスは、聞くと、
D2というホームセンターで買ったもので、特に高価な物ではないというし、
娘さんもそのタンスに特に愛着があった様には思えないと奥さんは言う。
しかし、なぜか皆そのタンスに触ると、激しい頭痛に襲われるというのだ。
無性にそのタンスを見たくなってしまった。
少し遠かったが、頭痛覚悟で、彼女の家に行く事にしたのである。
翌日、さっそく私は埼玉県の彼女の家に向った。
現在は、さいたま市となっているが、
当時は大宮市と呼ばれ、埼玉でも大都市の1つだった。
今のさいたま市は、この大宮市と浦和市と与野市が合併された事によって、
より巨大な市へと変貌している。
彼女の家は、大宮の駅から車で40分位の所にあった。
今回の依頼は、
普段、家にお邪魔する時と違って、家相や土地など環境を考えなくていい。
目標が明らかなので、私は家に到着すると、
出迎えた奥さんと簡単な挨拶を交わすと、さっそくタンスを見せてもらう事にした。
彼女の家は、庭付き車庫付の二階建てで、
問題の娘さんの部屋は、2階に上がった直ぐの部屋だという。
2階への階段は、途中に踊り場があり、90度に曲がっていた。
途中に踊り場がある階段は、普通の階段よりも若干階段の家相は良い。
私も何軒も自宅をお邪魔していると、
悪い階段を目にする事がままある。
例えば、階段の段から足がはみ出る階段。
つまり階段の幅が足の大きさよりも短い為に、足のかかとの一部が階段に乗っからない。
こういう階段は運勢も下降気味誘導してしまう階段である。
だから、足の大きな人は、家を建てる時や選ぶ時は、
必ず階段の一段の幅と自分の足を比べてから購入する事である。
また、階段に手すりが無い家もたまにあるが、
これも運勢を下降させる階段である。手すりはそんなに費用がかからず付けられるので、
是非無い家は、付ける様に勧めたい。
この階段には日も当たり、明るくとても良い階段だった。
さて、奥さんに案内されて、2階に到着すると、
娘さんの部屋はすぐにあった。
女の子らしいリースが、ドアにかかっている。
問題のタンスは、この部屋の中にあるのだ。
奥さんが、「娘の部屋です。」と言って、ドアを開けた。
そこはいかにも女の子の部屋という感じの部屋だった。
多分、まだ亡くなった当時のまま、この部屋は保存されているのだろう。
愛する家族が、昨日までそこに居たのである。
亡くなったからと、急に片づけるという事は出来ないのが普通だ。
問題のタンスは、今入ったドアから一番遠くの位置していた。
たいてい、ドアから一番遠くの家具にその人の大切な物を仕舞うのが常だ。
彼女も、そのタンスに何か大切な物を入れていたのだろうか。
と、タンスを凝視していた時だった。
霊が現れた感じがした。
よく質問で、
どうなったら、霊が現れたと分かりますか?と聞かれる時があるが、
下記の2つの事が同時に感じられた時、
霊が現れたと思ってもいい。
それは、
■どこからから視線を感じる時。
■背中がゾクッとして、鳥肌がたった時。
この2つが同時くらいに起きたら、霊が現れたと思ってもいいだろう。
現われるとすれば、亡くなった娘さんの霊だろう。
まだ問題のタンスには触っていないので、
頭痛とかはしないが、嫌な感じである。
問題のタンスは、白色で、
前日お母さんから話を聞いた通り、
娘さんにとってもそんなに価値のあるタンスではなさそうである。
というのは、
タンスの片面には、男性歌手の写真が画鋲で貼ってある。
価値のあるタンスなら、画鋲で刺すという事はしない。
本来なら、直ぐにでもタンスの中を見たいところだが、
きっとタンスに触った瞬間に、私も頭痛に襲われる気がしてならない。
激しい頭痛に襲われたら、仕事にならないので、
私は、そのタンスを頭の中に焼き付けると、
一旦娘さんの部屋を出て、階下に戻った。
見た限り、やはりタンス自体ではなく、
きっと中身が問題なのだと思った。
何か亡くなった娘さんにとって、大切な物があのタンスの中にあるのかもしれない。
私は紙を1枚もらうと、
そこにあのタンスの絵を書き、
お母さんに、タンスの中身を聞いた。
お母さんも、うる覚えですがと前置きしてから、
「確か、一番上の引き出しには、通帳と写真類が入っていると思います。
2段目は、学校関係の本とかノートとかクラブの用具とか。
3段目には、衣類。季節外れの洋服や靴下
4段目にも、衣類。下着など。だったと思います。」
それを聞いて、私はすかさず、
「日記はどの段に入っていましたか?」と聞いた。
実は、年頃の彼女にとって日記が、最も大切な守りたいものだったのではないかと、
ここに来るまでに考えていたのである。
日記には、家族にも話せない事を書いていたりして、
亡くなった後も、日記だけは誰にも見られたくないと思う霊は希にいる。
しかし、意外にも、
日記はそのタンスにはなく、
机の引き出しにあったという。
それも病院にあったものを、彼女の死後、
お母さんが持ち帰り、机の引き出しに入れたという。
私の日記説は、2分で崩壊した。
では写真だろうか。
年頃の女の子は、親にも見せたくない彼氏の写真があったりするかもしれない。
あとは、霊が写真を重要視しているという裏付けが欲しい。
そこで、奥さんに、
最初に異変が起きたという、業者さんの時の様子を教えてもらった。
当時奥さんは、その業者さんと娘さんの部屋にいて、
業者さんに頭痛が起きて、床にうずくまるのを近くで見ていたからだ。
こういう現象は、最初に起きた場面にヒントが隠されている場合が多いのだ。
当時の様子はこうだったという。
業者の方が、テレビの説明書を探す為に、
娘さんのあのタンスを開けたという。
最初に、一番上の引き出しを開け、
中を少しかき回してみたが、無く。
次に2番の引き出しを開けて、学校関係の物しか無いと分かると、
3番目を開き、洋服しか無いと分かると、
すぐに4番目の引き出しを開けたという。
すると、その直後、激しい頭痛がその業者さんを襲い、床にうずくまったという。
それを聞いて、
私は写真じゃないと思った。
霊が固執している物が写真なら、
最初の引き出しに手をかけた瞬間に、頭痛がしてもいいはずだし、
2番目3番目に注目が移っていったのなら、写真は安全になったのだから、
業者を襲う必要は無くなる。
そこで、奥さんが頭痛になった時と、
息子さんが頭痛になった時も聞いてみた。
すると、なんと奥さんも息子さんも、
業者と同じように、4段目の引き出しに手をかけた後に頭痛に襲われたというのだ。
という事は、
鍵はタンスの4段目という事になる。
4段目の引き出しに、どんなお宝があるのだ!
奥さんに、その引き出しの中に宝石とか価値のある物はありますか?
と聞くと、娘は宝石とかバックとかにはまったく興味が無かった子だったという。
興味があったのは、ファッションだけだったというのだ。
そして、引き出しの4段目には、
洋服しか無いと思いますという。
もし、私が男では無く、
年頃の女性だったら、この時点で気がついていたのだろう。
しばらく私が困惑気味に考え込んでいると、
奥さんが、
「娘は下着を見られたくなかったのでしょうか?」と聞いてきた。
「なぜですか?」と聞き返すと、
生前、娘さんは下着は全て自分で洗い、他の人には、
たとえ母親にも触らせなかったという。
干すのも自分の部屋で干し、洗濯する時は他の人とは別にしたという。
そして、4段目には下着であるパンティやブラジャーの他、
水着やパットなどもそこにあったという。
そういうお母さんも、娘が病気で入院した時に、
初めてタンスの4段目を開けたという。
長期入院に必要な下着を、揃えた時が最初だった様だ。
その時でさえ、娘から引き出しの一番前の物を取って来てなど、
細かい指示をされたという。
私は気になったので、「娘さんに告知はされましたか?」と聞いてみた。
すると、告知はしていないという。
医者から余命3ヶ月と言われたが、とても娘には言えなかったという。
それを聞いて、
それだ!と感じた。
意外な事かもしれないが、娘さんは、
自分の下着を、他の人の目に触れさせたくなかったのだ。
特に最初が最悪だった。
家の者ではなく、まったくの他人の男の大人の人に、
勝手に下着を見られたのだから、彼女もたまったものでは無かっただろう。
その後、自分の気持ちを伝えたくて、
お母さんや息子さんにも同じ現象を起こしたと考えられる。
こういう場合、
気になってしょうがない物が残っていると、なかなか成仏出来ない場合がある。
そこで、奥さんに、
仏壇に手を合わせて、3日間、
娘さんに下着類を、燃やして貴方の所に届けていいですか?
もしダメなら教えて下さい。と言い続けてから、
娘さんの下着を庭で燃やす様に勧めた。
その後、下着類は全て燃やしたという。
そしてそれ以来、タンスにいくら触っても頭痛にはならなくなったそうだ。
今回の件で、
1つ難しい問題が、浮き彫りなっている。
それは告知という難しい問題である。
今回のケースで言うと、
可愛い娘さんに、余命3ヶ月である事を告知するかどうかは、
家族にとってとても難しい問題である。
私にも答えは出せないが、
1つだけ言えるのは、
もし告知していたなら、
きっと霊障は起きなかっただろう。
なぜなら、
娘さんは、自分が亡くなる前に、
亡くなった後に他の人に見られない様に、下着類を自分で始末したはずである。
告知には、そういう利点もあるという事だけ。
最後に付け加えておきますが、
だからといって、告知は難しい問題である。
ただ告知した方が良いケースが多い様に感じる。
例えば、
冬季オリンピックのスピードスケートで金メダルと取った、
清水宏保選手のお父さんが、余命半年と言われた時、
お父さんはそれを聞いて、その半年は、息子の為に全てを使おうと決心したという。
その後、彼は息子のスケートの上達を一心に考え、コーチとなり、
彼を押しも押される選手へと育てあげた。
しかも、はっきりした目標と意思を持った体は不思議である。
余命半年と言われたお父さんは、
その後9年以上も息子を2人三脚で頑張れたのである。
人間の希望には、告知を上回る力が出る時があるのである。
ちなみに、私の父が医者から私達家族だけに、
余命1ヵ月と告げられた時、
父には言えませんでした。
最後まで、
「父さん、頑張ろうね、と言い続け、
亡くなる1週間前にも、
横浜の病院でいい方法があるみたいだよ。
今度はこそは治るかもしないよ。
今度は大丈夫だから。
今度は間違いないから。」 と予定まで立てていました。
本当の事を言わなかった事を、未だに後悔する時がたまにあります。
END