●呪いの数字
今日はどんな事を書こうかと、テレビを見ていると、
名古屋市で2007年に起きた闇サイト殺人事件で死刑が確定した、
神田司死刑囚の刑を同日午前に執行した。というニュースが流れた。
テレビでは、神田死刑囚は他の2人と携帯電話サイト「闇の職業安定所」で知り合い、
2007年8月、名古屋市路上で会社員磯谷利恵さん当時(31)を車で拉致し、
監禁。現金を奪った上、ロープで首を絞めて殺害して、
岐阜県の山林に遺体を遺棄した。とだけ報じられていた。
日本では、これまで死刑は2人以上を殺さないと科さないという一般常識があったが、
この事件をきっかけにして、1人だけを殺しても、
そこに残虐性が認められれば、死刑になるという事が事実化された。
インターネット時代を象徴した事件だったので、今でも鮮明に覚えている。
当時、一人だけ死刑となってしまった神田は、
こんな事を世間に訴えていた。
「私は死刑で構わない。だから上告もしない」
(事実上告を自分から取り下げて死刑が確定している)
「しかし、堀はなぜ無期懲役なのだ。
あいつは、オレよりももっと、もっと恐ろしい男なんだ。
あの男は何人殺害しているか未だにわからないくらい凶暴な男なのに・・・」
「川岸、アイツは嘘をついている!!」
なぜ、俺だけが死刑に・・・・
そんな記憶が、もう一度改めてこの事件の背景を調べたくなった。
闇サイト殺人事件の主犯3人(神田・堀・川岸)はどこで、死刑と無期懲役に分かれたのか。
調べてみると、この事件、
実は当初、3人ではなく、4人いた。
そもそもこの事件の首謀者は、川岸だった。
川岸が闇サイトに、
「ムショ出て派遣で働いていますが、
実にばかばかしい。何か組みませんか」
と携帯電話で書き込んだ一文から全てが始まったのだ。
そして集まったのが4人だった。
言い出しっぺの川岸は、まずもう1人の相棒と、殺人事件の前日、
長久手にある水道工事会社に強盗に入った。
しかし、そこには金が無かった。
そこで、次に女性を襲って殺し、金を奪うという事を計画したのだ。
でも、もう1人の男は、さすがに殺害計画には反対だったので、
この闇サイト殺人事件が起きる数時間前に、メンバーから抜ける目的もあり、
愛知県警警名東署へ自首して緊急逮捕された。
その後、この男は裁判で、
窃盗未遂罪と強盗予備罪で懲役2年・執行猶予3年が確定している。
そして、残った3人で、殺人事件を起こしたのである。
当初、言い出しっぺの川岸は、
被害者から金を奪って殺すだけではなく、性的暴行を加えようとしていた。
初めは、仲間の神田と堀は車外で煙草を吸いながらそれを黙認していたという。
しかし、川岸に襲われて、被害者が悲鳴をあげた時、
神田は、川岸の暴行をやめさせたが、悲鳴を止める為に首に手をかけた。
のちに、神田は失神させるだけのつもりだったと語っていた。
しかし、皮肉な事に、神田が首に手をかけるのをみた堀と川岸が、
目撃者を殺すのだと思い、
川岸が堀に、凶器のハンマーを手渡して、殺害を示唆。
ハンマーをもらった堀は、それで何度も被害者の頭部をなぐった。
その後の裁判では、
神田の主張だった被害者を性的暴行から守って、
悲鳴を止める為だけだったという主張は認められていない。
それよりも、他の2人の証言で、
神田が最初に被害者に手をかけた主犯格であり、
オレ(堀)は彼に続いただけ。
そして川岸にいたっては、ハンマーを掘に渡した後、
車の外に出たので、殺人には関与していないと主張した。
もし神田の主張が事実であれば、
神田はなぜ性的暴行を止めたのであろうか。
これには、もしかしたら彼の生い立ちが関係しているかもしれない。
神田は、小さい頃に両親が離婚。
多額の借金だけが残ったらしく、祖父母や兄などと住まいを転々とした。
やがて、父親が戻って来たが、
父親は神田少年に、たびたび暴力を振るったという。
そんなある日、彼の隣の家に泥棒が入る事件が起きた。
警察は神田少年を逮捕、3日間拘留して厳しく責めた。
しかし、誤認逮捕と解って釈放される。
その時、警察からは何の誤りの言葉も無く、ただ外に放り出され、
それ以来、警察不信となったという。
警察のこの様な行いに納得がいかなかった彼は、この事を高崎市役所に訴え出た。
しかし、「ガキのくせに一人前に人間様らしいこと言ってるんじゃねえ」と追い返されたという。
この時から、彼の歯車は狂い始めたのだという。
しかし、どんな事情があろうとも、殺人はいけなかった。
犯行後、3人の量刑を分けたのは、
最終意見陳述だとも言われている。
最終意見陳述で、堀被告は泣きながら、
「被害者の夢や希望を奪って、遺族に苦しみを負わせてしまった。
申し訳ない」と遺族が座る傍聴席へ向かって頭を下げた。
川岸被告も声を震わせて、
「お母さんの意見陳述は胸に刺さりました。女性のご冥福をお祈りします。
すみませんでした」と一礼した。
しかし、神田被告は、
「特に申し上げることはない」と話し、裁判官の心証を悪くしたとされる。
神田は極悪人だったが、ウソのつけない性格だったのかもしれない。
川岸被告が他の2被告に対して、
「お前らのおかげで人殺しになった」と声を荒らげたりする場面も何度かあったという。
また、堀被告の弁護人は、
犯行の無計画さを強調し、「殺害行為の主導は神田被告で、堀被告は指示に従っていた。
矯正不可能とはいえず生きて罪の償いをさせるのが相当であり、
死刑を選択すべき場合には到底該当しないと主張した。
これに対して、神田は自ら法廷で争う事を取り下げ、死刑を受け入れた。
裁判結果は、
神田が死刑。堀と川岸は無期懲役だった。
自首が考慮され川岸は、死刑を免れた。
その後、無期懲役の地裁判決が言い渡された川岸は判決後に
「被害者は運が悪かっただけ。今でも悪いことは、ばれなきゃいいという気持ちは変わらない。
生かしてもらえてよかった。ありがたい」とコメントした。
その後、ネットで、この事件の被害者である磯谷利恵さんが発した
呪いの一言が話題になった事があった。
事件当日、犯人三人は、
利恵さんを誘拐すると、
車内で「カードの暗証番号を教えな。殺しちゃうよ」
というと、利恵さんは体を震わせて暗証番号を教えたという。
番号は「2960」です。
キャッシュカードの番号を聞き出した3人は、すぐに利恵さんを殺害した。
しかし、犯人たちが銀行などで3度お金を引き落とそうとしたが、うまくいかない。
3人は銀行の前で、唖然としたという。
その番号はウソで、引き出す事はできなかったのである。
しかも、お金が引き出せなかった事で、3人は次の犯罪を計画する事に。
再び別の女性を殺す計画をたてる為に、JR名古屋駅付近で落ち合った。
しかし、川岸がこのままでは死刑になると怯えだし
警察に電話をして自首したのである。
それにより事件が発覚し、神田、堀が逮捕された。
つまり、最後の利恵さんの番号を教えないという抵抗が、
3人の検挙に繋がったといえる。
本日、神田死刑囚が死刑執行となったが、
利恵さんの遺族は、堀も死刑であるはずとずっと訴えていた。
無期懲役では、娘は納得いきません。と。
すると、判決から何年後かに、
ある事件が明るみとなる。
堀が他の事件にも関与していたのである。
1998年に愛知県碧南市で夫婦が殺害され現金を奪われた強盗殺人事件の主犯という疑い。
そして、2006年にも名古屋市守山区で老女が首を絞められて現金を奪われた
強盗殺人未遂事件にも関与しているとして、再逮捕されたのだ。
堀は、神田が言っていた様に、凶悪犯だったのである。
これによって、堀もいずれは死刑になるだろう。
利恵さんの遺族は言う。
「娘が堀の無期懲役の判決に納得しておらずに、
『違うよ』と教えてくれたのではないかと・・・・」
娘はとても素敵ないい子で、ブログにも幸せだった毎日が記されていました。
http://kuishinbounagoyan.blog96.fc2.com/blog-date-200708.html
そんな彼女の最後のブログの言葉は、
今度は親しい友人とまったり来たいな^^♪ だった。
遺族は語る。
娘は、
「殺されると覚悟していたから。むざむざお金までとられたくないと思ったのでしょう」
そして、昔から語呂合わせが好きだった娘は、
死を覚悟した最後の抵抗としてのウソの暗証番号だったのでしょう。と。
それが、「2960」だったのです。
「2960(ニクムワ)」
憎むわ!!
END