●ラップ音を鳴らした者の正体
このお話は、昨日のブログ(●シャボン玉が割れる音がする)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12018049151.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
電話があったのは、ある年の6月だった。彼女は大学2年生。
半年前、彼女がまだ大学1年生の時、彼と出会った。その時、彼は同じ大学の3年生。
時々同じクラスになった事から知り合い、付き合う様になったという。
彼はおとめ座のA型だった。彼女との相性は、普通。
優しい好青年で、色々と大学の事を教えてくれたという。
将来デザイナーになりたいという彼女に付き合って、
渋谷や代官山などに洋服を見に行ったり、ファッションショーなどにも行った。
クリスマスには、お台場に連れて行ってくれ、
お正月には、友達を含め4人で明治神宮に初詣に行ったという。
そんな今年の5月、彼が急にプロポーズしてきたのだ。「結婚しよう。」
正直嬉しかったし、こんなまだ何にも出来ない私でいいの?という気持ちもあった。
でも、それだけに将来の自分の可能性も見たかった。だから断ったという。
「まだ結婚は早いんじゃない。大学生だし・・」
その返事を聞いて、彼は言葉には出さなかったが、かなりがっかりした様子だった。
そして、それが彼女が彼を見た最後だった。
2日後、彼はバイク事故で亡くなったという。あれから気まずくて、電話もしなかった。
彼女はその訃報を聞いて、私が殺してしまったのでは、と思ったという。
私がプロポーズを断ったから、彼は無茶な運転をして亡くなったのではないか。
もしくは、考えたくは無いが、彼は自殺したのではないか。
そんな自責の念が渦巻き、怖くて、彼のお葬式には行けなかったという。
彼に会わせる顔も無いし、彼のご両親に会うのも怖い。
彼のお葬式中は、大学にも行けなかったという。
そして、異変が起きたのは、彼が亡くなってから、四日後の事だった。
彼女の部屋の中で、ラップ音が鳴る様になったのだ。それは「パッ!」という
小さな音だが、まるでシャボン玉が割れる音を大きくした様な音だという。
もちろん、シャボン玉など無い。
しかし、まるで部屋の中に浮いているシャボン玉が割れる音がするというのだ。
彼女いわく、彼はこの部屋に来た事があり、まだ彼のと写真もあるという。
シャボン玉が割れるという音は、二人の将来を壊した私を責めているのでしょうか?
だとしたら、彼は私に何を言いたいのでしょうか?
その後、彼女は怖くなって直ぐに実家に一時帰省したという。
しかし、帰省した2日後には、またシャボン玉が割れる音がしだしたのである。
「どうしたら、彼の怨念から逃れられるでしょうか? 助けて下さい。」
そんな電話相談だった。
彼女の悩みをまとめるとこうだ。
■彼が亡くなってから始まったラップ音。
それは部屋にいる時はもちろん、実家までもついてくる。
■彼が起こすラップ音は、何を意味しているのか?
■彼は私が自殺に追い込んでしまったのではないか。
まずこの相談で、一番気になるのは、
ラップ音である。
相談者の彼女は、自宅にある彼から貰った物や彼の写真が、
何かラップ音に関係するのではないかと、心配していた。
しかし、
私が実家にも彼氏から貰った物や彼の写真はありますか?と聞くと、
実家にはそういう物は無いという。
でもラップ音は、実家でも起こるという。
したがって、ラップ音は彼から貰った物や写真には関係無いと思ってもいい。
次にラップ音それ自体だが、
私は彼女が言った、次の言葉に注目した。
それは、そのラップ音は、
彼が亡くなってから、四日後に始まったという。
これは何を意味するのか。
私はラップ音は、亡くなった彼氏が鳴らしているのでは無いと思った。
なぜなら、人は亡くなり、肉体の無い霊となったばかりの時は、
亡くなったという混乱と新しい環境にはまだ慣れず、
ただたださ迷っているはずである。
まだ亡くなって4日しか経っていない霊体が、
亡くなってだいぶ経っても、起こすのが大変な、
心霊現象であるラップ音を鳴らす能力など無いのが普通である。
つまりラップ音は、彼氏が起こしている物では無いだろう。
では、誰がラップ音を起こしているのか。
彼女に聞くと、これまでに、
彼女の部屋や実家でラップ音がした事は無いという。
そうなると、やはり、
彼が亡くなってから始まったというタイミングは無視できない。
何か彼の死と関係がある人が鳴らしているというのは間違い無いだろう。
それは誰か。
私は改めて、彼女に聞いてみた。
「貴方は、何事も思いつめる方ではないですか?
一つの事に集中するタイプで、失敗などするとかなり落ち込んだりしませんか」
すると、そういう所もあるかもしれません。という彼女。
「そうですか。
意外かもしれまえせんが、
それらのラップ音は、実は貴方の念が生み出していると思われます。」
「え~!?」とびっくりする彼女。
「貴方が彼を追いこんでしまったという自責の念や、
彼が自殺ではないかと思い悩む心、
彼の葬式に出なかったという懺悔の心、
それらが、1つの大きな念となって、
ラップ音を作り出す事があるんですよ。
特に思いつめるタイプの人や、
1つの事に集中するタイプの人が作り出しやすいんです。」
そう思うと、彼が亡くなってから始まったというラップ音、
彼女しかいない部屋で起きるラップ音や、
実家に帰っても起きるラップ音の説明がつくのである。
では、ラップ音が起きない様にするにはどうすればいいのか。
それは、彼女の自分を追い詰める自責の念を取り除く事である。
そこで、まず彼の自殺についてだが、
電話で聞く限りでは、自殺かどうかのはっきりした判断は出来ないが、
彼の死は自殺じゃない様な気がしますと彼女に言った。
それは、気休めではなく私の経験上、
失恋による自殺の場合、
亡くなる2日間の間に、恋人にメールや電話をしたり、
恋人だった人のマンションで亡くなるとか、
何かしら、貴方のせいで亡くなるという記録を残すとか、
二人の思い出の場所で亡くなるとか、
亡くなる前に、もう一度声を聞きたいとかの前兆があるのが普通である。
それが今回は、2日間も彼からまったく連絡が無く、
また亡くなった場所も2人とはまったく関係の無い場所である。
そして、何よりも、
彼のプロポーズに対して、彼女ははっきり断っていない。
「まだ結婚は早いんじゃない。大学生だし・・」と言って断っている訳で、
つまり、今は結婚出来ないけど、大学を卒業したら・・という意味にもとれる。
普通はあと3年が待てなくて自殺はしないものである。
「だから、彼は自殺したのでは無いと思いますよ。
彼の死は事故だったんです。
貴方は、何にも責任を感じる事はないんですよ。」
「あと、お葬式に出なかった事を後悔している様ですが、
貴方を好きになってくれた彼なんだから、
今からでも遅くありません。
彼の家に行って、彼の好きだった物をもっていってあげ、
お線香をあげて、供養してあげて下さい。
そして、3年間は彼の命日にお墓参りしてあげて下さい。」
とアドバイスした。
すると彼女は、
「でも、彼のご両親に恋人なのに
葬式にも来ないでと責めらえるのではないでしょうか?」
「うん。そうかもしれないけど、
その時は、ショックで寝込んでいたと言って下さい。
でもね。
彼の生年月日やA型という血液がから診て、
彼は生前、とても慎重な人で、
ひとステップ、ひとステップ上るタイプだったと思います。
だから、
貴方からの結婚OKを聞くまでは、親には話していないと思いますよ。
行きにくかったら、大学の友人を誘って、彼の同級生でしたという事で、
お線香をあげさせて下さいと言って、彼の家に行ってみてはどうでしょうか。」
その後、
彼女は友人と一緒に、お線香をあげに行ったという。
それ以来、ラップ音もしなくなったそうである。
「どうか成仏して、そして来世でまた会いましょうね。
その時は、結婚するんだよ。
今までありがとうね。」
END