●永遠の絆
このお話は、昨日のブログ(●泥棒にはいる幽霊)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12003282770.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
ある時、不思議な電話相談がありました。家に泥棒が入るというのです。
それが普通の泥棒ではないという。幽霊が泥棒だと言うのである。
彼女の家は2階建てで、泥棒が入るのは、なぜか2階にある彼女の寝室のみだという。
寝室には大きなクローゼットがあり、そこに洋服などが閉まってあるのだと言うのだが、
その洋服に隠れるようにして、金庫が置いてあるという。
その金庫がいつも狙われるというのだ。
金庫が狙われているのは確かだが、今まで盗まれた物は無いのと、
ガラスを破られたとか、帰ったら何か壊されていたり、
窓が開いていたという不審な事は一切無いという。
ではどうして、金庫が泥棒に狙われたか分かったかというと、
彼女は、大切な実印や通帳、権利書やパスポート、
多額にある時の一万円札などを金庫に入れているという事だが、
金庫から出し入れする時は、最後に必ず、ダイヤルを数字の7にしておくのだという。
ところがここ半年、
時々そのダイヤルが動いていて、7ではなく他の数字になっているのだという。
始めは、夫か息子がいじったのではないかと疑っていたが、
夫が出張で留守の時にもダイヤルが動いていた事もあったのだという。
また小学生の息子さんが、そう何度もダイヤルを動かしたとも思えなかった。
そんな時、泥棒の犯人が幽霊ではないかと思う様な、事件が起きたのである。
その日は、彼女の旦那さんが付き合いで遅くなるというので、先に床に入ったという。
彼女は寝る前に、通帳と印鑑を金庫にしまい、
ダイヤルをいつもの様に、数字の7にしてベットに横になった。
しばらくして、電気を消し、ウトウトし始めた頃だったという。
かすかに、クローゼットの方から音がするのに気が付いた。
暗闇の中、段々と目が慣れてくると、寝室には彼女以外誰もいない事が分かった。
そして、耳を澄ましていたという。すると、静まりかえった寝室に、
「カチ、カチ」と、クローゼットの中から音がするのである。
それはまるで、金庫のダイヤルを回している音の様だった。
今、まさに泥棒がこの部屋に居る!
クローゼットは閉まったままで、泥棒は中に入ったまま出てこようとはしなかった。
やがて、夫が帰宅。その瞬間、彼女は飛び起き、まっしぐらに1階に降り、
包丁を持って、夫と寝室に戻ったという。
泥棒がいるかもしれないというので、夫もナイフを片手に先頭を切った。
ところが、寝室にはおろか、クローゼットの中にも泥棒など居なかったという。
また窓はきっちりと閉まっており、ベランダに通じる大きな窓も、しっかりと施錠されていた。
ただ1つ。金庫のダイヤルだけが動いていて、数字の7では無かったのである。
彼女は今までの事も、今回の事も、幽霊以外には考えらえないという。
そんな変わった相談だった。
この段階では、私も読者と同じ様にまったく分からない状況でした。
どうして幽霊が金庫をいじるのか。
私にとっても幽霊が泥棒に入るなど、今まで聞いた事が無い。
その霊は生前、泥棒だったのだろうか。
それだったら、まずは金庫ではなく奥さんの財布だろ。
しかし、金庫以外におかしな所は無いという。
こういう不思議な現象が起きた場合、
その不思議な出来事だけを検討していても分からない場合が多い。
まずは、この現象と関係がありそうな事を探すのである。
ただ、今回の場合、
金庫のダイヤルが動くという事以外に、
これといって手がかりが無い。
しかし、ただ1つ。
これまでの彼女の話の中に、
手がかりになりそうな発言があった。
貴方は、その手がかりとは、何だと思いますか?
分かった人は、私より凄いかも!
少し考えてみてから、先にお読みください。
手がかりになりそうな発言、
それは、
「ところがここ半年、
時々そのダイヤルが動いていて、7ではなく他の数字になっているのだという。」
つまり、ダイヤルが動くという現象は、
ここ半年前から始まったというのである。
大体、こういう霊現象は、
いつから始まったかというのが、謎を解く重要なカギになる事が多い。
例えば、新しい家に引っ越してから霊現象が始まったなら、
その家か土地が、まず怪しいと考えるべきである。
という事で、彼女に、
「半年前頃に、何かありましたか?」と聞いてみた。
すると、
半年前に、夫のお母さんが亡くなったという。
私は瞬時に、それと金庫の件が偶然同じ時期になったのでは無いと感じた。
そこで更に、
「金庫の中に、お義母さんの物は入っていますか?」と聞いてみた。
金庫のダイヤルをいじったのが、お義母さんの霊ならば、
きっと何か、
金庫の中に死んだ後でも気になる物が入っているのではないかと思ったのである。
すると彼女は、金庫をその場で開けて、
電話口で中を確認してくれた。
「えーと、お義母さんのパスポートがあります。
それから、それから、
金貨が3枚。
それと、お義母さんが使っていた実印。
そして、お義母さんの指輪です。」
「なるほど、
パスポートと、金貨と実印と、指輪ですね。」
「はい。」
「その4つの中で、お義母さんがいつも大切に思っていた物は、何ですか?」
すると、
彼女は間髪入れずに、すぐに、
「指輪です。」と、きっぱり答えた。
私が、どうしてそう思われますか?と聞くと、
彼女は、その指輪のこんな話を話してくれた。
夫のお父さんは、彼がまだ小学生2年生の時に亡くなったのだという。
その時から、ずっと母親が一人で彼を育ててくれたのだ。
多分そこには大変なご苦労があっただろう。
それでも生前、母親は息子にこう言っていたという。
お父さんはとっても、とってもハンサムで立派な人だったのよ。
そして、貴方の事をホントに可愛がってくれたのよ。
そんなお父さんが、末期のガンで亡くなる1ヵ月前、
医者に強引に許可をもらって、急に病院を抜け出したという。
それを知らなかったお母さんは、来て居ないのにビックリしてずっと病室で待っていた。
すると、午後4時頃戻ってきて、
半怒りのお母さんに、「はい」と箱を渡したという。
それが、そのダイヤの指輪だという。
「こんなの買うお金どこにあったの?」と聞くと、
お父さんは、腕を見せて、ほら、
もうオレには時計必要ないから・・・って。
あんなに大切にしていた時計が、彼の腕から無くなっていました。
「結婚した時、貧乏で大した指輪買ってやれなくてゴメンな。
ずっと、気になってたんだ。」
お義母さんは、
「バカじゃない!」と言いながら泣いていたといいます。
その後、お義母さんは、
仕事でどんなに苦しくても、どんなに嫌な事があっても、
指輪を見ながら頑張ったといいます。
そんなお義母さんが、半年前に亡くなった時、
一番大切にしていた指輪をどうするかという事になった。
夫は、棺に入れてあげようと言ったのですが、
結局、誰かが燃えない物は入れてはいけないといい、
指輪はその後、金庫の中に保管された。
私はその話を聞いて、
やっぱりその指輪をお義母さんが取りに来たのだと思いました。
人は亡くなっても大切な物があるのである。
そこで、彼女にこうアドバイスしました。
「その指輪を、お義母さんに届けてあげましょう。」
「えっ、どうやって?」
「2通りありますが、どちらにしますか?」
■お義母さんのお墓に、その指輪を一緒に埋めてあげる。
もしくは、
■「お義母さんの指輪ですよ」と声をかけてあげて、仏壇の位牌の前に1年間置いてあげる。
彼女は、さっそく金庫から出して、
位牌の前に置いてあげるという。
その後、
金庫のダイヤルが勝手に動く事は無くなったという。
余談ではあるが、
お義母さんは、お義父さんが亡くなる時、
「息子を頼んだよ。」と言われた他に、
「一人じゃ大変だから、
いい人を見つけて、
結婚していいんだぞ。」と笑って言ってくれたという。
しかし、
彼女は、その後結婚せずに、
頑張って一人で息子を育てたのだった。
そんな母を世界一の母と、ご主人は言っているという。
ちなみに、
ダイヤモンドの石に込められた思い(石言葉)は、
永遠の絆(きずな)
END