●泥棒にはいる幽霊
ある時、不思議な電話相談がありました。
家に泥棒が入るというのです。
泥棒なら私ではなく、警察にご相談した方がいいですよ。と言うと、
それが普通の泥棒ではないという。
幽霊が泥棒だと言うのである。
詳しく聞くと、
彼女の家は2階建てで、
泥棒が入るのは、なぜか2階にある彼女の寝室のみだという。
寝室には大きなクローゼットがあり、
そこに洋服などが閉まってあるのだと言うのだが、
その洋服に隠れるようにして、金庫が置いてあるという。
その金庫がいつも狙われるというのだ。
私が警察には相談された事はありますか?と聞くと、
無いという。
というのは、金庫が狙われているのは確かだが、
今まで盗まれた物は無いのと、
ガラスを破られたとか、帰ったら何か壊されていたり、
窓が開いていたという不審な事は一切無いという。
ではどうして、金庫が泥棒に狙われたか分かったかというと、
彼女は、大切な実印や通帳、権利書やパスポート、
多額にある時の一万円札などを金庫に入れているという事だが、
金庫から出し入れする時は、
最後に必ず、ダイヤルを数字の7にしておくのだという。
ところがここ半年、
時々そのダイヤルが動いていて、7ではなく他の数字になっているのだという。
始めは、夫か息子がいじったのではないかと疑っていたが、
夫が出張で留守の時にもダイヤルが動いていた事もあったのだという。
また小学生の息子さんが、そう何度もダイヤルを動かしたとも思えなかった。
そんな時、
泥棒の犯人が幽霊ではないかと思う様な、事件が起きた。
その日は、彼女の旦那さんが付き合いで遅くなるというので、
先に床に入ったという。
彼女は寝る前に、通帳と印鑑を金庫にしまい、
ダイヤルをいつもの様に、数字の7にしてベットに横になった。
しばらくして、電気を消し、ウトウトし始めた頃だったという。
かすかに、クローゼットの方から音がするのに気が付いた。
暗闇の中、段々と目が慣れてくると、
寝室には彼女以外誰もいない事が分かった。
そして、耳を澄ましていたという。
すると、
静まりかえった寝室に、
「カチ、カチ」と、
クローゼットの中から音がするのである。
それはまるで、金庫のダイヤルを回している音の様だった。
今、まさに泥棒がこの部屋に居る!
そう思うと、金縛りの様に体が動かなかったという。
その状態が1時間位続いたという。
彼女にとっては、3時間位に感じたという恐怖の時間だった。
もちろん、寝れるはずもなく、
布団の下でじっとしていたという。
しかし、クローゼットは閉まったままで、
泥棒は中に入ったまま出てこようとはしなかった。
やがて、夫が帰宅。
その瞬間、彼女は飛び起き、まっしぐらに1階に降り、
包丁を持って、夫と寝室に戻ったという。
泥棒がいるかもしれないというので、夫もナイフを片手に先頭を切った。
ところが、
寝室にはおろか、クローゼットの中にも泥棒など居なかったという。
また窓はきっちりと閉まっており、
ベランダに出られる大きな窓も、しっかりと施錠されていた。
ただ1つ。
金庫のダイヤルだけが動いていて、数字の7では無かったのである。
彼女は今までの事も、今回の事も、
幽霊以外には考えらえないという。
そんな変わった相談だった。
後半は、明日のブログに続く。