●生霊の経由地点
弁護士と占い師が、似てるなと思う時があります。
弁護士は、例えその人が窃盗犯であっても、
その人に依頼されたら、その人の為に出来る限り弁護します。
占い師も、たとえ依頼者に非があったとしても、助けなければなりません。
ある時、女性の方から、
「私、友人から呪われているかもしれません。
何か呪いを解く方法を教えて下さい。」という。
私が、何で呪われていると思うのですか?と聞くと、
彼女が自宅に居ると、その友人が怒っている顔を思い出し、頭が痛くなるという。
また、時々その友人が夢に出て来るのだという。
ただ、職場や通勤途中、家の外では特に何も起きないのだと。
彼女に、
「どうしてその友人は、貴方を呪うのでしょうか?」と聞くと、
彼女とその友人は、以前とても仲が良い親友だったという。
一緒に渋谷に洋服を買いに行くのは当たり前で、
一緒にプリクラを撮ったり、ゲームをしたり、
お互いの会社が終わった後、待ち合わせて、
ディズニーランドや、花火大会にも一緒に行ったという。
そんなある日、
その友人に恋人が出来た。
大阪支社からたまたま、東京に出向して来ていた人と恋仲になったという。
写メを見せてもらうと、イケメンとまでは言えなくても、
優しそうで、背が高く、カッコいい方に入る彼氏だった。
友人に彼氏が出来ると、
今まで二人で色々な所に行ったりしていたのが、段々と減り、
会うよりも、電話で話すようになったという。
彼女には恋人がいなかった事もあり、
電話での主な会話は、彼女の彼氏に話になった。
彼はどんな性格? 彼とのデートはどこ行くの?など。
そんな友人の彼氏エピソードを聞くにつれ、
段々と彼女の心の中で、彼の株が上がって行ったという。
そんな時、彼女はその友人に頼み込んで、
一度だけでも、遭わせてと頼み込み、
3人で食事に行った。
その後、カラオケに行き、
友人がトイレに行ったすきに、
その彼氏とメールアドレスの交換をしたという。
そして、一ヶ月後、
彼女は、親友の彼氏を奪ってしまったのです。
それが途中から、その親友にバレ、
彼女は引っ越し、現在にいたるという。
だから、現在彼女が住んでいる所は、親友は知らないし、
親にもまだ言っていないという。
それなのに、頭痛や夢を見るのは、彼女が私を呪っているのではないかというのだ。
その親友と最後に話した時も、そうとう怒っていたという。
「もしかして、
呪いのわら人形で私に呪いをかけているんでは?」と彼女。
「えーと、
今の所、彼女の夢と、頭痛だけですか?
どこか他に痛いとかは?」
「頭痛だけです。」
「頭痛は、倒れる位痛いものですか?」
「いえ、軽い偏頭痛ですが、2日おきくらいにきて、
しかも、彼女の事が頭に浮かぶと、必ず痛くなります。」
「多分、わら人形じゃないですね。
わら人形で呪われると、
釘を打たれた所が、すごく痛むか、怪我したりします。
軽い偏頭痛だと、わら人形とは言えない気がします。」
「じゃあ、なんでしょうか?」
「まぁ、なんとなくですが、生霊は飛ばされていると思います。」
そこで、彼女には、次の事をアドバイスした。
■玄関に鏡を置く様に言った。
鏡は大きく無くてもいいので、入って来た人が写る様に置いて置く。
■もし彼女の事が頭をよぎったら、
「南無阿弥陀仏」もしくは、「南無妙法蓮華経」と唱え、
頭から彼女の事を打消し、考えない様にする。
■時々、窓を開け、彼女の家の方を向いて、手を合わせ、
「ごめんなさい。幸せになって下さい。」と祈ってあげる。
これで、この案件は終了した。
と思っていた。
ところが、2週間後、
また彼女から電話があり、
アドバイス通りやっているが、何も変わらないという。
頭痛はするし、彼女の悪夢も見るというのだ。
どうやら、何かが違う様だ。
電話だけでの相談の時、こういうミスはたまにある。
そこで、もう一度初めから考え直してみた。
呪いの現象が、
家に居る時だけ起きる。
確かに特殊である。
今まで私が扱ってきたケースと違うのかもしれない。
彼女が住んでいる家の中に原因があるとしたら、
玄関に置いた鏡は、無駄だ。
そこで彼女に聞いてみた。
「その親友から何かもらった物はありませんか?」
「無いです。」と彼女。
彼女の場合、不倫の末、旦那を奪い取ったとか、
子供がいるのに、それを引き離してまで旦那を奪い取ったとかでは無いので、
生霊があったとしても、そんなに強いものでは無いだろうと思った。
だから、軽い偏頭痛ですんでいるのだろう。
そこで、もう一度、
彼女が話してくれた内容を見ていると、
親友と仲が良かった時、プリクラを一緒に撮っていたという。
「今も、その親友と撮ったプリクラをお持ちですか?」
と聞くと、
今もあるという。
しかも、プリクラの写真だけでなく、
ディズニーランドに行った時やショッピングに行った時の写真も沢山あるという。
私は、彼女に、
出来れば、その親友が写っている写真を燃やして捨てるか、
一時全部実家に送るかしてみて下さい。とアドバイスした。
その後、彼女は親友と撮った写真は全て焼却して捨てたそうだ。
すると、頭痛は治まり、悪夢も見なくなったという。
希にこういう事が起きるのである。
恨みをかっている人からもらった物や、
恨みをかっている人が写っている写真が一緒に部屋にあると、
その物や写真が、生霊の経由地点となってしまう事があるのである。
特に恋人がストーカーに変身した場合も、
その人からもらった物や、その人が写った写真は直ぐに処分した方が良い。
そうしないと、その物を通じて、
まるで猟犬の様に鼻を効かせ、
居場所を突き止められる事もあるのだ。
END