●父の宝物
 

 


このお話は、昨日のブログ(●父ロス)の続きです。
 

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11975675224.html
 

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 










































[前回までのあらすじ



 

家族が亡くなって、将来を見失ってしまった人もいる。
 

そんなひとりに、理沙さんという女性の相談者がいた。
 

彼女は、私に何を占って欲しいという事などは言わずに、自分の身の上話を、話し始めた。
 

3ヶ月前、彼女の最愛の父親が、肝臓がんで亡くなったという。まだ55歳だったという。
 

彼女の父親は、以前にも心臓の手術などや、
 

大動脈瘤の手術などをしていて、それらを乗り越えて働いていたという。
 

父娘二人だけの暮らしだったのもあり、ふたりはとても仲良しで、
 

幼い頃から、娘を大事に育ててきた父だった。
 

運動会にも、授業参観にも、欠かさず会社を休んで父が来た。
 

高校生になってからは、彼女が父親のお弁当を毎朝作ってあげるという。
 

父は、なんでも美味しい美味しいって。理沙が作るお弁当は、世界一だなって。
 

そんなある日、町の検診で、肝臓の数値が悪かった父の結果を見て、
 

私は父に精密検査を受けるように言いました。



結果は10cm大の肝臓がんという最悪の診断。
 

翌日、父とがんセンターに。レントゲンを見た医師が、「大きいな」と一言。
 

呼ばれたもう一人の医師も、沈黙。手遅れ感が、漂っているのが、私にも伝わる。
 

一縷の望みを抱えて、重粒子医科学センター 病院の紹介状を書いてもらい、
 

重粒子医科学センター 病院へ。足取りの重い父を、私が励ました。
 

「放射線の力で、ガンをやっつけるんだよ。」
 

病院に着くと、治療費が300万円という事が判明。父が高いな。と言うので、私が、
 

「大丈夫だよ。車を売って、私も夜バイトするし、家だった売ればいい。」
 

すると、父が初めて少し笑顔になった。しかし、ここでも無情の診断が・・・
 

「残念ながら、腫瘍の位置が心臓などの臓器に近くて、照射できません。」
 

この時の、父の言葉が今でも忘れられないという。
 

父は少し笑って、「年貢の納め時かな・・」と。でも、私は諦めませんでした。
 

インターネットや本などを調べて肝臓がんが10cmでも手術で切ってくれる名医を探しました。
 

そして、武蔵野赤十字病院にその筋の名医がいると分かり、
 

もう諦めかけている父を説得して、病院に。CTなどを撮り、医師の元へ呼ばれました。
 

ここで断られたら、父も私も、もうダメだと思ってました。
 

すると、やってみましょうと言ってくれたのです。
 

明後日から、さっそく入院となりました。受付の後、私は父に、
 

「日本一の名医が切ってくれるんだよ。」そう言うと、私と父は、抱き合って喜びました。
 

その後、1週間の精密検査をした結果。
 

結局切れないので、ガンに良く効くという薬が出ているので、
 

薬による抗癌治療という結果になってしまいました。



最終的に、父をホスピスには入れず、自宅で介護しならが、看取ったという。
 

「小さい頃から、父の背中だけを見て育ってきました。
 

 父を尊敬し、父の様な人と結婚したいと思い今まで過ごして来たのです。」
 

そんな父親を失くし、彼女は今、全ての気力を失くし、
 

食事も美味しくなく、本当は仕事もしたくなく、仕事以外の時間は、全て家に居るという。
 

思うのは父の事ばかりです。でも、夢にも父は出て来てくれません。
 

もう何もしたくないんです。
 

私の一部だった父を失い、心の半分が無くなってしまいました。居なくなりたい。
 

結局、彼女の話が終わっても、ここまでそれらしい占いの質問は無い。
 

どうする。占い師よ。





























 

 

 

 

ただ誰かに、話を聞いて欲しいという人もいるが、
 

ほとんどの場合、その話してくれた中に、本人の悩みが隠れている。
 

彼女の場合も、話しの中に、いくつか彼女が抱えた悩みがあった。
 


肉親を失う悲しみは、体験した人にしか分からない辛さがある。
 

それは普通の生活をも出来なくする様な悲しみだろう。
 

だが、彼女の場合、その上の段階に進んでしまっている感があった。
 

それが、彼女の最後の発言「居なくなりたい」だ。
 


自殺願望とは違うが、それに近くなっている。
 

愛する父親がいなくなった今、全ての目標を見失い、
 

仕事以外は外に出ず、食事も美味しくなく、全ての気力を失くているという。
 

つまり、こんな時間を長く引きずっていると、
 

しまいに自分を見失って自殺する可能性も否定できない。

 

 

こんな彼女を救えるのは、

 

1人しかいない。
 

それは、

 

 

彼女のお父さんである



 


「理沙さんは、お父さんが大好きだったんだよね。」
 

「はい。」
 

「居なくなりたいって、もうお父さんが、そばに居なくなったから?」
 

「はい。」
 

「でもね。お父さん、今でも理沙さんのそばにいるんだよ。
 

 お葬式やってくれたんだ。
 

 理沙は、ちゃんと仕事に行っているだろうか。
 

 理沙は、ちゃんとご飯を食べているだろうかって、
 

 毎日見ているんだよ。」

 


「父に会いたいです。」

 


「理沙さんとお父さんみたいに、仲が良かった家族は、
 

 来世でまた一緒の世界に生まれ変わって、必ず会えるんだよ。
 

 それに、理沙さんが将来亡くなった時、その時にも会えるんだよ。
 

 お父さんが迎えに来てくれるんだ。
 

 ただ、もし、理沙さんが、自殺した場合は、
 

 来世で一緒になれないばかりか、理沙さんが死んでも迎えにも来てくれないんだよ。
 

 だから、自殺さえしなければ、またお父さんに必ず会えるからね。」


 


とりあえず、自殺だけはしないようにさとした。



 


次に、彼女の生きる気力を取り戻してあげたいのだが、
 

それが出来るのも、
 

彼女のお父さん、ただひとりである。
 

なぜなら、彼女の家族はお父さんしかいなかったのだから。

 

 


「理沙さんとお父様は、生前、どこかに一緒に出かけた事ある?」
 

「あります。」
 

「それはどこ?」
 

「東京ドーム」
 

「へぇ、お父さん野球好きだったんだ。」
 

「いえ、東京ドーム天然温泉です。
 

 父の会社帰りに待ち合わせて、一緒に行った事が・・・」
 

「そうなんだ、知らなかったなぁ、東京ドームに温泉が。
 

 お父さん、温泉好きなの?」

 

「はい。」
 

「お父さんと、もっと他の温泉に行きたいとか、行こうって話しなかった?」
 

「いつか、箱根の温泉に行こうって言ってました。」
 

「そうなんだ。
 

 あと、お父さんがいつも大切にしていた箱とかバックとかあるかな?」
 

「はい、私が誕生日にプレゼントした書類カバンをいつも大事にして持ってました。」
 

「そう。
 

 では、理沙さんに、お父さんを助けてあげて欲しいんだけど。」


 

「父を助ける?」


 

「そう。
 

 実は、お父さん、今も成仏出来ないでいると思うんだ。
 

 よくある事なんだけど、
 

 大事な娘を、たった一人にして旅立ってしまったという場合で、
 

 残された理沙さんも、いつも悲しんで沈んでて、
 

 やり残した事がある場合、成仏できないで、いつまでも
 

 この世に留まってしまい、理沙さんの守護霊にもなれないんだ。
 

 だから、そんなお父さんを助けてあげて欲しい。」



 


「どうやってですか?」

 


3つあるんだけど
 

 まず、お父様のやり残した事を、やってあげて欲しいんだ。
 

 それは、お父さんを、好きだった温泉に連れってあげて欲しいんだ。
 

 きっと、お父さんは、貴方ともっともっと温泉に行きたかったと思う。
 

 だから、お父さんの写真を持って、一緒にいろんな温泉に連れてってあげて欲しい。
 

 そして、いつかお金に余裕が出来たら、箱根の温泉にも連れてってあげてね。
 

 そして、次に、
 

 お父さんの書類カバンに、お父さんの写真を入れて、
 

 夜寝る時、その書類カバンを開けて写真を出して、
 

 その日にあった事や、悩み事があったら、
 

 そのお父さんの写真に報告してあげて欲しいんだ。
 

 写真を通して、貴方が元気で泣いていないという事が分かれば、
 

 日々成仏の道をたどり始めるだろうから。
 

 そして、お父様が亡くなられたのが7月10日という事だけど、
 

 毎月10日に、仏壇に、お弁当を作って供えてあげて欲しい。
 

 「お父さん、お弁当ですよ。これ食べて成仏の道を歩んでね。」って。
 

 10分供えたら、貴方がそれを食べて下さい。
 

 お父様と一緒に食事したって、お父さん喜ぶと思うんだ。」


 


あと、彼女が夢でもいいから父に会いたいのだが、会えないというので、

 

「普通、残された家族が、悲しんでいると夢に出ると、
 

 よけい悲しむと思って出ないんですよ。
 

 でも、貴方の悲しみが落ち着き、泣かなくなったら、
 

 下記の方法を試してみてね。
 

 まず、お父様と楽しかった時期の写真を用意します。
 

 その写真をパウチするか、写真屋さんでネガが無くても、
 

 これと同じ写真をもう1枚作ってと頼めば作ってくれますので、
 

 その写真を胸に置き、両手で抱きながら、
 

 お父様と楽しかった思い出を思い出しながら、寝てください。
 

 きっと、お父様は貴方の夢に出て来てくれますよ。」

 


彼女は、全てやりますと答えてくれた。
 

きっと、ふたりの固い絆は来世も続くはずである。

 

 



 

 

最後に、彼女はこんな事を話してくれた。



 


お父さんが自宅で亡くなった時、
 

布団などを片づけていたら、枕の下から、
 

理沙さんが小学校に入学した時の写真が出て来たという。




 

父には、これといった趣味もなく、
 

高級品など1つも無かったという。
 

私もテレビ番組を見てて、



父に「うちにはお宝なんて無いね。」って、
 

よく笑っていたという。




 

でも、父には昔からお宝があったんだと分かりました。







 

私の小学生だった写真の裏に、

オレの宝物。」って書いてあったんです。

 




 

ごめんね。お父さん。
 

うちにはお宝なんて無いなんて言って、

 


お父さんこそが、私の宝物だったのに・・・・

 


END