●不運という名の、幸運

 

このお話は、昨日ブログ(●不幸を連れて来た祖母)の続きです。

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11959905372.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
































 


[前回までのあらすじ



ある時、そんな電話相談が来た。電話してきたのは、最近夫の母親と同居してから

立て続けに、不幸が続いているという奥さんからだった。

1年前に、夫の父親が病気で亡くなってから、母親が一人暮らしている状態だった。

そんな事もあり、夫は奥さんに、母親と同居する事をお願いしたのだ。

そんな事もあり、子供達と母親が暮らせる家を新築し、

今年から新しい広い家で、家族と祖母の同居生活が始まったという。

ところが、同居して間もなくだった。その祖母が階段から落ちて怪我をした。

念の為、精密検査をすると、大腸がんが見つかった。その後、長男が受験に失敗。

そして、夏には夫が長年勤めていた建設会社からリストラされたのである。

祖母は病院で手術後に、自宅に戻って来たが、今は腰痛で、家で安静にしているという。

さらにご主人は、次の勤め先である建設会社が2ヵ月で倒産という不運。

それまで、幸せに暮らしてきた家族が、

祖母と同居してからというもの、不幸が立て続けにやって来たという。

奥さんが、お義母さんについて心配している事が他にもあり、

彼女が階段から落ちた時、誰かから背中を押されたと言っていた事である。

当時、子供達は学校で、家には彼女とお義母さんしか居なかった。

つまり、背中を押す様な人は、幽霊以外考えられないのである。

また、夫に聞いた話では、お義母さんには水子が3人いるとの事で、

その水子がお義母さんに憑りついていて、背中を押したのではないか。という。

そして、その不幸のターゲットが、息子や夫に移ってきているのではないか。

次は自分かもしれないという不安があるというのである。

今の所、無事なのは、奥さんと、長女だという。

本当は、不幸を連れて来た祖母との同居はしたくないのだが、

現在、家で療養中なので、そういう事も言えない。

どうしたらいいでしょうか。そんな相談だった。

はたして、お義母さんは不幸を連れて来たのであろうか。

確かに、今まで幸せに暮らしてきた家族が、

祖母との同居をきっかけに、やたらと不幸が続いている感じはある。

「大腸がんの方は、どうなったんですか?」

「早期発見では無いそうですが、5年生存率は8割以上だってお医者さんが言っていました。」

新しい家に、引っ越してから不幸が始まったとも言えるのである。

つまり、不幸の原因は、新しい家なのかもしれないのだ。

彼女が訴える点は、4つである。

■お義母さんが幽霊に背中を押されて怪我。

■この家に来てから、お義母さんが大腸がんになる。

■夫がリストラ。そして倒産。■息子の受験失敗。

はたし、この不幸はお義母さんなのか、家なのか、土地なのか。

はたまた、全ての現象は霊には関係無く、偶然に起きた事かもしれない。

結局、そんなに遠くないので、彼女の家に行く事になった。


 











































 

 


翌日、彼女の家に行った。

埼玉県にある彼女の家は、新興住宅地にあり、

回りにある家々も、ほとんどが新築だ。


大規模な新興住宅地の開発の場合、森などを住宅地にしている場合が多いので、

前の土地で因縁めいた事が起きていたり、火事の跡などの問題が無い場合が多い。

地図を見る限り、墓地や焼き場も近くになく、特に問題は無さそうだった。



私はいつもの通り、家の周りをぐるりとまわって、

土地の様子、隣の家や庭、建物をざった拝見した。


2階建ての家で、家の前に車が2台おける駐車スペースがある。

庭はまだ何も手をつけていない様で、雑草を取った程度の状態だった。

よって、庭に大きな木や池などがまったくない、真っさらの庭だ。



私が家のまわりを見回しているのに気付かれたのか、

奥さんが出て来た。

「かやさんですか?」

「はい。今日はよろしくお願い致します。 」

ご主人と子供達は、既に外出していて、

ご自宅には、奥さんとお義母さんが居た。

お義母さんは、家の中央付近にある畳の部屋で寝ていた。

私が挨拶すると、腰まで起き上がり、

「よろしくお願い致します。 」と挨拶してくれた。

品の良さそうなお義母さんである。




さっそく前日お願いしていた家の図面をみせてもらい、

それをざっとトレーシングペーパーにうつした。

それに方位を書き、仏壇の場所や、畳の部屋、床の間などを書き込んだ。

家相については、1ヵ所を除き、気になる所は無かった。




前日の彼女の話の中で、唯一、霊の話が出たのが、

「お義母さんが幽霊に背中を押されて、階段から落ちて怪我をした。」

という件だった。

私としては、この話があったので、気になってこの家に来たと言ってもいい。

霊は、なぜお義母さんを階段から突き落としたのか?

どんな霊がお義母さんを、そんなに憎んでいるのか?


それが私の一番の関心事だった。





それで、私は二階に行った時に、

奥さんに、姑さん(お義母さん)について色々と聞いてみた。

すると、

1年前に亡くなったという、彼女の夫は、余り良い夫では無かった様だ。

酒癖が悪く、随分お義母さんは泣かされた様である。

水子が3人いるというのも、

亡き夫が結婚前に妊娠させて降ろさせたのが2回。

結婚後、降ろさせたのが1回と、全て夫の都合で産まなかった様である。



相談者のご主人も、そんな父親が嫌いで、

早くに家を出たというのだ。


しかし、ご主人が独立した後は、

お義母さんは、結構大変だったらしい。

酒に酔ったお父さんに、怪我させられた事もあったという。




相談者のご主人もそんな経緯があったので、

一人暮らしになったお母さんを、呼び寄せて同居する決心をしたのだという。






家は新築だし、土地にも問題は無さそうだ。

いったいどんな霊が、お義母さんの背中を押して、階段から突き落としただろうか?

この時点になっても、私には分からなかった。






私たちは、とりあえず、2階から1階へ。

その時、奥さんに、

どの辺でお母さんは背中を押されたのか、何となく聞いてみた。

すると、

「ああ、ここの辺で背中を押されて、落ちたと言っていました。」と奥さん。


奥さんが指差したのは、下から2段目の階段だった。

つまり、お義母さんが2階から降りて来て、

下から2段目に差し掛かった時に、霊に背中を押されたというのだ。




私はそれを聞いて、

なんとなくだが、違和感を感じた。




何の違和感だろう?


私は目をつぶって、しばらく考えてみた。



私が違和感を感じたのは、下から2段目の階段と聞いてからだ。





下から2段目


お義母さんが怪我。


そして、大腸がん。


 






 

 

すると、


私の頭の中で、その全ての出来事がある1点に結びついた・・・・





 

「そうか。」






「きっと、そうなんだ」


だから、お義母さんは背中を押されたんだ。」





そうに違いない!」




 


全ての謎が解ける瞬間とは、こんなものであろうか。




お義母さんの背中を押した犯人が分かったのである。





 


私が、その犯人の事を、

横になっているお義母さんに話すと、

お義母さんは、薄らと涙を流した。




 


まず、

相談者である奥さんは、当初から、

お義母さんを階段から突き落としたのも、

ご主人のリストラなど仕事運が悪いのも、

全てお義母さんの3人の水子の祟りだと主張していた様だったが、


私はそれを否定した。



「それらは、水子の祟りではありません。」

すると、彼女は、

「どうして、そんなにはっきりと言えるんですか?」と聞いてきた。


「なぜなら、

 水子というのは、この世に生まれる前に亡くなっています。

 つまり、この世の仕組みなどをいっさい分からずに亡くなっています。

 だから、ご主人をリストラさせて会社から追い出すとか、

 会社を倒産させるとか、

 お義母さんを階段から落とせば怪我をさせられるとか、

 そんな狡猾な行為は、いっさい出来ないのです。

 どれも水子には、出来ない芸当なのです。」




 

「それから、この家の家相を診させてもらったのですが、

 1ヵ所だけ、悪い部分がありました。」



それはこの家の玄関です。


玄関 
 玄関がまわりの壁よりも奥まった所にあるのは、良くないのである。

昔から、こういう玄関に住む家族の大黒柱であるご主人の仕事運が悪くなると言われいる。

これが、実際にご主人のリストラや倒産に影響されたのかは分からないが、

この玄関の家に住んでからそういう事が起きたのは偶然ではないかもしれない。

いずれにしても、すぐに玄関を直した方が良いと伝えた。





しかし、奥さんいわく、

この家を建てるだけでも、多額のローンを組んでおり、

頭金を支払った時点で、もう玄関を直す余裕は無いという。






私はもう一度玄関を見に行ってから、

それでは、という事で、

本当は玄関を直すのが良いのですが、

この方法でも、多分大丈夫でしょう。という事で、下記を提案した。


 

玄関2 
玄関のボーチを壁よりも張り出す様に作り、

このポーチを玄関の延長とする事で、

玄関が奥まっているという現象を和らげるのである。









あと、長男さんの受験失敗だが、

2階の長男さんの部屋を診たが、別段異常は無かった。




そこで、ベタな方法ではあるが、

長男さんの偏差値や模試の結果などを見せてもらい、

受けた大学の偏差値などを調べてみると、

ちょっと無理があった様な気がしたので、奥さんに素直に伝えた。

つまり、受験失敗は本人の実力であり、

霊障とかでは無いと思います。と。





 


最後に、

今回最大の関心事だった。

お義母さんが、霊に背中を押されて階段から落ちて怪我した件だが、



これは亡きご主人が、お義母さんの背中を押したのだと思います。

もちろん、霊の事なので、100%断定は出来ないが、

私はそれ以外考えられなかったのである。






 


その理由はこうである。





 

お義母さんが、背中を押されたのは、下から2段目の階段である。

もし、お義母さんを殺すつもりだったら、

階段の一番高い所で、背中を押すだろう。



では、なんで下から2段目だったのか。

下から2段目から落ちたのでは、そんなに重大な怪我はしないでしょう。




それは、その後の経過を見てみれると、

お義母さんは、怪我したから病院に行ったのである。

そして、病院に行ったから大腸がん分かったのである。


もし、階段で怪我していなかったら、どうなっていただろうか。

大腸がんは進行し、末期になっていたに違いない。






階段から落ちるという不運は、

実は、お義母さんを救う唯一の必然だったのではないだろうか。





普通、人は何か悪い事が起きると、

運が無いとか、不運続きだと嘆くが、

その中には、今回の様に、

実はその不運があったからこそ、幸運に巡り合ったと言える不運があるのだ。

それはまるで、不運という名の幸運なのである。

不運という切符を買ったから、幸運にたどり着いたのである。







 

 

1年前に亡くなったお義父さんは、

お義母さんを怪我させる事によって、病気を発見させた。

私は、そんな風に感じたのである。







 


「かあさんや、

 今までお前に、なんにもいい事などしてやれず、

 苦労させてばかりで、悪かったな。

 こんなオレに、最後までついてきてくれて、ありがとな。

 こんな事しか出来ないが、

 せめて、

 


 せめて、長生きしておくれ。」

 

END