●猫になる、お祖母ちゃん
テレビを見ていると、時々、
芸人の方々が、ゴリラの物まねや、鳥の鳴き声などを披露する場面を見かけます。
それらは、目の前の観客や、
テレビの視聴者を楽しませる為に披露しているものですが、
でも、もし、
貴方の身近にいる人が、
急に、動物の様な仕草をし出したら、貴方はどうしますか?
これは、そんな相談をしてきてある女性のお話です。
ある時、
不思議な相談を受けました。
「祖母が時々、猫になるというのです。」
猫になるといっても、全身が毛むくじゃらになるという事ではありません。
現在同居しているというお婆ちゃんが、
時々、不意に現れて「ニャーゴ」と言って、片手を挙げたり、
猫の様に、床の上の落ちた物を食べるたりするのだそうです。
現在、お婆ちゃんは病院に通っているという事でした。
というのは、
この猫の症状が出る前に、お婆ちゃんは心の病を患わっていたのだそうです。
以前は、ごく普通の、どこにでもいるような祖母だったといいます。
それが突然、たったこの半年あまりでこの様に急変したのでした。
この半年に、この家庭に一体何があったのでしょうか。
彼女(木村さん仮名)は切々と語り始めたのです。
元々、木村さんの家には、
彼女と姉、父と母、そしてお婆ちゃんの5人で暮らしていたといいます。
そして3年前、彼女のお姉さんが仕事場に近い所に引っ越すと言って、
家を出たそうです。
それからずっと一人暮らしをしていたお姉さんでしたが、
今から半年前のある日の事でした。
家族の悲劇は、ここから始まったといいます。
会社帰りのお姉さんが、交通事故に遭ったのです。
雨の日の当て逃げでした。
病院の救急から電話があり、家族がかけつけると、
意外にも、お姉さんはベッドの上で元気そうだったといいます。
その時、真っ先に病院に駆け付けたのが、祖母と母でした。
彼女は、母からの電話で、お姉ちゃんが交通事故に遭ったが、
元気だとの電話をもらっていたので、会社が終わってから病院にかけつけたといいます。
その時は、医者から上腕骨の骨折という診察だったといいます。
ただ、事故当時、鼻から出血していたので、
後日、精密検査を行うという事でした。
私達は、ひとまず安心して家に帰り、
翌日の昼に、またお姉ちゃんの所にお見舞いに行きました。
お姉さんは、事故の翌日という事もあり、
食欲が無く、昨日から何も食べていなく、点滴をしていたといいます。
多少の頭痛がするくらい。と言って元気だったのですが、
翌日から危篤状態となり、
帰らぬ人となってしまったのです。
脳内出血だったといいます。
お祖母ちゃんに異変が起き始めたのは、この姉の死からでした。
もともと祖母と姉は、とても仲が良く、
まだ姉が3歳になるまで、両親が共働きだったので、
私とは違って、姉はお婆ちゃん子として、育ったのです。
その後も、祖母は私よりも姉と買い物に行ったり食事に行ったりする事が多く、
実際、祖母も私よりも姉を可愛いがっていて、小遣いなどもあげていたようです。
そんな姉が急死したので、
そのショックは、大きいものだったと思います。
姉が亡くなって3ヵ月後頃から、
お婆ちゃんは、一人で部屋にこもる様になってしまいました。
それまでは家族と食事していたのですが、
お婆ちゃんは引きこもりの様に、一人で部屋で食事を取る様になったのです。
お使いや散歩に出かける事も無くなり、
いつも楽しみにしていた近所の友人宅を訪問する事も無くなりました。
やがて、独り言が多くなったお婆ちゃんを見て、
父が強制的に病院に連れて行ったのです。
すると、
診察の結果、
お婆ちゃんは、うつ病と診断されたといいます。
それから、抗うつ薬や睡眠薬などが処方されたのですが、
一向に良くならず、お祖母ちゃんがうつ病と診断されてから、
2ヵ月たっても、何となくよけい酷くなった感じだったといいます。
そして、ある日、
お祖母ちゃんが、急に猫の真似を始めたのです。
病院で聞くと、うつ病は、精神疾患でもあるので、
そういう事もあるかもしれませんとの事でした。
ただ、猫の真似をした後に、
お祖母ちゃんに、なんで猫の真似なんかしたの?
と聞くと、
決まって、そんな猫の真似などしていないと言い張るのです。
お婆ちゃんは、猫の真似をした事をまったく覚えていないと言うのです。
彼女は、当初自分の恋愛運や仕事運について相談してきたのですが、
それが終わると、上の様な奇妙な話しを相談してきたのでした。
しかし、
私にとって、うつ病は、
専門外です。
残念ながら、相談されても、
話しを聞くだけで、何も出来ないなと思いました。
相談者の中には、話を真剣に聞いてあげるだけでも、
気持ちが和らいで、不安が無くなる人もいます。
ただ、
彼女の話しを、ずっと聞いていて、
一つだけ、気になる事がありました。
なんとなくですが、霊のにおいをかすかに感じます。
後半は、明日のブログに続く。