●痛恨のミスジャッジ
このお話は、昨日のブログ(●幽霊の街)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11955335827.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
渡河の友人で、坂崎(仮名)という囲碁を得意としている人がいた。
彼は海外を旅行するのが好きで、暇を見ては、海外へ一人旅に出かけている男だった。
そんな坂崎さんと、いきなり会う事になった。彼はすぐに奇妙な事を聞いてきた。
「海外から幽霊を一緒につれてきてしまう事ってありますか?」と言うのである。
彼は3ヶ月前、メキシコに一人旅に出かけていたという。
彼の旅行は普通の方と違って、その国のバスなどを利用して、
日本人が訪れない様な僻地にも足を運ぶというスタイルだという。
その時も、メキシコの聞いた事も無いような村を、地図を片手に、
バスや相乗りタクシー等を使って、まわったという。
ところが、メキシコのある村に寄ってから、急に気分が悪くなり、食欲も無くなり、
熱は出なかったが、旅行を続けられる状態ではなくなったという。
彼は当初の予定だった太平洋からメキシコ湾に出る計画を断念して、日本に帰国した。
そして、その最後に彼が訪れたメキシコの村が、問題だったのだ。
その村の名前は、プエブロ・ファンタズマ、という村だという。
彼いわく、この村には、現在も幽霊がたくさん住んでいるという事で、
メキシコの言葉で、プエブロ・ファンタズマとは、幽霊の街と言う意味だそうだ。
そこには廃墟が多数あり、そこに訪れる人を穴の中に引きづりこんで行方不明にさせるという
その場所に着いたのが、もう午後だったのと、
一緒に行ってくれた現地の人に反対されたのもあって彼は廃墟に入る事は無かったそうだが、
彼の具合が悪くなったのは、その時からだったという。
現在、体調の方は良くなったのだが、彼は他の問題に悩まされているというのだ。
それは、彼の自宅に海外から連れて来た霊がいるのではないかというのである。
今は何ともないが、彼が自宅で寝ていると、
彼以外誰も居ない部屋から、話し声が聞こえて来るという。
そして、段々と頭痛がしてくるのだという。酷い時は、頭痛で一日中寝ているのだという。
そして不思議な事に、自分の部屋から一歩外へ出ると、その頭痛は、無くなっていくという。
こんな事は、あの村を訪ねる前までは無かった事で、
きっと、あの幽霊の街から、亡霊か幽霊を、連れてきてしまったに違いないと彼は言う。
最近は自宅には帰っていないという。
そこで、後日、彼が住んでいる神奈川のアパートに来て欲しいという依頼だった。
こうして私たちは、幽霊の街から憑いてきたかもしれない霊と、対じする事になったのである。
私と渡河は、後日、彼が住むワンルームを訪れた。
実は、この前日、
私達は坂崎さんに起きた現象は、
幽霊の街から憑いてきたかもしれない霊の仕業では無いだろうと、話していた。
というのは、
先に述べた様に、
海外から霊が一緒に憑いてくる可能性は、
大きく2つに限定される。
1つは、その人に憑依して一緒にやってきた。
そして、もう1つは、
品物に憑依した霊を、それごと日本に持ってきた。である。
しかし、彼の話を聞くと、
彼に起きる頭痛や不思議な声は、
彼が部屋に居る時だけに起きるという。
つまり、彼が部屋の外に居る時には、何も変わった事が起きないというのだ。
という事は、憑依ではない。
部屋に問題があるのだ。
そして、彼に聞くと、
メキシコから日本に持ってきた物は何も無いという。
友人へのお土産さえも、買っていないというのだ。
よって、彼がメキシコから幽霊を連れて来たという可能性が大きく減ったのである。
では、なぜ彼の家に行くかというと、
例え彼がメキシコから何も持ってきていないと言っても、
依頼者の中には、うっかり忘れていたり、
実は、気にしていなかったが、知らない間に持ってきていたなんて事がよくあるのである。
その確認をしたかったのである。
私達は、彼に案内されて、
彼のアパートのワンルームへと通された。
海外に頻繁に行っているだけあって、
部屋はキチンとしている。男の部屋とは思えない片付き様だ。
海外を紹介する本も多いが、
海外に持っていくという囲碁の本の多さは、やっぱり目につく。
もちろん立派な囲碁盤もあった。
ざっと、部屋を見ていると、
1つ気になる物が、窓に近い所にあった。
それは、
「5つものサボテンだ!」
一瞬、やっぱりあったではないか!!
メキシコの幽霊の街からの物が!!
と思ったが、
聞くと、このサボテンは帰国してから買い求めたものだという。
彼は今回のメキシコ旅行で、
現地の人から、サボテンには不思議な能力があると教わって、
そのサボテンのパワーで、囲碁のプロテストの少しでも力になればと思ったという。
確かに、サボテンには不思議な力がある。
希に利口なサボテンがあり、
人間の欲求や、意思を感じ取れるものがあるのだ。
私達占い師の間でも、
サボテンを霊の浄化や、部屋の供養に使う事もあるほどだ。
しかし、
彼の部屋を隅から隅まで調べた結果、
私は、このサボテンが彼の頭痛の原因だと感じた。
サボテンは、水の乏しい地帯でも、生き抜く力を持っている。
そんな生命力に溢れた植物には
時として強い自然霊が宿っていて、強い念を持っている事がある。
強い生命エネルギー=強い念がある事が多いのである。
サボテンも、室内に1つとか2つなら、問題無いが、
部屋に5つもあるのは良くないのだ。
これは薬に似ている。
強い薬は効くが、多く取り過ぎると、それは逆効果になってしまう事があるのである。
多分、彼の頭痛は、
サボテンを減らす事によって、無くなるだろう。
残る問題は、
彼が自宅で寝ている時に起きるという、
彼以外に誰も居ない部屋から、話し声が聞こえて来るという現象だ。
そこで、彼に改めて、その話し声がどんなものだったのか聞いてみた。
すると、話している内容は、毎回うまく聞き取れないという。
ただ、一言だけ分かったのは、
「てわ、だめだ。」という感じの言葉だったという。
「てわ、だめだ?」
私と渡河は、お互い顔を見合わせたが、分からない。
私は、もしかしたら、
それは、人間の言葉ではないのかもしれないと思った。
今でも強く、反省しているが、
ここで私は、痛恨のミスジャッジをしてしまう。
占い師も、ミスを犯すのである。
実は、私はこのサボテンの事があってから、
謎の話し声も、多くのサボテン置いた事に寄るものではないかと
一緒に疑ってしまっていたのである。
確かに、坂崎さんの頭痛は、
沢山のサボテンを室内に置いた事から起きた事だろう。
しかし、部屋から聞こえたという。
「てわ、だめだ。」という声まで、サボテンの仕業ではないかと、
断定してしまった事が、痛恨のミスジャッジだったのだ。
確かに、部屋に植物を置きすぎると、
植物同士が、希にガヤガヤと話す事がある。
私も以前、そんな事件を扱った事があった。
(気になる方は下記。●増築が招いた霊障 http://ameblo.jp/hirosu/entry-10874446826.html)
しかし、今回、
例え、サボテンには、強い念がある言っても、
5つであり、特に部屋にひしめき合っているという状況でもなかった。
それに、ハッキリと「てわ、だめだ」というキーワードも分かっていたのだ。
そしてなにより、
もっと、大きな目で彼に起きた状況を見るべきだったのである。
彼がメキシコでバス旅中、
具合が悪くなり帰国。
そして、夜中に「だめだ。」というお告げらしき言葉。
今から思うと、この警告は、
きっと、彼の守護霊や先祖霊からの警告だったに違いない。
メキシコでのバス旅中での具合が悪くなった事も、関連があったのだ。
「もう、こんな無謀なバス旅は、止めなさい!
もう海外に行っては、ダメだ!!」という。
それから間もなくして、
坂崎さんの消息が絶たれた。
もし、私が彼に正しい事を伝える事が出来ていたなら、
優秀な囲碁棋士をひとり、失わずに済んだかもしれない。と思うと、至極残念である。
その後、しばらくしてから、
現地の大使館から、家族に連絡が入ったという。
坂崎さんは、
いつもの様に、現地のバスなどを使った旅行を楽しんでいた。
そして、ボリビアだったか、エクアドルだったか、
国名は忘れてしまったが、南米の国を旅行中、
バスに乗っている所を、
強盗に襲われたという。
そして、彼は射殺された。
END