●家族のバトン
このお話は、昨日のブログ(●災難を呼んだ引っ越し)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11953290333.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
私の知り合いで、柳田という友人が、会社の転勤で、千葉から大阪に引っ越した。
以前から千葉のご自宅には、何度かお邪魔した事があるが、
代々引き継がれた大きな庭がある農家に住んでいたのだが、
ご両親も2年前に85歳で亡くなり、彼家族には少し大きすぎる家だった。
そんなおりに、大阪支社長の仕事の打診があり、彼は大阪に引っ越す事になったのである。
私も引っ越しの手伝いに行こうかと言うと、
今は便利になった様で、引っ越しの時に大変な、箱詰め作業も
引越し屋さんの前衛部隊が来て、全てやってくれるのだという。
結局私も忙しくて行けなかったが、
1年後くらいに、大阪に行く機会があり、彼の新居に招かれた。
久しぶりに会った彼は、少しヤツれている気がしたので、
どうした? ここでの仕事は大変かと聞くと、仕事は何とかやっていると言う。
しかし、新居に引っ越してからまだ1年だというのに、
千葉にいる時とは、考えらえない問題が、次から次に起きて、疲れ果てているというのだ。
まず、引っ越してから3ヶ月で、空き巣に入られたという。
翌月には、妻がキッチンでボヤを出し、消防車騒ぎに。
そして、次男が玄関前で車に当て逃げされたという。幸い軽傷ですんだが、危なかった。
一緒に引っ越して来た猫も、どこかへ行ってしまったのも家族にとってはショックだったという。
この家に引っ越して来てから、ロクな事が無いというのだ。
彼が大阪で移り住んだ家は、中古の一軒家だった。
この家に引っ越す1ヵ月前から、彼は週末ごとに大阪に下見に来ていて、
何軒かの中古物件を選んで、私にその中で一番良いのは、どの家かを聞いてきていた。
そして、私が最終的に選んだのが、この家だったのだ。
だから、この家については、だいたいの事は把握していたつもりだったので、
この家に引っ越してから、災難続きだと言われると、少々責任を感じずにはいられない。
次に各部屋を診てまわったが、異常は無い。
私が帰ってから1ヶ月後、なんとまた空き巣に入られた。
今度は正面の通りから入って様だった。
そして奥さんはやむなくパートの仕事を辞める事にしたという。
先日入られたばかりなので、今回の被害は新品のパソコンだけだったという。
ただ、2度も空き巣に入られると、もう不安で、安心に生活出来ないという。
しかも2度目のは、ガラスを破られて入られているので、その修理費でも頭が痛い。
彼いわく、大阪でも東大阪市は特に空き巣が多いのだそうだ。
空き巣も、ボヤも、当て逃げも、猫の失踪も、千葉の農家では全て無かった事だった。
千葉では無施錠でも平気だったので、ある意味無警戒過ぎたのかもしれない。
最初の空き巣は、無施錠の窓から侵入されていたからだ。
それにしても、災難続き過ぎるのが気になった。
そこで、友人のピンチなので、彼の家の中の写真や外見、周辺の写真を改めて送ってもらった
やはり最終的にその家を決めたのが私だったので、ほっとけない。
玄関や庭の様子、部屋の間取りなど、特に注意してみたが、問題なさそうだ。
先日家の中に入った時も、嫌な感じはしなかった。
千葉から持ってきたという仏壇にもお供え物と綺麗な花が飾られ、
私もお線香をあげてきた。
ところが、家の外観の写真を診ていた時、一瞬、何か気になった。
なんだろう?
写真を見続けて、10分が過ぎた。
そこで、すぐに柳田に気になった所を聞いてみると、やはりそうだった。
柳田は、たった1つ、してはいけない事を、この引っ越しでしていたのだ。
今回の柳田君の問題は、
人口が減ってゆく将来の日本にとって、
これから深刻になってくる問題かもしれません。
今回の引っ越しで、柳田君がいけなかった事、
それは、今まで住んでいた家に対する礼儀でした。
自分が建てた家であれば問題無いのですが、
彼の様に、小さい頃からその家で育ち、
祖父や祖母や両親の苦労によって建てた家を、
素早く他人に売って一瞬の内に、
ご先祖が苦労して建てた家をお金にして、大阪に引っ越して来たのですが、
それと同時に、今まで彼を守ってきたと思われる
祖父や祖母の守護霊の気持ちまで、そこに置いて来てしまったのです。
柳田君の様に、実家を守る人がいなくなる以上、
その家を処分するのは、仕方がない事だろう。
でも、すぐに金にしたり、取り壊すと、
苦労してその家を建てたご先祖に、そっぽを向かれ、
新しい引っ越し先では、守ってくれない事がよくあるのである。
こんな時は、
引っ越すと分かった最低31日間前から、
仏壇に、「これから、こういう事情で引っ越す事になります。
よろしいでしょうか。今までこの家で育ててもらいありがとうございました。
どうか、引っ越すので、この家を売りに出す(もしくは取り壊す)事をお許しください。」
とお線香とお茶とお花を生けて、心からお願いしましょう。
そして、家族を今まで守ってきた家の周りと、
家族を見守ってきてくれた、庭の木々に薄めたお酒をかけてあげましょう。
「今までありがとうね。」と声をかけて。
私が最初に彼の家の異変に気が付いたのは、
彼が送ってくれた、家の外観の写真を見ていた時でした。
家の門が写った写真を見た時、
「あれっ!
表札が違う!」と気が付いたのです。
千葉の実家の表札は、
御祖父さんが彫ったという、木彫りに黒字の表札だったのに、
大阪の新居の表札は、大理石に黒字で掘られた表札だったのです。
それで、彼に聞いてみると、
表札ごと家を売ってきたと聞かされたのでした。
しかも、上で記載したような古い家への礼儀は一切せずに売ってきたとの事でした。
まぁ、細かく言うと、
彼がこの引っ越しでミスしたのは、3つ点でした。
■まず、上で話した古い家への礼儀の欠如です。
■次に、バトンを忘れた事です。
バトンとは、駅伝やリレーなどで次の選手に渡すタスキやバトンと同じで、
家の場合、この大切なバトンは、表札です。
特に今回の様に、古くからお世話になった家の表札は、
必ず、次の家に持っていかなければいけません。
例え新しい家に合わない表札でも、持ってきて、
しばらく玄関の中にでも飾って置かなくてはなりません。
そうしないと、柳田君の様に、今まで守ってくれた先祖霊にそっぽを向かれ、
引っ越し先で、急に運が無くなったり、不運を避けられない事態が発生します。
新しい家に来てから、商売が不調になったり、
家族が不和になったりした時、
意外と前の家の表札を捨てて来た事が原因だったりします。
また、実家に住んでいなくても、実家が取り壊しになるなら、
表札は、貴方の家に連れてきてあげましょう。
「ここが僕の家ですよ。 お父さん、お母さん」
■あと、もう1つ、細かい事を言えば
大阪の新居の門は、木製でした。
その木製に、柳田君は大理石の表札を掲げましたが、
木に、石の表札は相性が悪いのです。
同じように、石の門に木の表札も相性が悪く、
家族内の生活がギクシャクになる事があります。
木の門には、木の表札を。
石の門には、石の表札を。
そして、金属の門には、金属の表札を付けるのが良いでしょう。
彼の場合、もし実家の木の立派な表札を掲げれば、それもクリア出来たはずです。
その後、柳田君は、
暇を見ては、実家に帰り、
売り先には、庭の手入れをしたいと断って、
家の周りと木々にお酒をあげ、
十分にお礼と、労いの言葉を家にかけ、
実家の表札も新居に持ってきて、石の表札に変えて掲げた。
すると、それ以来、
特に大きな問題も起こらず、息子さんも順調に回復したという。
表札は、ただの板ではなく、
家の顔であり、
先祖、家族のバトンであるという事を知っておいて頂ければ幸いです。
END