●夢遊病にさせ、少女を呼ぶ妖怪
もう6年も前の話ですが、
千葉県の北部に香取市があります。
その香取市にお住いの方から奇妙な相談が、舞い込んだ事がありました。
それは、小学4年生になるという次女が、
夢遊病になるというのが発端だった。
話は、2ヵ月前にさかのぼった。
ある週末、
家族が友人と夜中まで一階の居間で飲んでいた時だった。
真っ暗な台所で、なにやら音がする。
ねずみでも出たかと、奥さんが見に行くと、
そこに居たのは、次女だった。
真っ暗な中、何かを探している感じで、
引き戸や床下収納などのフタが開いていた。
「あんた何してんの?」と聞いても、
次女は、母親に気づかないのか無表情のまま
ぼんやりと何かを探しているのである。
「まだお腹空いてるの?」と聞いても、無視である。
そのうち、父親と友人も台所にやって来た。
しかし、父親が娘の名前を呼んでも、振り向こうともしない。
母親が次女を引っ張り、むりやり止めさせると、
床の上のぐったりとなり、寝ているという。
母親が次女を揺り動かしても、そのまま寝ているのである。
次女がこんな状態になったのは初めてであり、
夜中に台所に来るなんて事も無かったという。
翌日、次女に聞いても何も覚えていないとの事。
そんな事が3度あり、
知り合いの医者に聞くと、
それは夢遊病ではないかとの事。
聞くと、夢遊病を治すための薬はなく、
ストレスが原因と思われると言われた。
何か普段食べたい物が食べられないとかで、台所に行ったのかもしれない。
と思い、次女の大好きなケーキを、特別買って来たりしたという。
すると、不思議と一時治まった。
が、またその2週間後、
もっと悪い展開になったのという。
今までは、夢遊病になっても家の中だったので、
大して深刻には思っていなかったのだが、
家の外に出るようになったのだ。
不思議と自分で玄関の鍵を回し、チェーンを外して靴まで履くという。
そして、次女はなんと家の隣にある蔵に入ろうとするのだという。
蔵は家の外にある事もあり、扉には大きな鍵がしてある。
その鍵を、引っ張ってむりやり開けようとしている音に家族が気がつき、
外にいた次女を連れ戻したのである。
その時、かすかに寝言で
「行かなきゃ」と言ったという。
次女がどうして蔵に入ろうとするのか、
どうしてそこに行かなきゃならないのか、
朝になって聞いても全く分からないというだけで、
夢遊病の時の記憶がまったく無いのだという。
そんな時、奥さんがある怖い事を思い出した。
彼女は昔から、その蔵にはあまり近づかなかったという。
というのは、小さい頃から、
祖父から、あの蔵には妖怪が住んでいると聞かされていたので、
その中に入ろうなどとは思った事も無いというのだ。
祖父の話に寄ると、
蔵の中にある像から妖怪が出て来て、
人を食うという。
だから今でも、厳重に鍵をかけて滅多に開けないというのだ。
そんな事を聞かされていたので、
奥さんは、次女が妖怪に操られて呼ばれているのではないかと言い出した。
妖怪の話は、奥さんのお兄さんも良く聞いていた話で、
見た事は無かったが、真夜中に蔵の中から声がした事もあったという。
そんな恐ろしい蔵の鍵を開けて、次女は中に入ろうとしたのである。
妖怪が、次女を夢遊病にさせて呼んでいると考えると、
今までの次女の不可解な謎のつじつまが合ってくるという。
その事があってから、
時々開けていた蔵が、気持ち悪くて開けられなくなった。
しかし、見張っていないと次女はいまだに時々、
夜中に蔵に行こうとするのだという。
そこで、私に相談の依頼が来たのである。
どこで私の事をお知りになりましたかと聞くと、
同じ香取市にいる知り合いの紹介だという。
なるほどあの時の、
そう言えば、その時の事もブログに書いたっけ。
気になる方は、下記。
(真夜中の足音 http://ameblo.jp/hirosu/entry-11098965333.html )
人を食べるという妖怪。
もちろん、依頼としてはそんなの初めてである。
怖い気もするが、興味も少しあった。
こんな時、頑強な渡河にも一緒に来てもらいたかったが、
内容を話すと、
用事があって来れないという。
使えねぇ。
仕方ない、
私は一人で、その恐怖の蔵を見に行くことになったのである。
妖怪がいるという蔵へ。
後半は、明日のブログに続く。