●トトロの森



このお話は、昨日のブログ(●恐ろしい復讐)の続きです。



従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11942684705.html




を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ



これは私が中学3年生だった時の話です。


当時、私の家族はマレーシアに移住する事になり、


実家のある山口県のお爺ちゃんの家に、一時帰省していました。


近くに住んでいるお兄さん達と、川や山に連れてってもらい、


せんべつにと貴重な貝の化石をくれました。


都会では経験出来ない自然の環境を満喫できたのです。


そんな時でした。その遊んでくれていたお兄さんが、大怪我をしたというのです。


直ぐに車で、病院に担ぎ込まれました。それを手伝った実家の叔父さんの話では、


「あれは酷い、骨が見えてたわ、もしかしたら足を切断するかもしれん。」と言っていました。


私は、昨日まで一緒に遊んでいたお兄さんが、なぜ?と、ただ驚くばかりです。


翌日、父にお願いして、お兄さんのお見舞いに行く事にしました。


お兄さんは4人部屋の窓側に位置する所に入院していました。


私が近寄ると、お兄さんは寝ていました。


結局メモを残して、帰る事にしました。「色々と遊んでくれてありがとう。お大事に。」


そのメモをベッドの横にある小さい机の上に置いて、帰ろうとした、その時です。


お兄さんが、寝言で「クス・・ノキ」と言ったのです。


気のせいかと思って、もう一度聞き耳を立てると、また「クス・・ノキ」と言ったのです。


なんだろう?「クス・・ノキ」って?と思いましたが、ただの寝言だと思い、病院を出ました。


病院を出た私たちは、1時半だったので、昼食を町でとってから帰る事にしました。


しかし、私はと言うと、さっき聞いた「クス・・ノキ」が心になんか引っかかっていて、


食事してても気もそぞろで、何を食べているのかさえ感じません。


「クス・・ノキ」とはどういう意味なのか?ただの寝言なのか。


でも、なんか嫌~な予感がするのです。当時から、私がなんか嫌~な予感がする時、


その嫌な予感が当たる事が多かったので、すごく気になってしょうがないのです。


私は父に頼んで、もう一度、お兄さんが入院している病院に寄ってもらいました。


すると、今度はお兄さんは起きていました。


私が近づくと「おお、来てくれたんか」と言って少し笑顔になりました。


少し談笑してから、私は気になっていた事を聞きました。


『さっき来た時、寝てたんで、メモ置いて帰ったんだけど、


 その時、お兄さん寝言で、「クス・・ノキ」と言ったんだけど、


 「クス・・ノキ」って、何の事か心当たりある?』


すると、お兄さんは、「そんな事、寝言で言ってたか?」と少し驚いてから、


やや怖がる感じで顔をしかめ、私にある事を話し始めたのです。
















































お兄ちゃんの家は、農家の仕事の一環で、


牛を何頭か飼っているそうです。


お兄ちゃんは、その場所に世話をしに、毎朝早く通っているそうなんですが、


その時、近くの山を突っ切って行く近道を利用しているそうです。





その近道は、細い山道なのですが、


お兄ちゃんは、普段から1つだけ気になっていた事があったそうです。


それは、その山道の途中に、


大きな木の根っこが、その山道を横切っている為に、


荷物などを持っている時などは、その根っこを乗り越えて行くのが大変だったのです。



根っこ



そこで、1週間前にさかのぼるある日、


彼はその根っこを切って、通りやすい山道にしようと思ったのです。


家からノコギリを持ってきて、その木の根っこを切り始めたのですが、


意外とその根っこは固くて、ノコギリでは相当時間がかかって、


仕事に間に合わなくなると思いました。



そこで翌日、彼は斧(オノ)を持ってきたのです。


さっそくその斧で、根っこを切り始めたのですが、


やはり根っこは固くて、しかも太い根なので、


切り離すには、集中的に一ヶ所に斧を振り下ろさなければならず、


これも3分の1くらいやった所で止めて、仕事に行きました。



彼は思ったそうです。


これは機械じゃなきゃダメだ。



そこで翌日、お兄ちゃんは知り合いの所にチェーンソーを借りに行きました。




ところが、そこで悲劇が起きたのです。



お兄ちゃんが、チェーンソーの使い方を教えてもらっている時に、


そのチェーンソーが、ありえない動きをして、


お兄ちゃんの脚を直撃したのでした。


普通チェーンソーを使用する時は、


防護用のズボンというものをズボンの上に着けるそうですが、


お兄ちゃんは、使い方を習うだけだったので、


その防護用ズボンも装着していなかったのです。





そして、お兄ちゃんが切ろうとしていた木の根っここそ、




楠(クスノキ)だったのです。





私はお兄ちゃんからその話を聞いた時、


直ぐに、これはクスノキの障りだと思いました。



なぜなら、クスノキの脚を切って、


お兄ちゃんの脚が、切られた事。


また、お兄ちゃんが「クスノキ」と夢の中でうなされていた事。


そして何よりも、お兄ちゃんがそのクスノキは、とても幹が太くて、


樹齢100年はいっている木だと言っていたからです。




木も樹齢100年を超えると、恐ろしい力を持つものがあると聞いていました。



それも今回の木は最悪です。



なぜなら、普通この様な樹齢100年とかの木は、


ご神木として、神社などによくあるのですが、


神社の中に生えているのであれば、多少神社の統轄下にあるものなので、


暴走して恐ろしい力を出す事は無いかもしれませんが、


お兄ちゃんを傷つけたと思われる木は、山の中で自由に生きてきた木です。


言ってみれば、どんな復讐をするか分かりません。





恐ろしい予感がします。




私は家に帰ると、直ぐに近くの神社に行き、


「お兄ちゃんが山の木を傷つけてしまいました。ごめんさい。


 許してあげて下さい。」とお祈りしました。



こんな時は、まず第一に、謝る事です。





しかし、これでは多分お兄ちゃんの脚は助からないと思いました。


やはり何といっても、


切った本人が謝らなければ、許してはくれないと感じます。




でも、それは無理な事です。


病院に入院しているお兄ちゃんが、謝りに行けるはずありません。


しかも、不自由な足で、山道を歩くなど不可能です。




私はただ、呆然と神社の境内に座り込んでいました。



30分くらい経ったでしょうか。




私の目の先に、1本の神社ご神木が目に写りました。



そのご神木が、やけに気になります。


しばらくそのご神木を見ていると、




不思議とある事が、浮かんだのです。




別に声を聞いたとか、何かの精を見たという事では無いのですが、


不思議と、そのご神木が私に教えてくれた様な感じがしました。





今、思ってみても、


そのご神木が、私にそうする様にと教えてくれたと信じています。





私はそれ以来、何か重大な木のトラブルにあっている相談者がいると、


この方法をやるようにアドバイスしています。




その原点は、この時だったのです。




私は直ぐに家に飛んで帰ると、お爺さんに今までの事を話しました。


しかし、お爺さんも他の人も、


そんな木が人を怪我させたとは思えないという感じで、採り合ってくれません。





そこで、私はお兄ちゃんの家に向かいました。


すると、彼のお母さんは、私の話は信じられない様子ではありましたが、


息子の脚が助かるならと、手伝ってくれると言ってくれたのです。





私達は、そこのお爺ちゃんの協力も得て、


さっそく沢山ワラを集めて、白い半紙では紙垂(しで)を作りました。


そしてお酒とお水を持つと、


私とお兄ちゃんのお母さんとお爺さんの3人で、あの木に謝りに行ったのです。





お爺さんは、この木の事は知っていた様ですが、


私はもちろん初めてです。


その木は、普通の木とは違い、


太い枝が何本か枝分かれし、


根っこはまるで巨大なタコの様な足で回りの地に這っている感じでした。


それは、まるでトトロの森に出て来た様な木でした。



木の周りに緑のコケがじゅうたんの様に生えています。


今思うと、樹齢200年位あったかもしれません。




私達は3人で、木に謝りました。


そして、2倍に薄めたお酒を木の根と、


お兄ちゃんが傷つけた個所に、かけて撫でてあげました。




最後に、ワラと半紙で作った


しめ縄を木の幹に巻いてあげたのです。





そうです。


あの昼間、神社で見たご神木がまとっていたしめと同じものでした。



しめ縄




その後、


お兄ちゃんの脚は、奇跡的に無事でした。


あと数センチ切断面がずれていたら、足切断だったという事です。






私は今も時々、木や石にしめ縄を使う事を勧める事があります。


もし、貴方の近くに、


しめ縄をした木や石があったら、


それは、もしかしたら、




恐ろしい念を持った自然霊を抑えている


しめ縄かもしれません。









それと同時に思うのです。






これは私の田舎だけではなく、


貴方の田舎にも、


意外と知られていない場所に、ひっそりとあるかもしれません。














トトロの森が。




トトロ となりのトトロより


END