●恐ろしい復讐
これは私が中学3年生だった時の話です。
当時、私の家族はマレーシアに移住する事になり、
実家のある山口県のお爺ちゃんの家に、一時帰省していました。
都会に住んでいた私にとっては、
いつ行っても、田舎の夜は怖いと感じました。
特に夜トイレに行きたくなったら、大変です。
私達は、来客用の離れの家に泊まっていたので、
トイレに行くには、一旦離れの家を出で、
母屋まで歩いて行かなければならないのです。
その途中に、牛が居て急に動いたり、目が光ったりするのです。
トイレも落とし便所で、おしりの下から微妙な風が吹いてくると、
出る物も、出なくなります。
ただ、昼間は結構楽しいものでした。
近くに住んでいるお兄さん達と、川や山に連れてってもらい、
せんべつにと貴重な貝の化石をくれました。
都会では経験出来ない自然の環境を満喫できたのです。
そんな時でした。
その遊んでくれていたお兄さんが、大怪我をしたというのです。
直ぐに車で、病院に担ぎ込まれました。
それを手伝った実家の叔父さんの話では、
「あれは酷い、骨が見えてたわ、
もしかしたら足を切断するかもしれん。」と言っていました。
私は、昨日まで一緒に遊んでいたお兄さんが、なぜ?
と、ただ驚くばかりです。
翌日、父にお願いして、お兄さんのお見舞いに行く事にしました。
もうすぐ私たちはマレーシアに行ってしまうので、
そうなると、もう当分会えないと思ったからです。
病院は、意外と遠く、車で一時間くらいも走った所にありました。
父はロビーで待っているというので、
私だけが、病室に行きました。
お兄さんは4人部屋の窓側に位置する所に入院していました。
私が近寄ると、お兄さんは寝ていました。
起こすべきか、起こしてはいけないのか迷いましたが、
結局メモを残して、帰る事にしました。
「色々と遊んでくれてありがとう。お大事に。」
そして、そのメモをベッドの横にある小さい机の上に置いて、
帰ろうとした、その時です。
お兄さんが、寝言で、
「クス・・ノキ」と言ったのです。
気のせいかと思って、もう一度聞き耳を立てると、
また「クス・・ノキ」と言ったのです。
私は、なんだろう?「クス・・ノキ」って?
と思いましたが、ただの寝言だと思い、病院を出ました。
病院を出た私たちは、1時半だったので、
昼食を町でとってから帰る事にしました。
山口県と言えば、フグ料理です。
父は初めからそれが目当てで、一緒に来てくれていたようでした。
今から思えば、マレーシアに立つ前に、
最後に郷土料理を食べたかったのかもしれません。
しかし、私はと言うと、
さっき聞いた「クス・・ノキ」が、なんか心に引っかかっていて、
食事してても気もそぞろで、何を食べているのかさえ感じません。
「クス・・ノキ」とはどういう意味なのか?
ただの寝言なのか。
でも、なんか嫌~な予感がするのです。
当時から、私がなんか嫌~な予感がする時、
その嫌な予感が当たる事が多かったので、すごく気になってしょうがないのです。
私は父に頼んで、
もう一度、お兄さんが入院している病院に寄ってもらいました。
すると、今度はお兄さんは起きていました。
私が近づくと「おお、来てくれたんか」と言って少し笑顔になりました。
少し談笑してから、私は気になっていた事を聞きました。
『さっき来た時、
寝てたんで、メモ置いて帰ったんだけど、
その時、お兄さん寝言で、「クス・・ノキ」と言ったんだけど、
「クス・・ノキ」って、何の事か心当たりある?』
すると、お兄さんは、
「そんな事、寝言で言ってたか?」と少し驚いてから、
やや怖がる感じで顔をしかめ、
私にある事を話し始めたのです。
それは今でも忘れない、
恐ろしい復讐の話だったのです。
後半は、明日のブログに続く。