●奇妙な泡声(あぶく声)
私も相談の中で、
色々な奇妙な事に出会ってきましたが、その中でも、
これからお話しする事は、群を抜いて不思議な出来事でした。
私がまだ東京で電話相談をしていた頃のお話です。
成城に住んでいるという女性からの相談でした。
事の起こりは、1ヵ月前にさかのぼるという。
彼女の二十歳になる息子さんが、
突然奇妙な声が聞こえると、言い出したのだ。
それは、
ゴボゴボと誰かが、顔を水につけて喋っている様な声、
水の中で誰かが、もがいている様な声だという。
よく聞いても、
何と言っている分からない泡のような声だという。
その声は、息子さんが大学に行っている時は聞こえず、
家に居る時だけ聞こえるのだと言う。
最初は、息子が聞こえると言う泡の様な声が、
どこからしているのか、家中を探し、
どこか、水道管が壊れているのではない、
水漏れしているのではないかと、探し回ったという。
しかし、息子が指摘する声は、
ある時は天井の方とか、ある時は外からだと言い、
はっきりどこからという声では無いのだという。
家族の中で、その泡声が聞こえるのは息子さんだけだった。
それで家族は、これはきっと病気なのではないかと思い。
医者に連れて行ったという。
最初は耳鼻咽喉科、
しかし、耳には異常は認められなかった。
すると、ご主人が、
頭に水でも溜まっているんじゃないかと言い出し、
念の為に脳ドックまでにも行ったが、異常は無かった。
ところが、なんと、
一昨日から、彼女にもその泡声が聞こえだしたのである。
それは息子から聞いていた、
水の中から誰かが、話しかけてる様な声だった。
息子が言っていた事は、本当だったのだ。
それと同時に、怖くなったという。
これは病気じゃない!
何か恐ろしいものが、この家にいる!
そう思った彼女は、色々調べてここに電話してきたという。
私は、その奇妙な声とも音も考えるものをメモしてみた。
■泡(あぶく)の様な声
■ゴボゴボ、と顔を水につけて喋っている様な声
■水の中で誰かが、もがいている様な声
■最初は息子さん。そして奥さんがだけに聞こえる声
■家にいる時だけ聞こえる声で、1階でも2階にいる時でも聞こえる。
■家のどこから聞こえるのか分からない
■1ヵ月前から聞こえ出した
私が最初に彼女に質問したのは、
「貴方の家の敷地内に、
井戸はありますか?」という事だった。
すると、
「無い」という。
「では、貴方の近い先祖で、
水の事故で亡くなった人はいますか?」
「水の事故?」
「はい。海で溺れたとか、
風呂場で水死したとか、
溺れて亡くなった人です。」
彼女は、夫にも聞いている様で、
しばらくしてから、
「水で亡くなった人はいないと思います。」という返答だった。
「では、
最近2ヵ月の間に、貴方の家で変わった事は起こりましたか?」
「変わった事?」
「はい。例えば、誰かが亡くなったとか、
どんな小さな事でも、あれば教えて下さい。」
しかし、特に無いという。
息子の事で色々駆けずり回った事以外、特に変わった事は無いというのだ。
私にとっても、こんな相談は初めてである。
はっきり言って、さっぱり分からない。
それでも20分位、色々聞いたりして考えたが、
やはり私には、分からなかった。
しかし、
彼女は一度家に来て見て欲しいという。
この家か土地に、悪い霊がいるのかもしれないと言うのだ。
でも、
もう30年以上もその地に住んでいるという
彼女の家や土地の問題では無いだろうと、初めから私は思っていた。
まぁ絶対とは言えないが、
家や土地に問題があるなら、もう何十年も前から起きているはずだ。
多分、家や土地を見たところで解決出来る問題では無いだろう。
そう心の中で思っていた。
私があまり乗り気じゃないのを察したのか、
彼女が、結果が何も出なくても、
来て見ていただけるだけで、交通費を3万円払うと言って来たのだ。
もちろん、
結果が出ればそれ以外に鑑定料を払ってくれるという。
結果が出なくてもいいという条件なら、
断る理由は無い。
丁度私もそんなに忙しくない時期だったし、
彼女の家に行く事になった。
考えてみれば、
彼女が住んでいる成城というのは、
東京では、田園調布、麻布、元麻布、広尾、等々力、白金台、
松濤、三番町、深沢という10本の指に入る高級住宅地だ。
怪しい依頼では無いだろう。
翌日、私はもらった住所を片手に、
車で彼女の家に向かった。
しかし、車で行ったのはある意味失敗だった。
奥さんが、電車の方が楽ですよと言っていた意味が分かった。
とても道が入り組んでいるのである。
電車なら、小田急線の成城学園前で降りて分かりやすかったそうだが、
車だと、一方通行に度々阻まれた。
まさかこんなに一方通行の道路があるなんて!
結局予定よりも30分近く遅れて、奥さんの家に着いた。
しかも駐車場が近くに無い。
奥さんの家にも駐車場が無いのだ。
私は駅の方まで逆戻りして、車を駐車場にいれてまた歩いてくるという、
なんともアホな結果となってしまったのだ。
そんな事はさておき、
彼女の家は、豪邸では無かった。
庭は広い方だろうが、家は築30年以上というそのままだ。
庭はあまり手入れをされていない感じだ。
最初から予想が違ったぶん、
彼女が電話で言っていた、
「何か恐ろしいものが、この家にいる!」
という言葉が現実味を帯びて、私の脳裏の蘇ってきた。
この時はまだ、
まさか私が、世にも奇妙な不思議体験をする事になるとは、
予想もつかなかった。
後半は、明日のブログに続く。