●猫が近づかなくなった部屋
占いで、会社と顧問契約を結ぶと、
まずする事がある。
それは、会社幹部の家相を診てあげる事である。
幹部とは、社長、副社長、専務、取締役、部長、まれに係長。
それに、会社にとって重要と思われる社員が含まれる。
あと契約によっては、社長の親族、家族宅も。
その場合、
私が提出を希望するのは、
家の見取り図、つまり設計図面。
それから外見、内部などのスナップ写真。玄関の写真。
あと、分かる範囲でのその土地の以前の状況。
例えば、以前はお墓だったとか、
中古物件で買ったとか、前の家でよからぬ噂があるとか。
これは町の健康診断と似ている。
まず、ざっと町民のレントゲンやら血液検査を調べて、
その中で、問題がありそうだというものがあったら、
精密検査の必要ありとし、個別にまた検査する。
私の場合もそうである。
まず、ざっと提出のあった全員の家相を診て、
これはちょっと家に行く必要があるなと感じたら、
精密検査ならぬ、その個人宅訪問での調査となる。
これは、ある取締役の家相を調べている時の事だった。
家相はまったく問題なかった。
だいたい私の経験ではあるが、
お金持ちの家相は、悪く無い場合がほとんである。
まぁ、だからお金持ちになったのかもしれないが。
ただ、4つほど、直した方が良い部分があったので、
奥さんに電話した。
「あっ、すみません。
会社で契約してもらっている、占い師のかやですが・・・」
悪い所があったら、電話するという事になっていたので、
奥さんもなんとなく不安という感じだ。
「心配なさらないで下さい。
そんなに悪い所はありませんでした。」
「ただ、
玄関入った下駄箱の上に金魚鉢がありますが、
これはいつからですか?」
「つい最近です。息子がお祭りで金魚をとってきてからです。」
「そうですから、玄関に金魚鉢や水槽を設置するのはよくありませんから、
他に移した方がいいですよ。
あと、玄関の入った正面に、蝶の標本が飾ってありますが、
これもよくありませんから、他に移動させた方がいいですよ。
綺麗ですが、
標本は、言葉を変えれば、死体です。
死体を玄関に置くのはよくありません。」
奥さんはちょっと待ってと、メモしている様だった。
通常、家相の検査結果はレポートとして、
後に自宅に郵送する事になっている。
しかし、私のポリシーとして、
悪い所は、1日も早く直した方がいいので、
契約している人には、すぐに電話する事にしているのである。
他にも、2つほど台所とか畳の部屋について、
直した方が良い部分を指摘すると、
最後に、奥さんに聞いた。
「他に、家や土地の事で、
何か気になる事はありますか?」
電話した時は、最後にそう聞く事にしている。
時々、家の見取り図や写真では分からない部分があるからである。
また、こういう家や土地の事は、
会社で働いている旦那よりも、
ずっと家に居る主婦の方が、分かる時が多いのである。
すると、奥さんが、
「どんな事でもいいのですか?」
「はい。何でしょう?」
『実は、ちょっと不思議に思っている事があるのです。
うちに、15歳になる猫がいるのですが、
最近、応接間に入らなくなったんです。
前はよく、出入りしていたのですが、
今は、「おいで」と言っても、逃げてしまいます。
それに、むりやり応接間に抱きかかえて入れようとすると、
「カッー」って怒るんです。
息子に言ったら、冗談で、
「応接間に幽霊でも居るんじゃないの!」って言われてから、
なんとなく私も応接間が気持ち悪くなって・・・・』
「えっ、応接間ですか?
玄関から入って右の、12畳の?」
「はい。」
私は、直ぐに図面と写真をチェックした。
特に問題らしい所は気が付かない。
「あのう、猫が応接間に入らなくなったのは、
いつ頃からですか?」
こういう場合、いつから猫が入らなくなったという時期を特定する事で、
原因が分かる時が多い。
「2ヶ月前頃からだったと思います。」
猫の動きをしょっちゅう監視している訳ではないから、
誤差はあるだろう。
「この3ヶ月の間、応接間で、
何か変わった事はありませんでしたか?」
奥さんは、少し考えてから、
「特に無いと思います。」という。
確かに、特定の猫は幽霊が見える。
まんざら、息子さんが言った事は冗談では無いのかもしれない。
猫はウソをつかない。
何か嫌なものを応接間に感じたのだろう。
ただ、応接間に入らないだけではない。
無理やり抱きかかえて入れようとすると、怒るという。
それが気になる。
やはり、一度家に行ってみないと分からない。
私は、後日その家に行く事になった。
「猫が近づかなくなった応接間」を、
調べる為に。
その応接間に居たものとは、
後半は、明日のブログに続く。