●5匹の犬





このお話は、昨日のブログ(●姉の霊が住む家)の続きです。



従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11906979758.html




を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ



あるOLの方の電話相談でした。


彼女の名前を、田辺さん(仮定)としておきます。


彼女いわく、彼女のお姉さんの家に住んでから、彼女の運勢が悪くなりだしたといいます。


事は、約1年前にさかのぼるという。


彼女のご両親は、既に他界しており、肉親は、彼女とお姉さんだった。


そんな姉妹ふたりだったが、彼女は、ごく普通のOLで独り暮らしに比べて、


お姉さんは、現在は離婚して独り暮らしであるものの、


前の夫がかなりの資産家だった事もあり、立派な家に住み、優雅な日常を過ごしていた。


それに比べて、妹さんは賃貸のアパートに住んでいた。


姉妹の生活には、かなりの差があったが、


二人の仲は、そんな悪くなく、時々お姉さんの家に、遊びに行ったり、


家に、食事に行ったりもしたという。


そんなお姉さんが、癌で亡くなったのが1年前だった。子供も無く、離婚していたお姉さん。


遺産である家屋敷、貯金など、妹の彼女が相続した。


彼女は、直ぐに賃貸アパートを解約し、姉が残した立派な一軒家に引っ越した。


ところが、姉の家に引っ越してから、急に彼女の運勢が落ちたという。


まず、彼女にとって不可解なのは、前の家では、滅多に失くし物や忘れ物などした事無かったのに、


この家に越して来てから、やたらと失くし物や忘れ物が増えたという。


家のカギなど3回も失くし、財布を落としたり、JRのプリペイドカード(スイカ)を失くしたりと、


今までの彼女には考えられない事だという。


車のカギが見つからないというのは、毎度の事で、通帳が紛失したりもしたという。


そのうち、勤めていた会社を首になり、現在もあまり良い仕事についていないという。


また、体のあちこちが痛んだり、頭痛がしたりするという。


そんなある日、姉の夢を見て、彼女は、そういえば、全てはこの家に引っ越してからだと気が付き、


妙に怖くなって、電話してきたのだという。


「姉の霊が、私をよく思っていなくて、私を呪っているのでしょうか?」そんな電話相談だった。


私がまず気になったのは、「全ての現象は、この家に引っ越してから・・」という事だ。


そのお姉さんが住んでいた家は、彼女の元夫の持ち物で、別れる時に譲り受けたものである事。


その家は築17・8年位で、新築で元夫が建てたものである事。が分かった。


説明してもらったこの家の家相を見ると、悪い所は見当たらない。


現在の元夫は、今も何社も経営していている社長だという。


それを考えると、築17年の家が、祟られている家だとは考えづらい。


家に問題が無いとなると、残るは、彼女が言う通り姉の霊か。




































元々、なぜ私が、


最初に家に問題があるのではないかと疑ったのは、


生前彼女と、お姉さんは仲が良かったと聞いたからだ。




もし生前仲が悪かったなら、


嫌いな妹に、全財産を残すのは嫌だというケースがあるが、今回は違う。




それにもう一つ、


普通、自分の豪華な家屋敷に預貯金を、そっくりあげるのは、


たとえ、妹でも抵抗があると考える人は多いだろう。



しかし、同じ財産の相続でも、


今回は念を残しにくい財産なのである。




実は財産には、念を残す財産と、念を残しにくい財産がある。


例えば、貴方が、


一生懸命に、生涯をかけて作り上げた財産なら、


これは念を残す財産だ。


引き継ぐ人は、その財産を築きあげた人に感謝しながら使わせ貰う事である。


しかし、今回の様に、


お姉さまは、ある日突然、短い結婚生活の後、


豪邸と預貯金を手に入れた。


しかも、元の持ち主の夫とは離婚していて、


特にこの家に思い入れも無い。


だから、仲が良かった妹にそれらを譲るからといっても、


特に念をのこす様な事は無い場合がほとんだ。






だから、私は家に問題があるのではないかと疑ったのだが、


それは外れだった。





家に問題が無いとなると、やはり彼女が言う通り姉の霊を疑うべきだ。




でも、なぜ仲が良かったお姉さんが、妹に・・・・





「あのう、


 最後の方で、お姉さんと喧嘩したとかしましたか?」





「いえ、最後は毎日病院に看病に行っていました。」





「お姉さんが、夢に出て来たという事ですが、


 なんか言ってましたか?」





「いえ、ただ、夢に出て来ただけです。


 何も言っていません。」





「怒っている顔でしたか?」



「いえ、普通です。


 病院に入院していた時と同じです。」





やはり、ちょっと行き詰まってしまった。


看病してくれた仲が良い妹に、祟るとは思えない。




次に、私が注目したのは、


妹の田辺さんに起きた、不思議な現象だ。





あとは、不思議な現象から原因を究明するしかない。





まず、家屋敷を引き継いでから仕事運が無いという事だが、


これは運というよりも、偶然かなと思った。


彼女の仕事は、販売と営業だったらしいが、


そんなに好きという仕事では無かったという。


それに加えて、急に彼女に豪邸と多額の預貯金が舞い込んだのである。


言い方が、彼女に失礼かもしれながいが、


誰だって、好きでも無かった仕事にあまり身が入らなくなっても不思議はない。






しかし、


私が一番気になったのは、


失くし物や、忘れ物がやけに多くなったという事だ。





例を聞いただけでも、かなりの回数だし、


以前住んでいたアパートでは、そんな失くし物が無いという。





そこで、彼女に聞いてみた。



「何か、お姉さまの物を失くしたとか、


 忘れて失った物とか、思い当たりませんか?」





彼女はしばらく考えてから、





「お姉さまの物を失くした?




 う~ん。」





「特にお姉さまの物を失くした覚えはありません。」






「そうですか。」





「では、お姉さん以外の人の物を失くしたとか、



 奪ったとかはありますか?」





「いえ、無いと思います。」






「そうですか。」






わたしは、直ぐに起きた霊現象の逆を考えてみる事にしている。



今回のケースでは、


妹さんに、物を失くすという霊現象が起きたとすると、


それは、逆に考えると、


妹さんは、誰かの物を失くしたからではないかと考えたのである。





しかし、彼女はそんな覚えは無いと言う。





「貴方のお姉さん、


 亡くなる時、何か遺書を残されましたか?」





「いえ、姉は何も遺書は残しませんでした。」





「そうですか。」





私の経験上、


遺書に従わなかったので、死後祟ったというケースがいくつかある。


しかし、今回は遺書も無いという。




「何か、お姉さまに死ぬ間際に、


 頼まれた事とか、お願いされた事はありますか。」





「頼まれた事?」





彼女はしばらく考えてから・・





「あっ、そういえば・・・」と何かを思い出した感じで、






犬の事を頼まれました。」と言った。





田辺さんの話を要約すると、



お姉さんは、あの豪邸で、


5匹の犬を飼っていたという。


離婚の淋しさと、あの大きな豪邸に一人で住むには寂し過ぎるという理由だったようだ。




最初一匹だった犬も、


一匹じゃ遊び相手がいないだろうと、2匹なり、3匹になり、


可愛い犬だけじゃなく、番犬にもなる柴犬も飼い、


いつの間にか、5匹になっていたという。





そんなお姉さんが、


死ぬ間際に、妹の彼女に、



「あの豪邸も、預貯金も貴方にあげるから、


 5匹の犬をお願いね。可愛がってね。」と頼んだという。





「なるほど、



 それで、




 その5匹の犬は、今もその豪邸に居るのですか?」






すると、彼女は、




「いえ、実は、


 私も働いているし、散歩も5匹は無理だし、


 友人に声をかけたら、飼ってくれると言ったので、


 声がかからなかった2匹を残し、


 3匹は友人にあげました。」という。







私は、これが原因だと感じました。




遺言という形には残していませんが、


お姉さんが死ぬ間際に、妹に託したお願い事は、


遺言に匹敵するのです。






つまり、妹さんは、


お姉さんの最後のお願いである、



「豪邸と預貯金を貴方にあげるから、


 5匹の犬を可愛がってね。」という約束を破っています。





5匹の犬を飼うというのは、確かに大変です。


私も1匹犬を飼っていましたからよく分かります。


犬の食事も、便の始末も、保健所等の手数も、全部5倍です。





でも、お姉さんと約束したなら、従うべきでした。



また万が一ダメでも、


犬達をお友達にあげる前に、


仏壇のお姉さんに、どうしてもあげたいと許しをこうべきでしたが、


彼女はそれもしていないといいます。





私は彼女に、まず仏壇でお姉さんに謝り、


犬をあげた友人の所に行き、


3匹の現在の写真を撮ってくる様に言いました。




そして、その3匹の写真を仏壇の前にお姉さんに見える様に飾り、


家にいる2匹の犬達を仏壇の前につれていき、


5匹の犬は、全員今も元気です。と報告する事を勧めた。





これは、今回のケースだけに言える事では無い。


普通、亡くなった人には、好物を供えると良いと言って来たが、


亡くなった人は、食べ物も良いが


それよりも、愛猫や愛犬の写真を時々見せて欲しいと願うものです。



そんな故人を供養する時には、


その故人が愛した猫ちゃんや犬ちゃんの写真を、


命日やお盆の墓参りに、5分から1時間、見せてあげてください。


きっと、何よりも故人は喜びます。






その後、


彼女はそんな供養を1ヵ月ほどした頃から、


段々と忘れ物や失くし物が無くなり、


体の痛みや、頭痛も無くなったという。





そして、お姉さんが一番大事にしていたという、


柴犬の太郎を貰った友人には、


時々、太郎と一緒に家に来てもらい、


仏壇の前に太郎も、顔を見せにきてくれるという。






「お姉ちゃん、



 太郎は元気です。


 友人の家で幸せに、暮らしていますよ。」




END