●離婚する家
今日は何を書こうかと、思っていた時、
ふと、
そういえば、
度々登場する、友人の渡河だが、
彼個人の事を書いた事って無かったなぁと、思った。
たまには、彼の事も書いてみようか。
彼のと付き合いは長い。
仕事上の付き合いで知り会い、
いつの間にか、友人となった。
がたいが良く、背が高く、
自分で仕事をしていた。
知り合った時にはもう、彼女がいて同棲していた。
とても働き者の彼女で、
津田塾大卒業の才女だった。
それから何年も後に、
渡河は、その彼女と結婚した。
私もその結婚式に参加した。
小さな教会での結婚式で、
当時としては異例の20万円という金額をお祝いに贈った。
やがて、
彼女の才能も生かす形で、
彼は翻訳の仕事をする会社を設立した。
私も度々、タダ働きをさせられた。
給料は払うと言われたが、未だに貰っていない。
ただ、彼と会うと、
面白い映画とか、美味しい食事処に連れてってもらい、
度々おごってもらった。
仕事はまあまあ順調だった様だが、
利益はそんなに無かった感じだった。
そんなある日、
彼は突然、離婚した。
詳しい理由はよく分からないが、
渡河は、自ら作った会社を彼女に譲り、
彼女の元をひっそりと去った。
その後、風の便りで、
彼女は渡河が設立した翻訳会社の社員と結婚した事を知った。
それから何年たっただろうか、
ある日彼と食事に行くと、
彼よりも10歳位若い女性を彼女だと紹介された。
とても穏やかで、
前の才女とは正反対のおっとり型の彼女だった。
そんな彼女を見て、
ああ、この子だったら、きっと離婚はしないなと思った程だ。
やがて、渡河は彼女と結婚した。
どこかのクラブハウス風の所を貸し切っての結婚式だった。
その時も、私は頑張り、
当時としては、またまた異例の20万円という金額をお祝いに贈った。
ちょっとクドイが、恩着せがましくしっかり書いておこう。
その後、
彼女の好きな白い大きな犬を飼い、
結婚生活は順調そうだった。
おっとり型の彼女と渡河が喧嘩する事もなく、
このままずっと良い夫婦でいると思われた。
当時、彼は、
千葉の本八幡駅から歩ける所に、一軒家を借りて住んでいた。
私の家も千葉なので、行けない事は無かったのだが、
なぜか、行く機会は無かった。
渡河と会う時は、
決まって彼が良い映画があるんだとか、
美味しい安い店があるんだという事で、
その映画館や、レストランで会う場合が多かったからだ。
今から思うと、
もっと早く、彼の家を訪れていたなら・・・・と後悔する時もある。
そんなある日、
久しぶりに会った彼が、やけに落ち込んでいた。
理由を聞くと、
彼女と離婚しそうだという。
ま、まさか!
あんないい彼女と、
なぜ?
ぴったりの夫婦だと、ずっと思っていた。
相性もいい夫婦だったのに、なぜ?
聞いた私の方が、びっくりである。
内心、
40万円返してくれ~ (そっちかい!!)
その日は、一緒に食事をしていても、
私も渡河も、心ここにあらずだった。
私は彼以上に、納得いかなかった。
あんなに仲が良かったのに、
占い師として、納得がいかない!
40万円も出したのに。 (そっちかい!)
私は、なんとなく気になったので、
彼に言った。
「お前の家、行ってもいいか?」
こうして、私は彼と知り合って初めて彼の家に行く事になった。
やがて、彼の家で私は小さな声で、
彼に、こう言う事になる。
「お前、
この家、
早く出ろ!」
後半は、明日のブログに続く。