●ある結婚相談で、悩んだ占い師
占いに来る女性の方のもっとも多い話題は、
何と言っても恋愛相談である。
その中でも、結婚に結びつく相談は特に多い相談です。
ただ、占い師側から言わせてもらうと、
結婚相談は、
その人および相手の人の人生をも左右する問題なので、難しい。
大体分かっても、万が一という事もあるし、
嫌な予感がしても、それがはっきり分からないと反対する理由が説明できない。
また、相談時間内に浮かばない事もある。
そして、それ以外にも色々な問題がある時がある。
もう15年位前になるが、
今でも忘れらない相談がある。
それは、手紙での結婚相談だったのだが、
手紙を一読しただけで、
もう誰かに、この相談を変わってもらいたかった。
手紙の彼女は、明るく、
「写真の2人の男性からプロポーズされています。
どちらの男性と結婚したらいいか教えて下さい。」とある。
同封されている写真を見ると、
一人は、ラブホテルらしい場所で、ベット上で彼女と2人で写っている。
そして、もう一人の写真は、
5人位の男性の写真の真ん中の男性に○がついていて、
この男性だと矢印がしてある。
手紙を開けて、この2つの写真が目の前に落ちた時、
嫌な予感がしたのである。
同封の手紙を読むと、
ラブホテルで一緒に写っている男性とは、
2年付き合っているという。
現在、舎弟をしているという。
この時は、まだ、
舎弟ってどんな仕事だろうなぁ。ぐらいにしか思っていなくて、
先を読み続けた。
すると、
もう一人の○がつけてあった写真の男性の説明に入り、
その黒メガネをかけた男性に、急に最近告白されて、
動揺しているという。
彼は何事にも動じない頼りがいのある男性とある。
なるほど、
確かに写真も動じない頼りがいのある雰囲気。
しかし、次の文章で凍りついた。
「現在、彼は若頭です。」
若頭って、なんだっけ?
若い頭じゃない事は確かだにゃ。
若頭って、
やっぱ、わかがしらって読むんだよな。
そして、もしかして、
さっきの舎弟って、
しゃていって、読むんだよねぇ。
う~ん。
これは、
ヤクザなの?
はい。ヤクザさんですよ。
(一人芝居をする自分)
マジかぁ?
占いの仕事をしていると、こういう相談も来るのかぁ!!
はい、はい、来ました。来ました。
(一人芝居をする自分)
来ます。 来ました。 来ましたーよ。
(意味のない三段活用)
いつ来るの? 今でしょう。
(おまけの現代活用)
さて、占いの結果だが、
答えは簡単に出た。
結婚は、ラブホで2人で写っている彼とした方が良い。
遊んでいそうで、意外と一途。
それに比べて、○の人、若頭さんは、
将来他の女性に手を出すと感じる。
亭主関白でDVもありそう。
普通なら、そうずばり書いて終了というところだが、
今回は、
彼女の事も診て見た。
彼女は口が軽い人なのだろうか?
すると、軽い。
もし、ヤクザの若頭さんに、
どうして、オレの誘いを断ったと聞かれたら、
「だって、この占い師にぃ、貴方の事、
将来他の女性に手を出すと感じる。
亭主関白でDVもありそう。って書いてあるもん!!」
って、マジ言いそうだ。
そして、それを聞いて若頭ちゃんは、どう思うの?
怒る?
怒るよぉ!
マジこの占い師、殺す。
(一人芝居をする自分)
こ、この人、
やりかねん、やりかねん。
結局、私は、
事実とは違い事を書いて、返事した。
まぁ、違うと言っても結果は同じなので、言い方を変えたと言った方がいいでしょう。
詳しくは記憶してませんが、
「若頭さんは、将来出世なさる人と見受けられます。
それに伴い、若頭さんは多くの部下に慕われ、
同時に、多くの女性にもおモテにもなります。
その事が貴方の悩みになるかもしれません。」の様な事に変えたと思います。
よくテレビドラマなどで、
会社の社長や会長などが、ヤクザにペコペコしていると姿を見ると、
「はっきり言ってやれよ!!」
と偉そうに言っていた私だが、
いざ、自分にこういう問題がふりかかると、
こんなものである。
その後、彼女からの便りは無いが、
まさか、
若頭ちゃんと?
いや、考えるの止めとこ。
END