●不可解な事がよく起きる場所
このお話は、昨日のブログ(●不幸を呼ぶ犬 )の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11872499956.html#mainl )
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
[前回までのあらすじ]
私をひいきにしてくれている社長から1人の男性を紹介された。
パン屋さんを2店経営されている高島さんという人だった。
高島さんは、彼に降りかかった不運とドーベルマンの話を話し始めた。
彼は17年前に町中にパン屋を開き、順調に乗ると、
半年前、街はずれの街道に面した所に、2号店兼倉庫を建てた。
それが、あの犬のはす向かいだったのだ。
そこに店をオープンさせてから、その店に常に不運が付きまとうと言う。
そして先月、決定的な出来事があったという。
出来上がったパンを、棚とテーブルの上に並べいると、1人お客が入ってきた。
と、その時である。開いた入り口から、はす向かいの犬が飛び込んできたのである。
どうやら、散歩中の飼い主の手を離れてしまった様だった。
犬は、テーブルの上に飛び乗ると、ピザパンやジャムパンなどを、
踏んだり、かじったり、床に落としたりと、やりたい放題暴れまわった。
被害にあったパンなどの弁償は、その飼い主にしてもらったものの、
問題は他にもあったという。それは、そこで働く従業員の奥さんによると、
あの犬には、前科あるのだというのだ。
あの犬に荒らされた店は、ことごとく潰れるという。
近くにあるラーメン店は、その犬によく店前で小便をされていて、
やがて、客が来なくなり、潰れた。
そして、このパン屋の以前あった飲食店でも、同じ事があったという。
あの犬が、その飲食店に飛び込んできて、テーブルの上のお客の食べ物を荒らしたのだ。
その後、その店は3ヶ月と持たずつぶれたのだという。
実際この店も、あの犬に襲撃されてからというもの、
不可解な事が起こり、どんどん業績が下がってきているという。
業務用オーブンと発酵機の不可思議な故障や、厨房でのボヤなど、
裏口からヘビが厨房に迷い込んで、一時閉店になったり、
従業員が転んで、出来たてのパンを床に落として足を怪我した事もあるという。
話を聞くと、私も正直少し怖くなってきた。何軒もの店をつぶすパワーを持つという犬。
いずれにしろ、話だけではまったく訳が分からなかった。
さっそく、2号店のパン屋に行く事になった。
とにかく、不幸を呼ぶという、その不気味な犬を見ない事には始まらない。
高島さんのパン屋2号店は、やや町はずれの街道沿いにあった。
車が2台くらい駐車できるスペースが店の隣にあった。
私たちの車はそこには止めずに、倉庫の脇の道を行き倉庫の裏に停めた。
車を降りると、私たちは街道に戻った。
「あそこが、犬がいる家です。」
高島さんが指さす方を見ると、街道を挟んだはす向かいに、
2階建ての庭付きのりっぱな家が見える。
普段は家の中にいるという、そのドーベルマンは庭には見えなかった。
彼によると、
時々、そのドーベルマンはあの2階の窓のカーテンをのけて、
この店をじっと見つめているという。
この店が以前ボヤ騒ぎがあった時も、
その犬がじっと、こちらを見つめていたと言う。
「今日は見てませんね。」と私が言うと、
「もうじき、散歩の時間だと思います。」と高島さん。
無理もないが、
高島さん、だいぶあの犬にナーバスになっているようだ。
犬の散歩の時間まで把握している。
「あの犬は、家を出たらいつもどちらの方向に行きますか?」
「あっちの方です。」
以前は、この店の前を通るルートらしかったが、
あの事件以来、この店の前は通らないという。
私はなるべく近くでその犬を診たかったので、ひとり街道を渡って、
その犬の散歩コースに陣取って、犬が散歩に出るのを待った。
15分くらい待っただろうか。
店の中に居る高島さんが指を差して合図している。
どうやらあの犬が、家から出て来た様だ。
「来た!!」
門からドーベルマンと飼い主さんが、姿を現した。
大きさは、柴犬よりもやや大きいという感じの
黒と茶色のやや痩せ型の犬である。
多分ドーベルマンだろう。
高島さんが言っていた様に、散歩コースのこっちに真っ直ぐやって来る。
私めがけて、一直線にハア、ハア言いながら小走りだ。
ま、まずいか?
と思ったら、
私の前の電信柱の前で止まり、
クンクンして、小便をかけて、また小走りし始めた。
どうやら目的は私ではなく、電信柱だった様だった。
私の前を通り過ぎたが、
意外と可愛い目をしていた。
それに犬を散歩に連れていたのが、
女子大生くらいのお姉さんだったのも意外だった。
高島さんの話によると、以前はお母さんが散歩に連れて行っていたが、
あの事件以来、娘さんが散歩に連れて行くようになったという。
それにしても、
普通の犬に見える。
犬が目の前を通っても、まったく恐怖感みたいなものが無い。
というより、
私がイメージしていたドーベルマンよりも可愛い。
優しい目をしていた。
飼い主がけしかけて、店を襲わせたとも考えられない。
こりゃあ、もしかしたら、
犬が原因じゃないんじゃないか。
という考えに傾き始めた。
私は店に戻る前に、ここで少し考える事にした。
今までの事をまとめてみよう。
仮に、犬が関係無いとして、改めて考えてみよう。
すると、2つの事が気になる。
◆2号店をオープンさせてから、常に不運が付きまとうと言う。
◆前の飲食店もつぶれている。
たしかオフォスで、2号店は居ぬきに近い設計で建てたって言ってたなぁ。
(居ぬきとは、前の店の状態のまま利用するので、新たに店を建設させるよりも、
はるかにオープン費用が節約できる。)
つまり、不運はこの店から始まったのでは無いんじゃないか。
前の店の時から始まってる?のか。
そんな事を思いながら、私は高島さんの店に戻った。
「どうでしたか、かやさん?」
開口一番、高島さんが聞いてきた。
「まだはっきりとはいえませんが、
犬の他に、何か原因があるかもしれません。」
「他に?」
「何ですか?」
「店の中を見せてもらっていいですか?」
「どうぞ」
こういう時は、まず、問題が起きた所を調べてみるのが鉄則だ。
この店で問題や不可思議な事が起きた所は、
◆業務用オーブンと発酵機の不可思議な故障
◆厨房でのボヤ
◆裏口からヘビが厨房に迷い込んで、一時閉店になったり、
◆従業員が転んで、出来たてのパンを床に落として足を怪我した。
上の4点だ。
まず、気になるのはボヤだ。
「ボヤはどこで起きたんですか?」
「こちらです。」
どうやら従業員の不注意でのボヤらしい。
「パン屋さんでも、油をこんなに使うんですね。」
「はい。コロッケパンとかカツサンドを作っているので。」
「なるほど。」
ボヤが起きた場所は、裏口の横にあり、
裏庭が見える窓があった。
「従業員さんが転んで怪我したのは、どこですか?」
「あっ、それもここです。」
「ここ? 裏口の前?」
「・・・・・」
なんだろうー。 偶然かなぁ。
上の4つの問題の内、3つが、
裏口が関係している。
不可解な事がよく起きる場所が裏口なのは、何かあるのか。
「ヘビが入って来たのも、この裏口ですよね。」
「はい、そこから入って来て、
業務用オーブンの下に逃げ込んだんです。」
なるほど、業務用オーブンは床から5cmくらい浮いた感じでスペースがある。
そこに逃げ込んだのか。
私は、もうヘビはいないだろうが、
一応しゃがんで、そのオーブンの下を覗き込んだ。
今は綺麗になっており、ゴミも無かった。
しかし、
私が立ち上がろうした、その瞬間である。
臭いがした。
なんだろう、このニオイ。
「ん?」
「このニオイは!!!!」
最終話は、明日のブログに続く。
(すいません。今日中に書き終えませんでした。)