●自然の思い出




あるお客様が、こんな事を言った。




「私、人とお話ししているよりも、独りで、


 花の世話や、花を見ている方が好きなんです。


 だから、あまり友人がいないのかもしれません。」







「他に何か、物心ついた時からの癖とか性格とかありますか?」







「よく花の手入れなどするんですが、


 なぜか毛虫が大嫌いで


 毛虫がいると、大声で夫を呼んで取ってもらんです。」





他にも、水は毎日、特に日照りの日は気が気ではないという。


肥料や土も熱心に買って来て、枯れかかった花も見捨てないという。





彼女の話は、終始花の事ばかりである。






「何か花以外の事ではありますか?」






「ああ、香水なんかも好きですよ。


 特に薔薇関係の匂いが好きです。



 そうそう、私バラが大好きで、


 家にもバラが10種類以上あります。」





結局また花の話に戻っている。







そんな彼女に、私はこんな話をした。






大昔、人間がまだ世の中に居なかった頃の事ですが、


人はみな石や土などの鉱物だった時代があります。






その後、植物や花や木だった時代があり、


その後、動物などの生き物だった時代を経て、




今、人間として生きています。





その進化の過程は、


どこの時期で一番多くの時間を過ごしたは、


人それぞれ違います。








貴方の場合、



花だった時期が、普通の人よりも長かったのかもしれませんね。





それに薔薇だった時期が多かったのかしれませんね。



そして、毛虫が嫌いなのも、


植物時代によく毛虫にいじめられたのかもしれません。





だから、よく毒クモだけではなく、


意味も無くどんなに小さなクモでも嫌いという人がいるが、



もしかしたら、昔昆虫だった時代に、


クモの巣に引っかかり食べられたという恐怖感があるのかもしれません。






よく自然を見にいって、


心が癒されるという人は、





もしかしたら、


遠い昔の思い出に癒されているのかもしれない。



END