見えない鎖(くさり)





ある日、サラリーマンと思われる男性が相談に来られた。




平日の昼間に、男性が来られるのは珍しい。


つい、営業か?サボりか?と思ってしまう。






胸に社章か何かのバッチを付けている。


どこかある程度大きい会社の社員だろう。





ちなみに、私の場合、お客が帰った後で、


彼の会社が何か気になった時は、下記などで調べる事がある。

http://www.shasho.jp/works/





昼間に訪ねて来る男性は、仕事の相談が多いが彼は違った。





また、普通、私の所へ相談に来られる方は、


今こんな事が起きた困っている、


今こんな奇妙な現象で悩んでいると来られるのだが、それでも無かった。






彼の悩みは、


将来に起きるかもしれない祟りを心配しての事だった。







彼は言った。



「田舎で暮らしている母を、


 東京の自宅に呼び寄せて一緒に暮らしたい」のだと。






最初は、ごく普通の親孝行息子の相談に思えた。






てか、私に相談する必要もなかろうが。








「奥さんが反対されているとか?」




「いえ、妻は賛成です。


 一週間前に、母が自宅で転んで足を怪我したんです。




 それで独り暮らしで、日常生活にも不自由になったので、


 呼び寄せる事には賛成してくれました。




 以前正月に、実家に里帰りした時、妻と母とは意気投合して、


 仲良くやれていたのも幸いしたようでした。」









「なるほど、


 じゃあ、田舎のお母様がこちらには来たくないと?」





「いえ、母も出来れば私と一緒に住みたいと言っています。」







ニャルほど、じゃあ、いよいよ私の出番は無いニャ。と内心思った。











しかし、彼の相談の本丸はここからだった。






一緒に暮らしたいという息子と、


息子と一緒に暮らしたいという83歳の母。





ただ「こちらに引っ越して来る」が出来ない事情。





それは、

























墓。お墓







彼の母は言う。



今、私がご先祖様の墓を守っているのよ。




ひいお爺ちゃん、ひいお婆ちゃん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、


15年前に亡くなった夫、事故で亡くなった長男など、


相談に来られた彼以外に、親戚はいないという。





つまり、彼の母親が東京に引っ越して来たら、


誰がご先祖の墓を守っていくのかというのだ。








また、彼の母は、呪いの様なものを恐れていた。






それは、実際に起きた事だと言う。






母親の3軒隣のお爺さん家も同じような事情で、


村を捨てて、息子が住む大阪に移り住んだと言う。







しかし、その1年後、


そのお爺さんは突然の心筋梗塞によって、亡くなったという。




また呼び寄せた息子さんも自動車事故を起こして、重症を負ったのだ。






村の人は、墓守を放棄した人への村の呪いだと噂した。



噂では、ひと昔前にもその様にして、村を捨てた人が直ぐに死んだと言ったという。









こうして、相談者の母親は、



◆墓守を放棄する事からくる村の呪い。


◆ご先祖様にすまない。



という理由から、東京で息子と暮らしたいと思いながら、




田舎を離れらないという、見えない鎖につながれていた。







そんな難しい問題に、彼も仕事が手につかないという。


















私はつぶやいた。





村の呪い」か・・・

















さて、もし貴方だったら、



彼になんと言いますか?


(考えてみるだけで、コメントしなくていいですよ)







後半は、明日のブログに続く。