●外出用の靴
このお話は、昨日のブログ(●不眠症と墓地 )の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11851203765.html )
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
ある奥様が酷く不眠症に悩んでいらっしゃるという。
もともと5年前ほどから不眠症ぎみだったという奥様は、
ここ千葉に3年前に引っ越してから、本格的な不眠症に陥ったという。
現在は、夫と娘さんとの3人暮らしで一軒家にお住まいだという。
毎日、睡眠薬無しには眠れないという。
不気味な事に、寝ていると、誰かが足を触る感覚があって、
目を覚ます事が今まで2回あったという。
一応電話で聞いてみたが、よく分からなので、会う事になった。
奥さんの不眠症は、この家に来てからひどくなった。
よく考えてみれば、奥さんの不眠症は、ここに来る2年程前から始まっていたじゃないか!
そこに原因があるんじゃないだろうか。
そして、引っ越す事によりそれがひどくなった。そう考えれば、つじつまが合う。
「今から5年前、ここに引っ越されてくる前に、何かありましたか?」
すると、一同黙ってしまった。どうやら、私は、地雷を踏んだようだ。
少し沈黙が続いた後、奥さんが急に立ち上がり、
やがて、寝室に行ってこもってしまった。
娘さんも、続いて退場。
やっちまったか?
旦那さんが、私の方を見る。
もう帰ってくれと、言われるか?
旦那さんは、水を一杯飲むと、話しだした。
「実は、
5年前、長男を亡くしました。」
彼の話を要約すると、
千葉に引っ越して来る前、東京に住んでいる時、
1歳3ヶ月になる長男がいたという。
ところが、
他の子はもう歩けるようになったのに、
うちの子だけは、いつまで経っても歩けない。
歩かせようとすると、不機嫌になる事が多く、
すぐに泣きだす事も多かったのです。
周りの人は、心配しなくても、じきに歩くよ。と言って下さいました。
ところが、2歳になっても歩く気配がありません。
言葉は「ママ」しか喋りません。
さすがに気になったので、医者に連れて行きました。
小児がんでした。
しかも、すでに骨に転移しているとのこと。
私達夫婦は、もう目の前が真っ暗になりました。
すぐに入院となりましたが、その甲斐なく5年前に亡くなったのです。
その間、妻は仕事を辞め、
毎日病院に通い、息子を励まし、世話をしました。
歩けない息子に靴を買い、
三輪車を買って、励ましたのです。
2人で、良くなったら外でおもいっきり遊ぼうと、いつも約束していたようです。
妻は、たった一度だけでもいいから、
手をつないで息子と公園の散歩デビューするのが夢だったのです。
しかし、
息子は最後まで歩ける事はありませんでした。
そんな息子が亡くなったあと、
妻は、病気の発見が遅れたのは全て自分のせいだと責めて、
その後1年間はずっと塞ぎ込んでしまいました。
息子のものは捨てれず、うつに近い状態でした。
患者のケア担当の先生の助言もあり、
残された娘の為にも、
息子を思い出してしまう品をなるべく処分し、
私たちは引っ越す事にしました。
私はそれを聞いて、
息子さんが、原因だと思った。
私は少し考えてから、
「引っ越した時に、息子さんの物は全て捨てたんですか?」
「はい、写真を除いて全て捨てました。」
私は内心、もしかしたら、
それが引っ越してから不眠症が悪化した原因かもしれないと思った。
という事は、
何か捨ててはいけない物が含まれていたと考えるべきか。
それは何だろう?
一番気になったのは、母と息子の最後の約束だ。
どんな理由かは、はっきりは分からないが、
息子さんは、思い残す事があってか成仏していないのかもしれない。
私は戻ってきた奥さんに、なるべく優しく話した。
「今でも、息子さんは貴方の事が、大好きなんでしょうね。」
「息子さん、今でも貴方を寝かせないんです。」
奥さんは黙って、私の一言一言を食い入る様に聞いていた。
「多分、息子さん、
貴方にお願いがあるんだと思いますよ。」
「仏壇はありますか?」
「ありません。」
「では、まず簡易仏壇を作ってください。」
「座った時に、目線より高い所を一ヶ所決めて、
そこに息子さんの写真を飾り、
お線香立てを買ってきておいて下さい。
100円ショップに売っているものでもいいですから。」
「それはどこでもいいんですか?」
「いいですよ。
ただし、テレビや電子レンジなどの電気製品の上はダメです。
居間などのタンスの上とか棚の一部とか。」
「はい。」
「そして、今日から1ヵ月間、毎日、お線香を焚いて、
ミルクと生前息子さんが好きだった食べ物を供えてください。」
「お菓子でもいいですか?」
「もちろんいいです。」
「同時に、息子さんに声をかけてあげてください。
息子に産まれてくれてありがとう。
どうか成仏してください。
お母さんを寝かせてね。」みたいな。
「あと、不眠症の場合、
それを夜寝る前に、おこなってみて下さい。」
「最後に、
息子さんに買ってあげた外出用の靴を覚えていますか?」
「はい。はっきり覚えています。」
「では、なるべくそれと同じ靴を見つけて買ってきてください。
それも店の人に頼んで、ためし履きされていない新品を買ってください。
そして、それを簡易仏壇の前に供えてみて下さい。」
奥さんは、必ず見つけて買います。と言ってくれた。
もし、読者の方の中に、
ひどい不眠症に悩み、
かつ、
以前、小さい子供を亡くされたという方いたら、
上の事を1ヵ月試しにやってみて欲しい。
ちなみに、水子はこの場合当てはまらない。
というのは、水子の場合は、
母親を不眠症にさせるような知恵が発達する前に亡くなっているので。
それから2ヵ月たったある日、
奥さんから電話を頂いた。
これからお話しする事は、
実際に私が見たわけでは無いので、
彼女の希望的観測から作り上げたただの夢だと指摘する人もいるだろう。
でも、
彼女の夢の中で、実際に起きた事だと、
私は信じている。
奥さんは、電話で、
最近、不眠症が治ったとお礼を言ってきた。
そして、
昨日、夢を見たと言う。
「先生、
私、
息子と会ったんです。」
「息子が、私の買った靴をはいているのです。
あの供えた靴を・・・・
私が買ったあの靴を。
そして、
手をつないで、外に出たんです。」
「ママぁ!!」
「上手よ!! すごいわねぇ!」
「ママぁ!!」
一歩、一歩、とても時間がかかったんですが、
私は嬉しくて泣いてしまいました。
「先生、息子と
息子と、
息子と手をつないで、
公園デビューしたんですよぉ。」
「ママ、
ママぁ!!」
「そんなに歩いて・・・
そんなに・・・・
そんなに歩いたら・・・ころぶわ・・よ」
「ママぁ!!」
「ママ、ありがとう。」
http://www.youtube.com/watch?v=heSXYQj290k
END