●口利きという仲介業
このお話は、昨日のブログ(●女の子だけ死ぬ華族 )の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11847786276.html )
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
この話は、私がマレーシアにいた頃の体験である。
当時、アメリカンスクールのクラスメートに華僑の女の子がいました。
その女の子は、片目だったのですが、とてもお金持ちでした。
そんな片目の彼女にはChan(チャン)という弟がいました。
彼はバスケットのチームメイトでもあり、ある日、占って欲しいと言って来ました。
彼らのお父さんは貿易の仕事を大々的にしている人で、以前は、中国本土でやっていたそうです。
そんなご両親一族には、ひとつ大きな悩みがあり、
生れてくる女性だけ、なぜか若くして死ぬのだそうです。
チャンのお姉さんだけで2人亡くなっているといいます。
一人は小学生6年の時に川に溺れて亡くなり、
もう一人は中学生の時に病気で亡くなったのです。
一族の親戚の家で、合計5人の女の子が不可解な死をとげているというのです。
そして、チャンの姉さんも、中学生の時に事故に遭い、
生死をさ迷ったあげく、なんとか助かったのだそうです。
その代わり、その事故で片目を失ったというのです。
彼のご両親一族で、高校生になっても生きているのは、その片目のお姉さんだけでした。
姉はいつも自分がもうじき死ぬのではないかといつも悩んでいるのです。
どうして私の一族の女の子は幼くして死ぬのか、
そして、姉はすぐに死んでしまうのか、診て欲しい。
そんな深刻な相談だったのです。
何か、恐ろしい物がひそんでいる感じがします。
私はチャンに、
一度お姉さんと話したいと言いました。
やがて、
お姉さんを連れてチャンがキャンティーンにやって来ました。
「Hi」
「Hi」
私たちは簡単な挨拶を交わすと、対面に座り診始めました。
片目の彼女を目の前で、はっきり見たのは初めてでした。
片目を失いながらも、
明るく前向きに学校を楽しもうという気持ちが、
彼女全体を明るくしていました。
さて、こういう相談の場合、
大元の問題を考え、枝葉の問題はその後に考えた方がよい。
つまり、
一族の女の子が亡くなる問題をまず考え、
そして次に、その枝葉の問題であるお姉さんの事を考える。
そうしないと、後で意見がかみ合わなくなる時がある。
まず、気になるのは、
やはりご先祖の問題です。
しかし、さすが大金持ちである。
先祖供養などは、坊さんを呼んで大々的にやっているという。
まあ、そんな大々的にやらなくても、
ご先祖をちゃんと大切にしていれば、
彼らの家の様に、仕事で大成功をしても不思議ではない。
先祖から怨みをかっていると、
こんなにも成功して大金持ちにはならないものだ。
しかし、気に入らない。
何か矛盾している様な気がする。
先祖供養は完璧にし、仕事に大成功。
大金持ちになった。
でも、女の子だけ死ぬという華族。
気に入らない。
この矛盾が、なんか気に入らないのだ。
何かある。
そう言えば、これに似たような話を思い出した。
ある男性が突然億万長者になった。
彼はお墓参りもかかさず、ご先祖も大切にしていた。
なのに、その後運勢は下り坂。
結局、彼は不運の死をとげた。
この彼の場合、土地を売って億万長者になったのだが、
その土地は、人からだまし取ったものだったのだ。
確かそれに絡んで、人も死んでいた。
つまり、お金持ちになった方法に問題があったのだ。
私はチャンに、聞きにくい事を聞いた。
「君のお父さんは、貿易の仕事をしているという事だけど、
何か貿易の仕事と女の子の死に関係した事無かった?」
「無いと思います。」
「じゃあ、昔、
仕事で女の子が死んだ様な事、聞いた事ある?」
すると、それを聞いていたお姉さんが、
驚くべき事を話し出したのです。
丁度2人目の女の子が亡くなった時、
彼女の母親が泣きながら言ったそうです。
「これはきっと呪いなのよ!」
彼女が母親に、「何の呪い?」と聞くと、
彼女のお爺ちゃんと、ひいお爺さんは、
口利きという仲介業をやっていると言うのです。
名目上は、
仕事が無い人に仕事を仲介してあげる仕事だそうですが、
悪く言えば、
それは、
人身売買と臓器売買だったのです。
それで大儲けしたのだと。
しかし、中には逃げ出そうとした少女が自殺したり、
その後どこに売られたか分からず、人知れず死体で見つかったり、
臓器売買の対象になっているかもしれないというのです。
旦那さんは、呪いなど信じなかったのですが、
3人目の娘が、その後すぐ事故に遭い生死をさ迷うと、
さすがの旦那さんも焦り、その地を離れてマレーシアに移り住んだのでした。
旦那さんは、人身売買には加担していなかった様ですが、
見て見ないふりをしているのが耐えられなかったといいます。
私はそれを聞くと、
原因はそれだと思いました。
そうであれば、
金持ちになってから悪い事が起きたのに矛盾しませんし、
また、これではいくら自分の先祖供養を一生懸命にやっても、
霊障がおさまる事はないでしょう。
この霊障をおさめるのは大変だと思いました。
なぜなら、
今から、自殺したであろう少女達の遺体などを供養するのは不可能に近く。
名前などを調べて、供養するにも、
多分その記録さえ証拠となるので、
処分してるか記録などつけていないと思われるからです。
しかし、幸い私への相談内容は、
●どうして私の一族の女の子は幼くして死ぬのか、
●そして、姉はすぐに死んでしまうのか、診て欲しい。
という事だったので、
私が感じるに、
やはり原因はひいお爺さんを中心に行った人身売買であろうといいました。
すると、彼女は、
「父は人身売買には関わっていないのに、
なんで、父の娘の私達3人が呪われるのですか?」と聞いてきました。
私は、理由は分かりませんが、
ひいお爺さんの悪行がその孫やひ孫にふりかかる事があること。
華族の中で弱い人に集中的に霊障が現れる事があること。
などを1時間位かけて説明しました。
あとは、●姉はすぐに死んでしまうのか。の問題ですが、
彼女の瞳を見ると、
澄んでいて、綺麗で、
よく吸い込まれそうな瞳というのがあるが、そんな瞳だった。
希に死ぬ運命が近づいている時に、
瞳が濁ってくる時があるが、そんな瞳ではありません。
彼女に2・3質問しました。
「貴方が事故に遭う前と、事故から生還した後で、
何か変化した事はありますか?」
すると彼女は、こんな事を言った。
「そう言えば、
事故に遭う直前まで、怖い夢をよく見ていたけど、
事故後は、怖い夢を見なくなりました。」
「なるほど」
私は彼女に、
「貴方への一連の霊障は、一応終わっていると思いますよ。」
と言いました。
理由は、
●彼女の瞳が綺麗で深く輝いていること。
多分前向きに1日1日大切に生きようという気持ちが良かったのでしょう。
●大きな事故によって本当なら亡くなっている霊障を一度受けている事。
●事故が起きる直前まで見ていた悪夢が、現在はまったく見ない事。
●一族の中で唯一、高校生になったという事。
多分一番危険な小学生、中学生時代を乗り切ったと思われる。
●国外に引っ越し、悪行が行われた場所から遥か遠くに行った事。
以上の5つの理由から、
もう貴方は霊障によって殺される事はないでしょう。と言ったのです。
最後に、念の為に、
彼女に何か好きな動物を飼うように勧めました。
彼女の様に、何か得体のしれない霊に命を狙われる危険のある場合、
愛する動物が、身代わりになってくれる時が希にあるからです。
彼女はウサギを飼うと言って帰っていきました。
少しは死の恐怖から、解放された感じでした。
私はその3ヶ月後、
アメリカの大学に進学しました。
それ以来、彼らには会っていません。
でも、
たまに街を歩いている時、
眼帯をかけている女性を見ると、彼女の事を思い出します。
今頃どうしているでしょう。
幸せに暮らしているだろうか。
END