●約束の代償





このお話は、昨日のブログ(不幸を呼んだ宝くじ)の続きです。




従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11325384446.html




を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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新潟のある女性からの電話相談だった。


彼女いわく、去年、宝くじで1500万円程当たってから、


次々と不幸が訪れたのだという。


まず、夫が、当選金で買った車で事故。


そして、二十歳の娘さんにも魔の手が及んだ。


ボーイフレンドと他愛もない喧嘩をしたという。


そして、その夜睡眠薬を大量に飲んで自殺未遂したのだ。


幸い、昏睡状態で発見され病院に運ばれ助かったという。


最後に電話してきた奥さんだが、階段から落ちて腕の骨を折ったというのである。


階段の手すりのネジが外れたという事らしいが、


もし、階段の上の方から落ちていたら、命の危険もあったという。


正直、こういう相談は難しい。3件の不幸なケースが偶然続いたと事も考えられるからだ。


ただ、娘さんの自殺未遂だけは、ちょっと気になった。


自殺するほどの喧嘩では無い上に、その日に睡眠薬を買って来たのだが、


娘さんは睡眠薬を買った記憶が無かったのである。


この部分だけ、私の心に何か引っかかった。





























はたして、


3件の出来事は偶然だったのか?





いずれも、


宝くじの当選金を使った後に起きたのは、偶然だったのか?






自殺する為の睡眠薬を買った覚えが無いというのは、どういう事か?








こういう場合、


起こった謎から考えると、惑わされて余計分からなくなる事が多い。







だから、逆に一度、


これが霊障だと仮定して考えてみる事にしている。






これが霊障だとしたら、


ある霊が娘さんに、睡眠薬を買わせる。


そして、飲ませて自殺させる。






そう考えると、


その霊には計画的な殺意を感じさせる。




しかも、生霊ではない。


生霊は薬を買わせるなどという芸当は出来ない。


死霊だ。


そして、その死霊は一昔前の知識の持ち主かもしれない。





なぜなら、


一昔前の睡眠薬なら、


大量に飲むと、急性中毒が起こって死ぬケースが多かった。


しかし、


今の睡眠薬は、薬の成分が昔と違い、致死量はあるものの、


多少大量に飲んでも死に至るケースが少ない薬になっている。


だから、


昔ほど新聞やテレビに睡眠薬自殺という文字が出ないのはそのせいである。









そこで、私は奥さんに聞いてみた。



「誰か亡くなった人で、娘さんを怨んで死んでいった人はいませんか?」


すると、そんな人はいないと思いますと彼女は即答した。



家族には何でも話す子だし、


今付き合っている男性も最初の彼氏だと言う。




「では、貴方の家族を怨んで亡くなった人はいますか?」


それもいないと言う。





「娘さんは二十歳でしたね。


 では、20年以内に、


 身内や知り合い、友人で


 若くして、不幸な死に方をした人はいますか?」





「不幸な死に方って、どういう死に方ですか?」



「例えば、自殺、火事、水死、交通事故、殺されたとかです。」





すると、奥さんは、


「あっ、います。」と言った。




夫は昔、弟とふたりで新潟の地にやって来て、


この地でふたりで会社を作った。


しかしそれ以来、家出同然で出て来た実家とは絶縁状態となっているという。


でも、会社は段々と赤字になり、うまくいっていなかった。


そんな時、弟さんが交通事故で亡くなったという。







私は、その話を聞いても、いまいち、


弟さんの交通事故と、娘さんを殺すというのが結びつかない。






「他に、不幸な死に方をした人はいますか?」と尋ねた。


すると、もう他にはいないと言う。






行き詰まってしまった。


やはり、すべては偶然だったのかもしれない。そう思った。







「すみません。ちょっと分からないですね。


 偶然悪い事が起こったのかもしれません。」そう謝った。







「そうですか、ありがとうございました。」


彼女も電話の向こうで、少し安心した様だった。








しかし、


別れ際に私が言った、たった一言から、


この恐ろしい霊障の正体が姿を現したのである。










その一言とは、













「でも、弟さんは災難でしたね。


 ちゃんと供養してあげて下さいね。」








すると、奥さんは、





「はい。分かりました。


 早くお墓を作ってあげたいと思います。」と答えたのである。







「あれ?


 弟さんって、いつ亡くなられたのですか?」






「8年前です。」






「お墓が無いという事ですが、


 遺骨は今、どこに?」







すると、なんと奥さんが言うには、


弟さんの遺骨はまだ自宅にあるというのである。




8年間ずっと。










彼女の話を要約するとこうだった。





夫と弟さんが新潟にやってきて事業を始めた。


やがて、お兄さんと彼女が結婚し娘さんが生まれた。


しかし、仕事は最初は順調だったが、段々と赤字になり、


借金もかさんでいったという。





そんな時、


朝から晩まで仕事で走り回っていた弟さんが交通事故で亡くなったのだ。





普通なら、


弟さんの遺骨をお墓に入れて供養してあげるところだが、


実家とは絶縁状態だった。


弟さんの保険金が入ったので、


そのお金でお墓を建ててやれば良かったのだが、


会社の借金の返済の穴埋めに使ってしまったのだ。




弟さんの慰霊には、


お金が出来たらお墓を建ててあげるから、


今は会社を救ってくれとお願いして、弟さんの保険金は全て会社に使ったのだった。



弟さんの遺骨は、家の納戸の奥に仕舞ってあると言う。








私はこれが、原因だと思った。







実は、自宅に長い間、


遺骨を置いておくのは、とても良くないのである。





人にもよるが、



時として、この様な恐ろしい事が起きる。








きっと、



弟さんは、兄貴を信じた。





一緒に始めた会社だから、


その会社を救う為なら、自分のお墓は少し待つよ。





弟さんは待った。


会社が利益を出し、いつの日かお墓を建ててくれると信じて・・・



3年が過ぎ、


5年が過ぎ、


それでも待った。



その間、陰で会社や家族を守っていたかもしれません。







やがて、8年が過ぎた時、


家族が宝くじに当たって大金を手にした





でも、


家族は、車を買い。


バックを買い、


台所をリフォームした。






弟さんの遺骨は、納戸の奥に忘れ去られたまま・・・・・







私は、彼女に以下の事を至急するように言った。




すぐに、仏壇の弟さんの写真に向かって、


お水とお花とお線香とご飯をあげ、


そこに現金が入った通帳を開いておいて、




「今まで待たせて本当にごめんなさい。


 すぐにこのお金で、貴方のお墓を建てますので、許して下さい。」とお願いする様に言った。





そして必ず実行する事を。






彼女はすぐにやると約束した。





「でも、どうして夫の弟が、


 私たちの命を狙うなどという事をするんですか?」






納得できない様子だった。






「誰か死んだら、お墓が作られると思ったからですよ。



 貴方の娘さんが死んだら、


 さすがにお墓を建てるでしょ?」





「えっ、


 それでもお墓を建てなかったら?」





「多分、2人目がじきに死ぬでしょう。貴方かご主人が」