●勝手に開くドア
不思議な現象が、全て解決できるとは限らない。
このお話は、相談を受けたものの、
当時、私には解明する事が出来なかった事例である。
結局、その真相らしき事が分かったのは、
相談を受けた日から、約15年の歳月を要した。
そんな苦い思い出なので、忘れる事は出来ない。
それは、ある中年女性の相談だったのだが、
とても奇妙な相談だったのである。
彼女は東京の墨田区という所に住んでいて、
そこからわざわざ来たという。
彼女の奇妙な相談は、
ちょっと昔にさかのぼった。
まだ、彼女が子供だった頃、
当時、彼女のご両親が新築の家を建てて、
3年後のある日の事、
彼女のご両親がふと、トイレに行こうと起きた。
時計を見ると、真夜中の2時12分だったという。
彼女の寝室とトイレの中間に、応接間があるそうだが、
突然、その応接間のドアが開いたというのだ。
始めは、お父さんが居るのか思い、
「お父さん? 居るの?」と声をかけたそうだ。
しかし、返事は無い。
そして応接間の電気を点けても、
誰も居ないのである。
彼女は応接間のドアを閉めると、
トイレに行き何事も無かったよう眠った。
翌朝、
みんなにその事を話すと、
それは偶然開いたか、
すでに開きそうだったに違いないという風に言われた。
ところが、翌日も、
そして、その翌日も、
応接間のドアは独りでに開いたのである。
家族の誰かが言った。
これは幽霊のしわざではないか?
お爺ちゃんは、そんな事は無いといいはり、
その応接間のドアには、普段は鍵をかける事になったのである。
それ以来、
応接間のドアが独りでに開くという事は無くなった。
やがて、そのお爺ちゃんも亡くなり、
35年の月日が流れた。
誰もが、あの不思議なドアの事を忘れかけた時だった。
昼間、家に来客があり、
つい、応接間に鍵をかけるのを忘れてしまったのである。
すると、その日の真夜中、
また、応接間のドアがひとりでに開いたのである。
35年前の奇妙な現象は、
生きていたのである。
ドアは、翌日も開いた。ひとりでに。
その後、家族会議になり、
また応接間のドアには毎回鍵をかけ、
気持ち悪いので、
応接間のドアを変えたらどうか。という問題が浮上した。
しかし、
勝手に変えたら祟りがあるのではないかとか、
色々考えて末に、相談に来られたのだった。
当時、私も駆け出しで、
さすがに原因は分からなかった。
ただ、
「これは、霊現象でしょうか?」という質問に
私は、迷わず、
「霊現象だと思います。」と答えた。
なぜなら、
応接間のドアが、
独りでに開いてしまうのであれば、
ドアの建て付け悪いとか、
昼間と夜間の木の膨張差とか、
床が傾いているとか、
何かしら偶然に開いてしまう原因はあるのかもしれない。
しかし、
これが霊現象である、決定的な要素が1つだけあったのである。
それは、
応接間のドアが開くのが、
毎回、真夜中の2時12分なのだ。
当時の私には分からなかった。
霊現象だと断言出来ても、原因が分からなかった。
なぜ? 応接間のドアは自然に開くのか?
そして、
なぜ? それは真夜中の2時12分なのか?
結局、相談を頂けでも解決する事はできないまま、
謝り、お金を取らない代わりに、
もし真相が分かったら教えて下さいと頼んで別れた。
その後も私は考えたが、
どうしても分からなかった。
なぜ、真夜中の2時12分にドアが開かないといけないのか?
なぜ、2時ではいけないのか?
考えれば考える程、分からなかった。
こうして、
その真相らしき事が分かったのは、
相談を受けた日から、約15年の歳月を要したのである。
後半は、明日のブログに続く。