●父を救ったアメ。





このお話は、一昨日のブログ(不愉快な相談)の続きです。




従って、一昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11308580554.html




を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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将来、自分のケーキ屋さんを開業しようというケイコさんという女性がいた。


そんな彼女が大学4年になった時だった。友達の誘いに乗って、ある合コンに参加した。


そこで、同じ大学の二学年下のユウと出会う。その後、デートしてお付き合いする様になった。


彼は一流の総合商社に就職しようと頑張っていた。


彼女は彼を応援したくて、自分が貯めたお金で、彼が言う良いと思える教材を買ってあげ、


一緒に問題を出してあげたりして応援した。ふたりは結婚の約束をしていたのである。


彼女は、大学とアルバイトと彼の勉強の手伝いと、大忙しでその合間にも、彼に夕食を作ってあげた。


やがて、ユウも4年となり、就職試験まで残りわずかとなった。


そんなある日の事である。ユウから夜中に電話来る「すぐ来て欲しいという。」


行ってみると、自転車をひき逃げしたという。怖くて、逃げたというのだ。


「ひき逃げは犯罪だ。もう、商社には入れないよ。」そういって、ユウはうなだれた。


やがて、彼は言った。「代わりにお前が、やった事にしてくれないか?


彼女はユウの為に、車を運転し、自首した。ケイコさんが今まで貯めた400万円は、


ユウの英語教材、ユウの食費、ユウの運転免許、ユウの車、


そして今回の示談に費やされ、消えた。ユウは「悪かったな。助かったよ」と言い、


ケイコに、大きなイチゴの刺繍があるエプロンをプレゼントした。


「ありがとう。」「お前、イチゴ好きだろう。」「うん。」


ユウが商社に入社して、2年目の事だった。彼は、そこに勤める課長の令嬢と親しくなったのである。


その令嬢も彼の事を好きになって、新車をプレゼントしたりした。


ユウの気持ちは、もうケイコさんよりも令嬢に傾いていた。


新車をポンとプレゼントしてくれる令嬢に比べ、もう貯金0のケイコ。


そして、課長の娘と結婚すれば、その後の人生の成功が見えていた。


やがて、彼はケイコさんをファミリーレストランに呼び出すと、別れを告げた。


「借りた金は返すよ。」「もう決めた事だから、」と言うと店を出て駐車場に向かった。


車を出そうとした時である。彼女が追ってきた、「ユウ!」と呼びながら・・・


しかし、彼は見ぬふりをして車を走らせた。その瞬間である。


ケイコさんが、後続車にひかれたのである。偶然かもしれないが、


彼の車と同じ車種の同じ銀色の車にケイコさんはひかれていたのである。


彼の車を追って来て、やみくもに道に飛び出したのだろう。ほぼ即死だった。


彼は見ているだけで、知り合いと名乗り出る事は無かった。


彼はケイコさんの突然の死にビックリしたが、正直ほっともしたという。


お金も返さなくて済んだ。彼は葬式に参加したが、ふたりが別れ話をした事などは全て伏せた。


その後、ユウと課長の令嬢は結婚した。「彼も出世間違いなしだ。」そう噂された。


不気味な事が起きたのは、それから5年が経った時の事である。


可愛い娘さんが産まれ、その子も3歳になっていた。


ある日、外食する事になった。高級レストランで、食事を終え、


車で帰ろうと3人で車に乗り込んだ時だった。妻が、上着を忘れたという。


「しょうがないなぁ、待ってるから・・」車には、ユウと娘のふたりだけとなった。


「助手席が好きか? でも母さんの車に乗る時はどして助手席じゃなくて、後ろに座るんだい?」


「だって、 父さんの後ろの席に、いつも女の人が乗っているから・・・」というのである。


「ええっ、女の人が?」   「うん、イチゴのエプロンしたお姉さんが、乗っているの」


ユウの体は凍りついた。ケイコだ!


「お前に見えるのか?」「うん、どうして、お姉さんはいつも乗っているの?」


そういえば、娘は赤ちゃんの時、この車に乗るのを嫌がってよく泣いていた。


その頃から、ずっとその女の人が後ろの席にいたのだろう。こうして、彼は私の所に相談に来たのである。


普通なら、彼の自業自得な部分がかなりあるので、こんな依頼は断った方がいいと思う方もいるだろう。


しかし、これは彼の為だけではない。


ケイコさんが成仏していない可愛そうな存在である事と、何の罪もない娘さんも可愛そうだ。






















まずは、ケイコさんの供養である。




こういう場合、


悪霊よ、出て行け!!という様なやり方だと、




ケイコさんの霊が、悔しさと無念な気持ちを持ったまま、


いつまでも成仏できずに、どこかにさ迷ってしまい。可愛そうである。




彼に、ケイコさんに謝って、謝って、謝ってもらいたいのだ。


そうやって、ケイコさんを救ってもらいたいのである。





ここまで彼に憑りついているので、


毎日供養する必要がある。





そこで、彼の自宅の間取りを聞いた。





すると、彼は、


仏壇はこの畳の部屋ですと言う。






私はすかさず、注意した。





「貴方の家の仏壇で、ケイコさんを供養してはいけませんよ。


 家にある仏壇では、


 その家の祖先や家系の人だけを供養しなければいけません。


 ケイコさんは他人です。


 ましてや、貴方は、


 婿養子じゃないですか、


 けっしてその家の仏壇を使って、ケイコさんを供養してはいけません。


 そうでないと、


 違う霊障が、貴方に起こる可能性があります。


 いいですね。」





改めて、私は彼に、


家具の配置を書き込んでもらった。




家の見取り図を見て、


南向きの貴方の書斎の箪笥の上に、簡易仏壇を作る様に言った。





用意する物は、


●ケイコさんの写真。


 単独の写真もしくは、誰かと映っているなら、他の人は黒い紙で隠す事。


●お盆。


●お水を入れるコップ。


 コップはどんなものでもいいが、一度決めたらあまり変えない事。


●お線香とお線香立て(灰が入ったもの)(いずれも100円ショップで買える)


●花を生ける花瓶(花は、出来ればケイコさんが好きだったものを。)


●鈴(100円ショップのものでもよい)



 

以上を、箪笥の上に、


まずお盆を置き、その上に写真と水と鈴と花瓶とお線香立てを置く。


写真は南か東の空を見る感じに置きます。





そして、毎日、出来れば午前中に、


鈴を鳴らしてから、お線香を1本あげる。そして、


「ケイコ、本当にごめんなさい。どうか安らかに成仏して、幸せな来世に生まれ変わって下さい」



と心から祈り、合掌してください。


他にも謝りたい事などあれば、貴方の言葉で言ってあげて下さい。





そして、時々、


ご飯を供え、



また、


時々、ケイコさんが好きだったイチゴと、


月命日には、ケイコさんの夢だった象徴のケーキを供えてあげて下さい。


「君が作ったケーキの方が美味しかったよ。来世では君の夢が叶う様に。」と。




ちなみに、


ケーキやご飯やイチゴは、10分位供えたら、貴方が食べてあげましょう。


水は植物や動物にあげる。





とりあえず、3日間供養し終わったら、


車のケイコさんが居た所に、


塩を盛り、まる1日そのままにして下さい。






あと、400万円ですが、



別れ際に、


返すと約束していますので、返してあげてはどうでしょうかと言った。


ケイコさんの家に行き、お線香をあげて、


謝ってから、仏壇に400万円を置いて帰ってくるようにと。


もし、分割なら、


残りはまた来月という風に言ってあげる事ですよ。




彼は忘れそうだったので、全てメモしてもらった。









それから1ヵ月し、


彼から経過報告の電話が来た。





とりあえず、


100万返しに言って、残りはボーナスの時にと言って来たという。




そして、



娘に聞いたら、


車のお姉さんが居なくなったと言うので、


昨日から車も、運転し始めているという。



「居なくなっても、100日は供養を続けて下さいね。」と言うと、彼は


「ずっと続けたいと思います。」と言ってくれた。










最後に、




私が少し気になっていた事がある。







それは、





5年もの間、彼の後ろにケイコさんが憑いていたのに、


よく今まで、


車の事故や病気にならずに済んでいたなと思っていた。






普通は、体の調子が悪くなったり、


運転中に眠くなったり幻覚をみたりして、事故を起こしたりするのである。






彼の精神力が異常に強いのか、


ケイコさんの霊力が弱かったのか、


そんな事を思っていた。





しかし、




彼からある事を聞いて、


もしかしたら、と思った事があったので、


その事を書いて、この話の終わりとしたい。










それは、





彼がまだケイコさんの霊に気がつかなかった頃の事である。






その頃、


不思議に思っていた事があったという。






何かと言うと、




週末に車の中を掃除すると、


何故か、ケイコさんが居たという場所に、


アメやら、クッキーやらがあったという。







彼は、「ケイコの霊が置いていたのでしょうか?」



と聞いてきたが、私は、



「霊がそんな物を頻繁に置くような事はしないと思いますよ。


 貴方が置いたのではないとすると、


 置いたのは1人です。聞いてみて下さい。」と答えた。







そうです。




そこにアメなどを置いたのは、娘さんだったのです






小さい頃は、泣いて怖がっていた娘さんも、


いつしか、慣れてきて、


家族で車で外食に行っても、ずっと乗っているだけのケイコさんに対して、


そっと、持っていたアメやクッキーをあげていたのです。





お姉ちゃんが


 お腹を空かさないように。」と。






私は思った。




優しいかったケイコさんは、


そんな娘さんのお父さんを、事故にあわす事が出来なかったのではないだろうか。




子供が喜ぶケーキ屋さんを、開きたいという夢があったケイコさん。



いつの日か、こんな娘さんと一緒に、


ケーキ屋さんをやりたいと思っていたに違いない。