●離れた所にあった薬
このお話は、昨日のブログ(●不思議な足のかゆみ)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11301895238.html
)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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ある女性が「なぜか、足がかゆいんです。」という。
「足のどの辺がかゆいのですか?」 「足の裏と足の指なんです。」と彼女。
彼女は、皮膚科に行ったが、どこも悪い所は無いという。
「なぜか、8月になるとかゆくなるんです。
去年もそうでした。そして9月にはおさまるんです。」
かゆくなった足が、9月にはおさまるのも不思議だが、
毎年8月にかゆくなり始めるというのも、ちょっと不思議だった。
まさかの、かゆみが霊によるものだったとは、これが初めてのケースだった。
普通に考えてみると、
かゆい所は、足の裏と、足の指。
それも特に、足の指の間だと言う。
という事は、
なんか水虫という感じのかゆみにみえる。
そこで、
「水虫になった事ある?」と聞くと、
「医者でも聞かれたけど、無いです。」という。
「じゃあ、誰か貴方の親族の中で、
亡くなった人で、
水虫だった人は、誰か知っている?」
「御祖父ちゃん」と彼女は即座に答えた。
「御祖父ちゃんは、水虫だったの?」
「はい。」
「何月に亡くなったか分かる?」
「はい。8月です。」
この時点で、
あっ、彼女の御祖父ちゃんのアピールじゃないかな?と感じた。
「もしかして、
2年位前から、御祖父ちゃんの供養して無いんじゃないかなぁ。」
すると、
彼女の家では、故人の3回忌を終えると、
供養をしないという。
私は彼女に、
「信じられないかもしれないけど、
御祖父さんは、3回忌で供養が終わりなのは寂しいと訴えているように思うんだよね。
それで、
水虫のかゆみで、自分の事を、
貴方に思い出してもらって、
供養して欲しいなぁ。って伝えているように思うんだよね。」
すると、彼女は、
「でも、なんでお祖父さんは、
私に、水虫なんて方法で教えようとするんですか?」
もっともな疑問である。
「お祖父さんは他にも、
チーズケーキが好きだったり、
お寿司が大好きだったりしました。
なぜ、自分の事を水虫で教えるんでしょうか?」
「そうだね。
チーズケーキやお寿司が好きだったんなら、
なにも、水虫で教える事ないよねぇ。」
「はい。そう思います。」
「君は、チーズケーキは好き?」
「はい。」
「もし明日、急にチーズケーキが食べたくなったら、
どうする?」
「買に行きます。」
「そうだね。
ただ買いに行くよね。
お祖父さんを思い出すなんて事はしないよね。」
「そうですね。
あっ、でも、私はお寿司はあんまり好きじゃないですよ。」
「そう、じゃあ、
もし明日、好きじゃないお寿司を食べたくなったら、
どうする?」
「えっ、変だなと思う。」
「うん。
でも、まさかそれがお祖父さんのサインだとは思わないでしょ。
なぜなら、
お寿司が好きな人って沢山いるからね。」
「はい。」
「だから、お祖父さんは、
これなら自分の事を思い出してくれるんじゃないかって、
水虫を選んだんだと思うんだよね。」
「・・・・・」
「もっと正確に言えば、
きっと、お祖父さんは貴方に知らせる時に、
水虫は最終手段であって、
最初は、普通に話しかけたと思うけど、気づかれず、
チーズケーキも試したと思うよ。
そして、
最後に水虫という方法になったと思うな。」
彼女は、お祖父さんの墓参りをし、
月命日には、仏壇にチーズケーキと寿司をあげて供養をすると言ってくれた。
「御祖父ちゃん、喜ぶと思うなぁ」
きっと、今年の8月は、
足のかゆみが、彼女を悩ませる事はないだろう。
ちなみに、余談ですが、
足に出来る水虫とは、
もちろん虫の事ではない。
カビの事である。
白癬菌というカビがその正体だ。
昔、日本は農業が主産業だった。
そんな時期、
田んぼで農作業をしていたお百姓さんの足が長靴の中で蒸して、
かゆくなってきた。体はかゆくなく、足だけだ。
これはきっと田んぼの水の中に小さい虫がいて、さされたんだ。
こうして、この原因不明の足のかゆみは、
水の中にいる虫、
「水虫」のせいだとされたのである。
つまり、間違っていたのである。
現在、その間違いが分かっていながら、
その名前だけが、
頑固にも
今でも、生き残っている。
恐るべし、
水虫。
「ありがとうございました。」
そう言って、彼女は電話を切られたが、
お祖父さんについて、こんな思い出を語っていた。
その事に少し触れてから、終わりにしたい。
以前、
御祖父ちゃんと一緒に暮らしていた時
よくベットで寝たきりになっていた御祖父ちゃんに、
水虫の薬を取ってきてあげたという。
「サチコや、またあのお薬取ってきてくれないかい」
「はい、お爺ちゃん」
水虫の薬はいつも、
ベットから離れた所に置いてあったという。
よく使う水虫の薬だったので、
ベットからすぐ取れる場所にある方が良いはずなのだが、
その頃は、
深く考えないで、取ってきてあげていたという。
でも、
今から考えると、
口下手なお祖父さんにとって、
そんな事でしか、
可愛い孫との接点が、無かったのかもしれない。
「ありがとう。サチコ。」
「サチコや、
ありがとうね。」
「サチコ、
ホントに、ありがとう。」
「いいよ。お爺ちゃん。」