●最後のバンドエイド
このお話は、昨日のブログ(●夢の中で、息子が責める)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11299491380.html
)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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ある女性からの電話相談でした。
聞くと、亡き息子さんが夢の中に出て来て、彼女を責めるのだと言うのです。
その息子さんが、夢に度々出て来て彼女を睨んで、
「どうして言った通りにしてくれないんだ!」と言うというのです。
彼女のつまずきは、結婚してからだといいます。
彼は一部上場企業に勤め、背も高く、見た目も合格という男性でした。
そんな彼が、結婚後、DV夫に化けたのです。
結婚後、彼は基本、妻のことは、下に見る人でした。
その彼が、彼女に手をあげ始めたのは、結婚3年目で、長男が生まれた時からでした。
その後、長男が小学生4年生になっても思わしくない成績なのに、ガッカリしてか、
「こいつはホントに俺の子か!」と、長男にも暴力を振るう時がありました。
自分は我慢できましたが、子供にまで・・・と思い、
本気で離婚を考え、長男と長女を連れて家を出ようと思いました。
しかし、彼に言うと彼は恐ろしい目をして、
「離婚するなら子供とお前を殺してオレも死ぬ」と脅されたのです。
しかしそんな時、いつも私を元気づけ、慰めてくれたのは長男でした。
「母さんは、僕が幸せにしてあげるからね。」いつもそう言ってくれました。
長男も5年生頃になると、夫が私に手をあげようとした時に、間に入って止めてくれる様になりました。
「母さんに暴力を振るうな!」そんな息子にも容赦無く、手をあげました。
そして事件が起きたのです。ある夜、夫が妻の腹を蹴った時、
みぞおちに嵌ったのか、彼女がぐったりしてしまったのです。
さすが夫も、焦ったのかすぐに車で病院に連れて行きました。
妹は家で留守番で、長男が母に付き添い、夫が運転しました。
病院に着くと、原因が分からなかったのか、とりあえず私は入院となりました。
長男は、ずっと私のベットにつきっきりで手を握ってくれてました。
やがて、看護婦さんが来て、「そろそろ面会の方は・・・」
夫と息子は、家に帰って行ったのですが、それが私が見る夫の最後の姿でした。
夫は家に帰る途中、車の自損事故で亡くなったのです。同乗していた息子は重症でした。
息子さんは、お母さんに、「僕が死んでも、父さんと一緒の墓にはいれないで!」と言いました。
彼女は「うん。うん。頑張って!」と言うのが精一杯でした。
何日か頑張りましたが、やがて意識不明となり息子はそれだけを何度も言って、亡くなったのです。
しかし、新しくお墓を買う費用など、とてもありませんでした。
息子と最後に約束したを守れなかったというのです。息子の為に墓地と墓石を買うという事が出来ず、
結局、父親の墓と同じ墓に入れたのでした。
私は息子さんが彼女の夢に出て来た理由も、彼女が、息子さんに負い目があり、
心に深い傷があるのも分かった様に感じました。
しかし、それはそれで、難しい問題を抱えていたのです。
亡き息子さんが夢の中に出て来て、
「どうして言った通りにしてくれないんだ!」と言うという事ですが、
今までの話から、
息子さんが亡くなる前に、母親にお願いした、
「僕が死んでも、父さんと一緒の墓にはいれないで!」という約束の事だと分かりました。
母親に暴力を振るっていた父親と同じ墓に入りたくないという願いだったのに、
結局、父親の墓と同じ墓に入られた事への訴えだと思います。
普通に考えると、
そんな苦しい息子さんの霊が、
母親の夢の中に出て訴えている。と想像できます。
しかし、今回のケースは、
別の可能性も考えられました。
自分が産んだ子供が、自分の為に亡くなったというのは、
想像以上に、母親にとっては辛い事件だったはずです。
きっと、その後もそんな自分を責め、
何度も、何度も、心の中で息子に謝った事でしょう。
「母さんは、僕が幸せにしてあげるからね。」と言って亡くなった息子。
それなのに、
そんな息子の最後の願いさえ、叶えてあげられなかったという後悔。
それが、
夢の中でも、
自分を責めるという自虐の映像となって表れた可能性があるのです。
つまり、
救いを求めているのは、
父親と同じ墓に入れられた息子さんの霊と、
自分を救ってくれた息子を裏切ったと
自分を責める、目の前の母親、その人なのです。
まず、父親はなぜ、自損事故を起こして死んだのでしょうか。
父親と息子だけが乗った、帰りの車の中で、
何かがあったのか、今となっては分かりませんが、
息子さんが、普段から思っていた、
「母さんは、僕が幸せにしてあげるからね。」と、
その後、死ぬ直前に母親に語った、
「僕が死んでも、父さんと一緒の墓にはいれないで!」
という事を考えると、
なんらかの、息子さんの無理心中だったのではないかという事が脳裏に浮かびました。
お母さんは、私にそんな事は一切いいませんが、
きっと、少しはその可能性を疑っているはずです。
それがなお一層、息子を不憫だと思うと同時に、
自分を責める事につながっているのだと思いました。
私は、息子さんは自殺行為だったのかもしれないと思っても、
目の前の母親には、決して言ってはいけない事でした。
私がその事を言うことで、母親のもしかしたら、
ただの事故だったという願いを打ち砕いてしまうからです。
さて、この問題の解決は、
1点の事に集中していました。
それは、
父親と息子さんの遺骨が同じ墓に入っている事です。
これを解決すれば、
息子さんの願いが叶い、息子さんの霊が救われると同時に、
息子の最後の願いを踏みにじってしまったという母親の心をも救えるのです。
ただ、この前に立ちはだかっているのが、
金銭的な問題でした。
新しい墓地と墓石が買えないという現状でした。
そこで考えられるのは、
父方の実家の墓か、母方の実家の墓に息子の遺骨を入れてもらうという事でしたが、
父方の実家の墓はいけません。
もしかしたら、親殺しかもしれない孫を歓迎するとは思えませんでした。
また、遠方にある母方の実家の墓も賛成できませんでした。
もしかしたら、自殺かもしれない息子さんを、
あまり墓参りに行けない遠方の実家の墓に入れると、成仏できない可能性もあるからです。
それよりも、近くに埋葬してやって、
母親には頻繁に墓参りしてもらいたいと思いました。
そこで、私がアドバイスしたのは、
現在の墓でいいので、
3つの事を必ずする事でした。
●墓の中の遺骨を、お父さんと息子さんをなるべく遠くに放して入れる事。
そして、息子さんの遺骨とお父さんの遺骨の間に、
段ボールか板で壁を作って部屋として区切りを作ってあげるのです。
●次に心から息子さんに謝る事です。
そして、家の事情を説明する事です。
「ごめんなさいね。お金が無くて、新しいお墓を買ってあげられなくて。許してね。」
そして、家の仏壇と、毎月の月命日に墓参りを欠かさずに供養する事。
●最後に、DVした夫の供養です。
人は亡くなると、かなり冷静になって、生前を反省するものです。
奥さんとしては、手を合わせる事もしたくないかもしれませんが、
死者にムチ打つのは得策ではありません。それよりも反省しているだろう夫に、
息子を許してあげてくださいね。とお願いし、
そして来世はDVなどしない人間に生まれ変わってください。
そう言って、供養してあげてください。
以上の事をすることで、
きっと、息子さんは分かってくれますよ。
だって、息子さん、
死ぬほど、お母さんの事好きだったのですから・・・
そんなお母さんが、心からお願いすれば、必ず分かってくれますよ。
最後に、お母さんはこんな事を話してくれた。
息子は、
私が夫の暴力で傷つくと、
必ずバンドエイドを傷口に貼って、手当してくれたんです。
最後に息子さんが貼ってくれたというバンドエンドが、
今も腕にあるという。
傷が治っても、
それだけは、勿体なくてはがせないという。
これを見る度に、
息子が言ってくれた言葉を、思い出すんです。
「いつか、母さんをね。
温泉に連れってあげて、傷を癒してあげるんだぁ。」
「母さんは、
僕が必ず、幸せにしてあげるからね」
http://www.youtube.com/watch?v=7vR-T0cV5Fw
END.