●恐るべし、熱帯マレーシア生活
私は父の仕事の関係で、
縁あって熱帯のマレーシアで生活することになった。
従って、高校の3年間はマレーシアだった。
マレーシアとは、タイの真下で、
シンガポールの上にある国である。
熱帯であるから、一年中暑い。
一年中、夏である。
私が暮らしたのは、首都のクアラルンプールですから、
マレーシアではもっとも近代化された場所と言ってもいい。
その首都から車で1時間ほど走った所に、
住居をかまえた。
きっと、これを読んでいる方も、
観光でマレーシアに来られた人もいるだろうが、
観光で来るのと、そこに住むとでは天と地ほどの違いがある。
私たちが借りた家は、
2階建ての庭とガレージ付きの白い家だった。
山の中腹にあり、眺めは良かったが、
難点もあった。
熱帯というのは、日本と違って、
一日中雨という事はまず無い。
スコールと言って、局地的な大雨がやって来て、また去っていく。
だから、
高台に住んでいると、
大雨が段々近づいて来るのが分かる時がよくあった。
あと5分で大雨になるよ。
早く洗濯物取り込んで!!てな具合に。
最初、マレーシアという国は一年中夏だと聞いていて、
それは楽しそうと思って、楽しみにしていた私の考えは間違っていた。
まず、蚊がデカい。
刺されると痛い。
日本で蚊に刺されるとカユイというのがなつかしい。
しかも、マラリアになって死ぬ場合もあるという。
たかが蚊でも恐るべしだ。
アリもデカい。
家で犬を飼っていたが、
犬が食べ残しの骨をほったらかしにしていたら、
夜中、その骨から窓まで黒い帯が出来ていた。
アリの行列である。
もちろん家の中での出来事である。
ムカデもデカい。
日本で見るムカデは、大きくても5cmだったが、
ここでは30cmだった。動きも早っ!!
クモもデカい。
庭にはごく普通にヒルがいる。
よく愛犬に大きなヒルがついている事がある。
また、ある日、犬に大きなヒルが付いていると思って、父を呼んだら、
それはヒルの様なデカいダニだった。
この変で驚いていては、ここでは暮らしていけない。
空港に着いた時、出迎えの人が遅れていたので、
空港内のおみやげ屋を見ていたら、
おみやげ屋にサソリの標本があった。
日本に居た時は、本でサソリは砂漠にいて、
靴を履くときには、気をつけろという認識があったが、
そのサソリの標本がなぜこんな熱帯に売っているのか、不思議だった。
しかし、
そのサソリの赤ちゃんが、
私の風呂場で見つかった時は、まじか?と思った。
小さいとはいえ、赤ちゃんがいるという事は?
うーー考えるのが怖い。
サソリって、砂漠だけじゃなかったんだ。
ジャングルにもいるって、ルール違反じゃねえか!!![]()
てか、風呂場にサソリが出るって、一発レッドカードだろ!!
そして、当然、ヘビもいる。
コブラだ。
毒蛇だ!
日本に帰りたいプー。
父親がこの家に最初に着いた時、
みんなにこう言った。
この一番上の引き出しの中に、血清が入っているから・・と。
なるほど、血清がそこに入っているんだ。
でも、
なぜ?
てか、血清って何?
血清とは、毒蛇に噛まれた時に、それを注射して中和するという。
緊急時に治療する為だという。
なるほど、
この家に住む時の必需品という訳ですね。
分かりました。
日本に帰りたい。
そのヘビが、庭に出た時があった。
ブラックコブラだった。
雇っていた庭師が見つけたのだ。
私は思わず引き出しを開けて、自然と血清を手にしていた。
庭の側溝に、入り込んだというので、
見に行こうとしたら、止められた。
近づいては危ないという。
私は庭師に、万が一の時には血清があると見せた。
しかし、それは役に立たないという。
日本にいる人は、コブラに噛まれたらやばいと思っているだろうが、
甘い!
このブラックコブラは、
毒を相手の目に吐きかけて、目を毒でつぶすというのだ。
なるほど、目に血清の注射を打つ訳にいかないな。
てか、毒を飛ばすって、ルール違反じゃねいか!
日本に帰りたいプー。![]()
そんな危ない場所なので、
学校へは毎日タクシーで通っていた。
しかし、たまに車の手配がつかず、
学校まで自転車で、通った事があった。
すると、
別にフエを吹いている訳でもないのに、
キングコブラが頭をもたげて、
トグロを巻いていて道の真ん中に居たことがあり遠回りした事があった。
また、崖の上に5m位のオオトカゲがいた。
オオトカゲって動物園にいるもんだろうがぁ。
通学路に居るって、ルール違反じゃねいか!
自転車まだいいが、歩くのは危ないから止められていた。
ヘビも怖いが、なにより野犬が怖い。
また、庭師に、
庭から見えるあの山は、ガケがあって綺麗ですね。と言うと、
綺麗だが、行かない方がいいと言う。
別に行きゃあしないが、何で?と聞くと、
その山には、人食いトラが出るという。
絶対行きませんプー。
そして、怖いのは動物だけではなかった。
3年間に2回泥棒に入られた。
現地の人に、
もしかしたら、泥棒に入られたのは、
私の家の名前が悪かったのではないかと言われた。
なぜなら、
「かや」って、
現地の言葉で、
「金持ち」という意味らしい。
まじか?
そりゃあ、やばい。
日本に帰りたい。
恐るべし、マレーシア生活だった。