●一緒に帰ろう。





このお話は、昨日のブログ(生霊となった先生)の続きです。




従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11246486228.html




を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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これは、私がまだ埼玉県の方に住んでいた頃の話である。


高校の近くに大きな川が流れていた。


夏になると、よくその河原で料理をして楽しむ家族がいて、


釣りも出来る事から、休みの日には釣りをする人たちがよく来る場所でもあった。


ところが、ある日、そこに来た子供が、男の人の霊を見たという事で話題となった。


その子以外にも高校生が数人見ていて、


その霊がその高校の先生にとてもよく似ていたというからだった。


しかも、その先生は死んではいないのである。つまり、生霊なのである。


私も当時、だいぶたってからその先生の霊を見たくて、その河原に行った事がある。


しかし、残念ながら、私はその霊に会う事は出来なかった。


時間帯が悪かったか、相性が悪かったか、もう消えてしまったのかもしれない。


場所は、川が少しカーブしている所で、川幅よりも2倍ほど広い河原が広がっている所である。


しかし、その河原もそのカーブの箇所から無くなり、川だけになる。そんな場所だった。


当時、その先生はもう高校には在籍していなかった。


その霊を見た高校生の人たちが、その霊がその高校の先生に似ていたと言ったのは、


その目撃した霊の容姿が、ただその先生に似ていたという理由からではなかった。


私も話では聞いていたが、実際に、こういう話を目のあたりにして


「ああ、やっぱりこういう場合も、人は生霊になるんだ」と思ったものである。











































その高校の先生には、二人の娘さんがいた。


ある休みの日に、先生は家族でこの河原に来ていた。




5歳になる次女は、


お父さんに買ってもらったばかりのサンダルを履けると、とても喜んでいたという。



おにぎりやサンドイッチ等の昼食を食べ終え、


先生と奥さんが、一休みしている時だった。







「キャー!」という娘の声がした。






「ん?なんだろう。」と体を起こすと、


長女が飛んできて、妹が流されたという。







「えっ?」と、川の方を見ると、子供が流されるのがチラッと見えた。



先生はすぐに走って川の方に行くが、


ゴロゴロした石の河原では、早く走れない。





遠くから見ていた人の話では、


先生は素足だったので、川の石の上でつるっと滑り、


川の中に前のめりになって倒れてしまい、


その間に子供は深みに入り見えなくなってしまった様だったという。








その後の話から、


5歳の次女は、脱げた片方のサンダルを追って、


川の奥の方に入ってしまったらしい。





先生と奥さんが、懸命に川に飛び込んで探したが、見つからなかったという。




やがて、


救急車とパトカーが来て、捜索が開始されたが、


2時間後位に、そこよりもだいぶ先の川底で見つかったという。









とても痛ましい事故である。








しかし、


先生にとっては、


事故では済まされない気持ちだったのだろう。




なぜ、娘にサンダルなんて買ってしまったのだろう。


なぜ、娘を助けられなかったのか


なぜ、あの時自分は靴を脱いでしまっていたのか


なぜ、川原で昼寝などしてしまったのか、




それは、まるで


自分が娘を殺したかのように、自分を責めて泣いていたという。







その後、


先生は学校を辞めて、引っ越していった。


娘の命を奪った川が見える学校では働けなかったのだろう。




しかし、


そんな後悔の気持ちが、強くこの場所に、


先生の念を、非常に強く残しているのであろう。



そして、その自分を責める罪悪感が生霊となって、




パパぁ、サンダルありがとう」という娘の笑顔を忘れられずに、





今も時々、


娘さんを探しに、河原に来ているのかもしれない。




一緒に、家に帰ろうね」と。