●見えない家系図



このお話は、一昨日のブログ(●17歳で死ぬ家系)の続きです。



従って、一昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11212815854.html



を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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善は急げで、翌日行く約束をした。


私は大宮の駅で奥さんと待ち合わせ、


まず、彼女の実家に伺う事にした。





彼女のお母さんが、まだご健在で暮らしている。


上の家系図には表れていない何かがあるかお話を聞く為である。


とりあえず、私は彼女のパート先の上司という設定で伺う事にした。







奥さんの実家は浦和市にあった。





あまりの豪邸に、私も驚いた。


鉄筋3階建ての家と、どこまでもありそうな外壁。


門を入ると、またでかい庭が広がっていた。


曾お爺さんは、会社社長だったそうである。





長男が大阪に支店を出したので、


そんな豪邸に彼女の父親が婿養子に入ったという。


漫画サザエさんの言う所の「マスオさん」だったようだ。






私達は、挨拶も早々にして、


御祖母さんに色々と話を聞いた。





御祖母さんが知る限りでいいので、


過去の家系か、知り合いかで、


17才で亡くなった人はいないか?


若くして夏に亡くなった人はいないか?


怨まれている事はないか?



という質問が主だった。





しかし、


特にそのような心当たりは無いという。








彼女を前にして、ウソを付いている感じはしなかった。



歳をとっても分る、上品でウソのつけないお嬢様という感じのおばあさんだった。




残念ながら、何も手がかりが掴めなかった。





きっと、読者の方は、


もっと粘って、


御祖母さんから隠れた話を聞き出した方が良いと思われるかもしれない。




しかし、


この様に、会社で大成功を収め、


大豪邸を建てて、大金持ちになった家系の過去を調べても、


悪い因縁が無い事が多い。




逆に言えば、


悪い因縁が無いから大成功したと、言えないでもない。



ここに来て、話を聞いて、


もうここに居ても無駄だと感じた。







あと、


もう1人会いたかった人がいた。




それは奥さんのお姉さんの息子さんである。



彼はこの問題の家系で、唯一17才で死ななかった男子である。




そのお姉さんも浦和に父親に買ってもらった一軒家に、


離婚後も住んでいるという事だった。




しかし、電話してもらうと、


息子さんは野球部の遠征で、帰宅は明後日になるという事だった。







どうして彼だけが生き残ったのか、非常に気になる事だったし、


またその理由が分れば、


この呪いから逃れる術が、見つかるのかもしれないと思ったのだが残念だ。






折角大宮まで来たのに、収穫は0(ゼロ)だった。



またしても、何もそれらしい原因が分らず、


ここで行き詰ってしまった。






実家までお邪魔して、新しく分った事と言えば、


実家はかなりのお金持ちだという事。


●彼女のお父さん(祖父)は婿養子だった事。




それだけだった。





17才の男子が3人死んでいる。


もしこれが因縁なら、相当なものだ!


調べれて聞けば、すぐに分ると思ったが、


そう甘くなかったようである。










私達は、とりあえず喫茶店に入ってもう一度検討する時間を頂いた。



何か見落としている事は無いだろうか。


あれだけ考えたのだから、無いはずだったが、


このままギブアップは個人的に悔しかっただけだった。





軽く食事を取りながら、もう一度あの家系図を眺めた。




曽祖父=曾祖母 曽祖父=曾祖母  
(死)│(死) (死)│(死)        
   │       │
 │──│  │───────│     
 │   │  │    │     │ 
次男  祖父=祖母  次女  長男
(85)  (死)│   (死) (死78才で)
      │
  │────────│

リコン│  │  │    │
夫=姉  兄  弟  母=父
 │ (17死)(17死)  │
 │            │    
 │       │─────│
長男(19才)  │  │    │       
         姉  兄  次男(17歳)
          (17で死





すると、


ある事に気が付いた。




それは、


おじいさん(祖父)はもう亡くなっているのだが、


祖父さんの弟さんが、85歳でまだ生きているではないか!




無駄かもしれないが、


息子さんの命がかかっているかもしれない事だ。


無駄でもいいから話を聞いてみるべきではないだろうか。



奥さんは、「家の昔の年賀状があると思います」


私達は一度家に寄って、住所の入った年賀状を手すると、


直ぐにその祖父さんの弟さんの家に向かった。










弟さんは、ちょっと大都市から離れた所に住まわれていた。


極普通の一軒家だったが、


相当古く、築40年と言ったところだろうか。


さっき豪邸を見て来たので、やけに貧弱に見えた。



えらい違いである。


お兄さんが、婿養子にいったのもうなずける。






そのご自宅では、老夫婦で住まわれていた。


「おじさん、お久しぶり」奥さんが挨拶した。


「電話をもらったけど、急にどうしたの?」


「ちょっと聞きたい事があって・・・」


「まあ、どうぞあがって。」






早速おじさんにも、


これまでの事情を説明してから、


祖母にした質問と同じ事を聞いた。





過去の家系か、知り合いかで、


17才で亡くなった人はいないか?


若くして夏に亡くなった人はいないか?





おじさんは、「う~ん」と目をつぶって考えてくれた。




そして、











「いないなぁ、 


 ワシの知っている限り、そんな記憶は無いよ。」










いないのかぁ!! 残念。











私は念の為に、


もう1つの質問もしてみた。







「失礼ですが、


 誰かに怨まれるような過去は無かったでしょうか?」





おじさんは、その質問には何も答えなかった。







まあ、


誰でも怨まれている様な事は話したがらない。









しかし、しばらくして、



おじさんは、ポツリと一言いった。






「それを聞いて、どうするんだい?」



私はすかさず彼に言った。



「もし怨んでいる様な人が、過去にいるのであれば教えて下さい。


 その人達をこれから心を込めてご供養してあげたいのです。」





すると、


おじさんは、ある衝撃的な話をし始めたのである。







それは亡くなった彼の兄の事だった。



つまり奥さんのお父さん(亡き祖父)の話だったのである。










兄は昔からハンサムでモテたという。



学生時代から同級生の中でも


一番の美人だった、よしこちゃんと付き合っていたという。



高校を卒業した時、兄は大学に進みたい親にいいました。





しかし、


内は貧乏だったので、


親は大学はあきらめるように兄に言いました。






でも、兄は大学に進学したのです。


その学費はよしこちゃんが、働いて稼いだといいいます。




将来結婚の約束もしていたようでした。




よしこちゃんは、


自分の服も買わず兄の服も自分で作っていたようでした。





ところが、兄が大学4年の時、


兄はあるパーティで知り合った


大企業の令嬢と恋仲になってしまったのです。



兄はよしこちゃんとは会わなくなり、主に令嬢と付き合うようになり、




その令嬢と結婚を決めるまでに至ったのです。





しかし、その時、



よしこちゃんのお腹の中に兄の子供がいるのが分ったのです。




兄は「それは自分の子供じゃない。」と一点張りで、


ただただ「おろせ!」と言うだけだったといいます。








その後、


兄は婿養子として結婚。


よしこちゃんは、1人で子供を育てたようです。










それから風の便りで、


よしこちゃんが男の子を産んで、


公園で、野球のキャッチボールを母子でしてたという話を聞きました。








でも、子供が高校生になった時、


難病にかかったとかで、入院されたようでした。










やがて、


よっぽどお金に困ったのでしょう。


よしこちゃんは兄の所にお金を借りにいったのです




「どうか息子を助けて下さい。


 どうかどうか息子を助けて下さい。


 貴方には迷惑はかけませんから、お金を・・・


 手術代と入院費だけでも貸してください。お願いします」





よしこちゃんは、兄に土下座して頼んだようです。







しかし、


兄も婿養子の手前もあったのでしょう。



「そんな子供は私とは関係ない子だ。」



そう言って、追い返したようです。







それから何ヶ月後だったある夏の日


息子が痛がるのが可哀想で見てられないといって、



よしこちゃんは、息子と無理心中したのです。






「そ、それだ!!!」 



私は直感的に、それが原因だと感じた。



「その息子さんは何歳だったか分りますか?」


「いや、それはちょっと分らないなぁ」




「そうですか」



しかし、これに間違いないだろうと思った。



その息子さんは高校生で亡くなっている、


17才だった可能性は十分だった。




そこには、図には表れない、見えない家系図があったのだ!











私達は、弟さんからその無理心中された女性の名前を、


学校のアルバムから教えてもらった。


しかし、


彼女の住所や墓の場所、息子さんの名前は調べたが分らなかった。



出来れば墓参りしたかったのだが、仕方が無い。










奥さんの自宅に帰ると、



早速、仏壇とはちょっと離れた別の場所に、小さいテーブルを置き、


亡くなった女性の名前とその息子さんと、短冊に筆で書き、


お線香とお水、そして果物とお菓子とご飯を供えた。




「どうか安らかに成仏して下さい。


 そして今度は幸せな来世に生まれ変わって下さい。


 今日から息子が18歳になるまでご供養したいしますので、


 息子をお守りください。お願いいたします。」



と、心を込めて供養してあげて下さい。


息子さんにも、毎日お線香をあげて供養してあげるように言った。




「供養は、いつまでやればよろしいでしょうか?」


「息子さんが18歳になるまでやってください!


 そして、出来れば、


 その後も彼女達の月命日には供養してあげてください。」




その後、彼は何事も無く18歳を迎えた。


今は、立派な社会人である。







最後に、


私の心に1つだけ引っかかっていた謎を、


自分なりに理解しようとしてみた。










そのとは、



なぜ、この家系の中で17才で死ななかった男子が1人いたかのか?である。






私が思うに、


それは、もしかしたら、





怨みの中にも、


多少人情は残っていたのかもしれない。と思った。








上の家系図にも小さく書いてあるが、


1人生き残った息子さんの家は、


夫に女が出来て、離婚された母子家庭だった。







そして、


無理心中した時の息子さんも野球が好きだったという。







そんな家庭の息子さんを、奪う事は出来なかったのかもしれない。




「私は無理心中を選んでしまいました。


 でも、貴方は頑張って生きてくださいね。」




「息子にも、もっといっぱい、いっぱい


 野球をさせてあげたかったな」