●キャンプの幽霊




家族でキャンプに行ったという奥さんから、


幽霊を見たという相談の電話があった。






事は週末。


彼女の家族4人で、ある河川敷でのキャンプに行ったという。





長男がボーイスカウトに入っているので、


習ったばかりの飯ごうの実践を兼ねて、


テントを作り、外で一泊するというものだったという。





大きな川の河川敷に着くと、駐車料金込みのお金を払い、


さっそくテントの位置を確保。



お父さんは火種作り、


お母さんはカレー作り。


長男はご飯作り、


次男はマキ集めなど、作業を分担したという。




ルールは、ゴミを捨てていかない。後片付けをする。


夜10時以降の花火は禁止。などだったという。




その後、意外と美味しいカレーが出来て、


最後にゴミを燃している時に、それは現れたという。






ゴミを燃やしている炉を、家族で囲んでいる時、


炎の中に、


夫の親戚の男性がポッと現れたのだという。


それは、炎の丁度上辺りに顔らしきものの幽霊だったという。





なぜ、夫の親戚の男性だと思ったかというと、


1ヶ月ほど前に、


その男性が火事で亡くなっていたからであった。





その幽霊を見たのは、奥さんと次男だったという。



夫は、「それはきっと、火事で亡くなった、親戚の彼だ!」


と言い出し、


その場で全員で合掌したという。





すぐ消えて見えなくなったそうだが、





「霊は何を言いたかったのでしょうか?」




そんな相談でした。















「その後、テントで寝たのですね?」



「はい。」



「それからは、夜中とか何か霊を見ましたか?」



「いえ、また出るんじゃないかと思ってなかなか寝られなかったんですが、


 結局、幽霊は出ませんでした。」




「子供さんも見なかったのですね?」


「はい」



「見た幽霊は、何か言いましたか?」



「いえ、出ただけです」







私は少し考えてから、




「今となっては、霊が何をいいたかったは分りませんが、


 絶対とは言えませんが、


 火事で亡くなった親戚の方の霊では無いような気がします」






「えっ、それは何で分るんですか?」







「実は、霊って最後の瞬間って結構覚えているもので、


 例えば、


 雪が降っている中で、凍え死んだ人は、


 幽霊で出る時は、雪が降っていない


 比較的温かい時に出る場合が多いんです。



 そして、


 その親戚の方の様に、火事で亡くなった人は、


 火を嫌うので、


 比較的涼しい所に出るのが普通なんですよ。



 だから、



 キャンプの火の中に出るという事は無いような気がします」






「はぁ、そうなんですか」





「そんな炎の中に出るというは、


 もしかしたら、


 昔その川で、


 冷たい水の中で亡くなった人かもしれませんねぇ。」





「どうしたらいいですか?」





「多分、大丈夫ですよ。



 その場で、全員で合掌したのが良かったんだと思いますよ。


 逆に、その霊を親戚の方と思ったのが良かったのかもしれませんね。」




「はい。良かったです。


 ありがとうございました。」