●一番良い天国へのおみやげ



このお話は、昨日のブログ(モデルの妻を亡くした男)の続きです。


従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11173698306.html




を先にお読みください。

そしてから下をお読み下さい。
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私がお世話になっている会社の社員の妻が、突然脳軟化症で亡くなった。


亡くなった奥様は、元モデルでとても綺麗な人だったという。


結婚した後も、不定期的に読者モデルをしていて、生前とても帽子が好きだった方で、


帽子のコレクションも100個以上あり、


よく会社のパーティにもインパクトのある帽子を被ってきて、パーティに花を添えていたという。


そんな奥様が亡くなった彼のショックは計り知れなかった。


その社員には、小学生の娘さんが1人いるのだが、


昨日、家に電話するとその娘さんが出てきて、最近父親が元気がなく、


食事もあまりとらないという。


それよりも「母さんは夢に出て来て怒ったか?」と訳の分らない事を言うのだというのだ。


そこで、上司が彼の家に行く事になり、ついては、私も同行を頼まれたのであった。


車はその竹田さんの家の前に着いた。




































それは、2階建ての感じのいいピンクの家だった。


駐車場は1台分しか無かったので、私達はなるべく家の方に車を寄せて停めた。



太陽が降り注ぐ庭に、お花畑があり、


家の中からトイプードルらしき犬がこっちを覗いてる。






上司の方が、家のベルを鳴らした。


すると、直ぐに、


ドアが開き、竹田さんらしき男の人が、


恐縮そうに、お辞儀しながら走ってきた。




「ご迷惑をおかけしてもしわけありません。


 わざわざ来て頂きましてすみません。」


と何度も上司の方にお辞儀した。




「大丈夫かぁ?」


「はい。すみません。」



私はとりあえずまず、


「この度はご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げます」


と深く頭を下げた。


軽く自己紹介をすると、竹田さんの家にお邪魔した。







居間に通された私は、挨拶も早々にして、


竹田さんに、



「亡くなった奥様は、どんな風に夢に出て来られたのですか?」


と一番関心のある部分をずばり聞いてみた。







すると、


「最初は妻が泣いている夢を見たのですが、


 最近は妻が怒っている夢を見るのです」という。  




「奥様が泣いて夢に出てきたのは、いつの事ですか?」


「御通夜の日です」


「では、奥様はいつから怒って出るようになったのでしょうか?」


「もう火葬後からずっとです」


「じゃあ、泣いて出てのは御通夜の日だけですか?」


「はい」




「泣いていたのは別れを惜しんでの涙だと思いますが、


 普段あまり怒らない妻が、なぜ怒って夢に出るのか・・・


 それが悲しくて、何も手につかないのです。


 妻が望む事なら何でもしてあげたいのですが・・・」








この時点で、私が思ったのは、


確かに夫や子供との別れは悲しいものである。



しかし、


霊になるととても冷静になる。


意味無く泣くとは思えない。


きっと、何か訴えいたのではないだろうか?





「あのう、棺に、


 貴方と娘さんの写真は入れてあげましたか?」



「いえ、入れてません」



「そうですか、


 じゃあ、もしかしたら、それかもしれませんね」



「写真を入れた方が良かったのですか?」



「はい。


 極端な例だと、


 夢の中で、家族でオーストラリアに行って時の写真を入れてと


 訴えて来たと相談に見えて方もいました。


 家族の写真は、一番の天国へのおみやげなんですよ」



「でも、もう火葬してしまいました。


 棺に入れる事が出来ませんでした。


 もっと早く知っていれば良かったのですが・・・」



「いや、方法はあります。」





私は奥さんの墓の様子を聞いてから、ある方法を提案した。



●まず、B5位の紙を一枚を用意します。


●次に家族の写真を1枚用意します。


●B5の紙を半分に折り、その間に写真を入れます。


●それをビニール袋に入れて閉じます。


●最後にそれを納骨される時に、骨壷の下に敷いて下さい。



(納骨後で墓が簡単に開けられないという人は、

 命日に写真をお墓の前で燃やしてあげて、その灰を

 墓の近くの土に埋めてあげると良い。

 また、命日が過ぎたばかりだという場合、

 ビニールに入れたものを墓の横の土の部分に埋めてあげてもいい)




「はい、その様にします」


「あっ、それから、


 奥様は犬を可愛がっていましたか?」



「はい、とても可愛がっていました。


 妻が連れてきた犬ですから


 よく犬とキスまでしてました」




そう言うと、竹田さんはあのトイプードルを呼んだ。



「テギョン! テギョン!」


すると、さっきのトイプードルらしき犬が、


居間のちょっとしたドアの隙間に鼻をつっこんで、


自分でドアを勢いよく開けて入ってきた。




「ようし、テギョン!いい子だ。」



「変わった名前だね。」と上司。



「はい。妻と娘はこの名前の意味を知っているようなんですが、


 私には教えてくれないのですよ。


 どんな意味か分りますか?


 娘からは何とか、


 ヒントはファン・テギョン とまでは聞き出したのですが・・・」





「なんでしょうかねぇ、


 テギョンのファンですって言う意味ですかねぇ」



いい年の男3人が集まって考えても、それ以上の答えは思いつかなかった。






「まあ、それはいいとして、


 話がそれましたが、


 それじゃあ、そのテギョンちゃんの写真も一緒に入れてあげてください。」




「えっ、犬の写真も入れていいんですか?」



「いや、人によっては、


 夫の写真などどうでもいいから、


 犬の写真を入れてと夢で訴えて来る場合もあるんですよ。


 あっ、失敬、


 もちろん、貴方の場合は違いますが・・・」





「そうですか、それじゃ是非この子の写真も入れてあげます」





1つ解決した雰囲気だったが、まだ何かひっかかった。


それは、火葬後は怒った姿で夢に出たという変貌ぶりである。


ただ、写真以外の事は考えつかなかった。






すると、上司の方が、


「とりあえず、まず奥様にお線香をあげさせてもらいましょうか?」と言った。


一同、仏壇のある畳の部屋に行く事に。






そして、この畳の部屋を開けた途端に、


全ての謎が解ける事となるのである。










竹田さんが、畳の部屋の襖(ふすま)を開けた時、


私はつい、心の中で叫んでしまった。










「な、  なんだこの部屋!」









最終話は、明日のブログに続く。