●決別の白い菊



このお話は、昨日のブログ(●首吊り死体の呪縛)の続きです。



従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11157555003.html




を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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あるOLの方が相談にこられた。


それは彼女がいつものように、朝会社に通勤する時に起こった。


ちょっとでも早く駅に着く為に、公園を突っ切って行く事にした時である。


ふと、大きな木が揺れているのが見えた。


段々近づくにつれて、その揺れているものが木ではなく、


それが首吊りした人間だと分ったのである。


彼女はその場で腰を抜かし、しばらく声も出なかった。


ゆらゆらと揺れながら、彼女を上から見つめていたという。


もじどおり、彼女が第一発見者となってしまい警察の事情聴取をされた。


首吊り自殺した人は、近くの工場の社長だった事が分ったという。


それからいつもの公園を通れなくなったのは当然だが、


道端の普通の木を見ても、ちょっと揺れると首吊り死体を思い出し、


会社で仕事をしている最中にも、


ふとあの首吊り死体が頭をよぎるようになると言う。


家に帰ってきても、あの首吊り死体が後ろから見ているのではないか。


窓からのぞいているのではないか。


何か、自分が責められているように感じるようになったという。


あの時、警察が来るまでほっとかないで、


自分が降ろしてやれば助かったのではないか。とか、


腰を抜かしていないで直ぐに警察に電話していたら、助かったのではないか。


そんな風に、自分を責めてしまう事があるという。


そして、時々その首吊り死体が夢の中にも出てくるのだという。


「先生、あの死体がいつも頭から離れないんです。


 きっと、私を責めているのでしょうね。


 どうして私に付きまとっているのでしょうか?」


そういって彼女は私に助けを求めた。






































 




まず、彼女に聞いたのは下記の3点である。


●夢に出てきた首吊り死体は何か言っていましたか?


「いえ、ただ私を見ているだけでした」


●首吊り死体の人が、後ろから見ている気がするとか、


 窓から覗いている感じがするという事ですが、


 実際にその幽霊を目撃した事はありますか?


「いえ、無いです」


●最近、急にお金に執着したり、ケチになったり


 何か会社が潰れるという心配をした事をありますか?


「特に変わらないと思います


 会社が潰れるって、何ですか?」




「貴方に、首吊り死体の人は付きまとって無いと思いますよ


 その霊も貴方の前に現れていないし、
 
 またもし、憑依とかされていると、


 首吊り自殺した人は、会社経営の金策で困って亡くなった事から


 急にお金に執着したり、ケチになったり、


 なんか分らないけど会社を心配しだしりする事があるのですが、


 貴方には無いようです。


 日頃事件の事を頻繁に考えていると、夢にも出てしまうものです。


 だから夢に出たからといっても、


 その霊がつきまとっている訳ではないのです」






彼女は少し安心した様だった。





とはいえ、


まだ問題は残っている。





人はショックな場面に出会うと、


その場面が忘れられず、


繰り返し繰り返し、その時の場面を思い出してしまう傾向がある。


それに加え、


彼女の場合、


すぐに助けてやればという罪悪感も追い討ちをかけていた。




そんな彼女に、


もう1つ、安心させる言葉をかけた。



「あと、第一発見者って、霊から感謝される場合の方が多いんですよ」


「そうなんですか?」


「そうですよ。


 発見してくれてありがとうって、


 貴方のお陰で、寒い中ずっとここに居なくてすみました。


 正直、首も痛かったんです。って」



「そうですか」


「それに貴方が発見した時は、もう手遅れでした。


 自分を責める必要はありませんよ」



「どして分りますか?」


「もし、貴方に落ち度なり、


 助けてあげなかったという罪があったら、


 その後、幽霊になって出て来て責める言葉を言ったり、


 夢の中で貴方を責める言葉を言ったりするものです。


 でもそれがありません。」



「ああ、」





最後に、彼女にこうアドバイスした。





つらいかもしれませんが、


出来れば、もう一度だけ


あの公園に行って、


亡くなった人の所に、


牛乳瓶か何かに水を入れ、


そこに白い菊の花を3本刺し、


土の上に1本お線香をあげて祈ってあげてください。




「苦しかったでしょ、


 どうか早く成仏して、


 今度は幸せな人生を歩む人に生まれ変わって下さいね」




彼女は勇気を振り絞って、やってみると言った。


(どうしてもその現場に行けない人は、
 自宅のタンスの上とかにお盆を置き、そこに水、
 花、お線香、そして短冊に○○公園で亡くなった霊と書き飾り
 1週間供養してあげてください。複数いる場合、

1人に1本のお線香を。これは誰々の分と声をだしてやってみて。)



つらいだろうが、


もう一度ちゃんと対面して供養する事で、


乗り越えられるケースである。







また、白い菊は、決別を表わす。


目の前で死ぬ所や、死体を見てそれが忘れられないという人は、


この供養をしてあげる事によって、


段々と、その時の場面と決別でき、忘れていくのである。


きっと、彼女も段々と忘れて、新しい道を再び歩き始めるだろう。






人は辛い経験をする事はある。


しかし、その分、


経験していない人よりも強くなる。





あの時のつらさと比べれば、


今のつらさなど何でも無いと。




彼女もこれを乗り越えれば、


ちょっとやそっとじゃ動じない強さを身につけるかもしれない。


ぜひ頑張って欲しい。