●死の予定表
このお話は、昨日のブログ(●嫌な予感)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11119114886.html )
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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ショートボブといった髪型のOL風の女性がみえ、こう言った。
私、霊感が強いんですが、それが怖いんです。
彼女は、産まれる時、相当難産で産まれ、
呼吸もまばらで、死ぬ寸前だったという。
やがて、小学生に育った頃から、自分が見る夢が、
普通の人と違う時があると気がついたというのです。
それは、急に胸騒ぎにして、
落ち着きがなくなる事から始まるといいます。
何か気持ちが落ち着かない、部屋の中に居たくない、
そして、その夜、夢を見るのです。
そして、決まってその夢に出てくるものが死ぬのです。
始めは、飼っている小鳥、そして愛犬。
しかし、中学生の時、夢の中に父親が・・・
そして夢を見てから2週間後、
父親は交通事故で亡くなったのでした。
そんな彼女が、なぜ今、私の所に来たか。
それは、
社会人になるまで久しくなかった、あの恐ろしい胸騒ぎが、
8年ぶりやって来たのです。
夢の中に彼女の母親が・・・・
彼女は言います。
母までも失ったら、もう、どうしていいか、
「どうか、助けてください!」
落ち着いて下さい。
まず、
「貴方が、お母様の夢を見てから何日が経っているのですか?」
「4日です。」
「4日経っているのですね。
ちなみに、お母様は健康な人ですか?」
「はい。
今年健康診断しても悪い所は一切無く、元気そのものです。」
「そうですか、それは良かった。
では、
ちょっとお聞きしますが、
過去に、
貴方だけが事故でも助かったとか、
軽傷ですんだとか、
危機一髪で事故に遭わないですんだとか、
軽傷ですんだとか、
そんな事をありましたか?」
「はい、2度ほどあります。
道を歩いていて、急に転んで道路の真ん中にころげたんですが、
あと10cmという所で車が奇跡的に止まって無事だった事があります。
でも、それが何か関係あるんでしょうか?」
「実は、
予言とか、予感がするっていうのと、
胸騒ぎとには違いがあるんです。
予言とか、事故が起きる予感がするというものは、
ある程度その人自身の能力が、
未来を予測している部分があるのですが、
何が起きるのか分らないという胸騒ぎは、
貴方の守護霊とか、先祖霊による知らせなのです。
でも、
誰でもそんな知らせが受け取れる訳ではありません。
そんな人は、
今まで守ってもらった様な前兆があるのが普通です。
そして貴方には、前兆があったという。
つまり、
貴方の胸騒ぎは本物の可能性があると判断できるわけです。」
私は続けて質問した。
「今現在、何か良い結果がでるかもしれない出来事があるとか、
待ち望んでいる事とかありますか?」
彼女は少し考えてから、
「いえ、特に待ち望んでいる事とかはありません。
何か関係あるんですか?」
「実は、胸騒ぎって2種類あるんです。
それは、
これから良い事が起きる胸騒ぎと、
これから悪い事が起きる胸騒ぎです。
そして、
たいてい良い事が起きる胸騒ぎとは、
何か良い期待がなにかしらあるものです。
例えば、
就職試験中で、返事待ちとか、
宝くじを買ってあって、その当選待ちとか
、
親族が妊娠中で、出産待ちとか、
でも、
そんな良い予定が先に考えられない時、
その胸騒ぎは、悪い結果の前兆の可能性が高い。」
「えっ、嫌だぁ」
「では、まず、
ベタな方法ですが、
意外と効き目があるのが、
死の予定表を変える事です。」
「ええっ、死の予定表って?」
「貴方が見た夢が悪い方に実現するとするならば、
きっと、4日前に貴方が夢を見た時、
夢に出た人の死の予定表もその時に決まる時があります。
つまり、
4日前時点で、決まっていたお母様の未来の予定を変えるのです。」
「えっ、どういう事でしょうか?」
「電話でお母様の外出予定を聞いてみてください。」
「はい。」
彼女は電話ですぐに、母親の今後の予定を聞いてメモした。
私はそのメモを見て、
「この中で、
4日前以前から決まっていた予定をすべてキャンセルする事をです。
お母様に聞いて、
それぞれの予定がいつから決まっているのか聞いてください。」
そのメモを見ながら、
これから3週間、
買い物は貴方が会社の帰りにして、
いつもの買い物へは行かない事です。
それから、これから3週間、
1人で家に居る時は、訪問客はすべて居留守してください。
毎週の俳句のお稽古も3回休む。
あと来週の友人との温泉旅行も次の月に延ばすかキャンセルにする。
「あのう、来週の父の墓参りは行くと言うと思いますが・・」
「では、その予定を変更して、前日に行く事です。」
さっそく彼女は、今夜の買い物もしないようにと母親に電話した。
「あと、お母様は、いつもどこで寝ていますか?」
「1階の自分の部屋です。」
「貴方の部屋は2人寝られますか?」
「はい。床に布団をしけば・・」
「では念のために、
いつも寝ているという場所を3週間だけ変えて下さい。」
「はい。」
次に、
「念のために、
鏡を2つ、何でもいいでから、
10cm位の小さいものでもいいから、100円ショップで買って、
ベランダと玄関に飾ってみてください。
鏡の置き方は、外から入って来る人がその鏡に写る感じに設置します。」
「はい。」
「さて、
ここからが一番大切な事です。」
「はい。」
「貴方とお母様、ふたりで仏壇とご先祖様に、お願いする事です。
それぞれ違う言葉でお願いします。
まず、お母様は、
「どうか、お守りください。」とお願いし、
貴方は、
「ご先祖様、どうか私の胸騒ぎが悪い結果を起こさないように
お力をおかし下さい。お願いします。」
それを3週間毎日、
仏壇に水とお茶、ご飯、花、お線香をあげて祈ってください。
そして、1回、ご先祖様に墓参りしてお墓の前でもそう祈ってください。」
すると、
そこに新たな問題が持ち上がった。
それは、
ご先祖様のお墓が九州にあるというのだ。
「九州?
行くとなると2日がかりですね。」
千葉から九州となると費用も安くない。
しかも絶対起こるとも言えない事に、2日がかり墓参りを勧める事もできない。
「では、こうしてください。
方位磁石を100円ショップで買って、地図で九州のお墓の方向を調べてください。
家の中からお祈りする時に、
そのお墓の方の窓を開けて、
お水、お茶、お花を供えて、お線香をあげ、お祈りしてください。」
彼女は私が言った全ての事をやると約束して帰っていった。
彼女には言わなかったが、
何かが起こるんじゃないかと、
心配し過ぎるのも念のうちなのである。
昔、こんな例があった。
私の父の会社の部下で、
たいへん飛行機嫌いな人がいた。
「あんな鉄の塊が空を飛ぶはずがない。」と。
しかし、そんな彼に、
どうしても東南アジアに行かなければならない事情ができた。
彼は終始「嫌だぁ、嫌だぁ」と言い、
「絶対落ちる、飛行なんて絶対危ない」と言い続けた。
もちろん周りの人は、
「飛行機なんて車より安全だから、落ちる訳が無い」と説得した。
結局仕事なので、嫌々ながらも彼は飛行機に乗った。
彼は飛行に乗り込む時も、
「飛行機なんて絶対落ちる」と言い続けた。
そして、実際にその飛行機は落ちたのである。
新聞にも乗った事件であったが、
マレーシアの飛行場を出た直後に墜落。
幸い、ゴムの木がクッションになり、
彼を含め大半の人は無傷で助かった。
また、何かの発表会やフィギュアスケートなどでも、
失敗するかも、
失敗するかもと思いながらやっていると、
本当にトチッタリするのである。
それよりも何も考えないで、
失敗してもいいから、楽しもうと思う事である。
だから、今回の彼女にも、
これだけやれば心配ない、
これだけやれば何も起きないと言い聞かせ、
自分でもそう信じるように言った。
自分が思いつく心配事を、
自分自身で実現させない為である。
あれから3年半が過ぎた今、
彼女の母親は、
生きている。