●夢の中のダンス
このお話は、昨日のブログ(●運動会の幽霊)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11117546122.html )
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ある女子中学生からの電話相談でした。
運動会になると、女の子の幽霊が出るというのです。
それは、運動会当日だけではなく、
それ以前の、運動会の練習をする日から出始めるそうです。
例えば、ダンスの時、友達の隣にもう一人知らない女の子が立っていたり、
器械体操の時に、なかなか動かない女の子がいて、
注意すると、消えたりするそうです。
去年の運動会の練習の日にも隣のクラスの女の子3・4人が、
その女の子の幽霊を見たと言って話題になったのだと言う。
それで電話の彼女は、運動会の練習日を含めて、
すべて病欠しようか悩んでいるのだという。
そんな電話相談でした。
「幽霊は怖い?」
「えっ? 絶対怖い!!」
「なんで怖いの?」
「だって、とり憑かれたり、
首絞められたりするってマンガにあったし・・」
「なるほど、
でもね。
幽霊でも、
大勢の人の前に出てきたり、
何人もの人に目撃される霊って、
ただ出るだけで、人に悪さしない霊がほとんどなんだよ。」
「ええーウソ!!どしてぇ?」
「霊って、出るだけでも相当なエネルギーが必要なんだよね。
だから、
人を恨んだり憎んだり、復讐する霊は、
人に見えるように出て、無駄なエネルギーを使ったりしない。
いきなりそのエネルギーを復讐に向けるわけ、
沢山の目撃情報があるという事は、
復讐とか、とり憑くのが目的じゃなくて、
目撃される事自体が目的な場合が多いんだよね。
また、
大勢の人の前に現れる霊って、
楽しい所が好きとか、みんなと一緒に居たいとか、
明るい霊が多いんだよ。
人にとり憑く霊ならば、
そんな沢山の人が居る所であれば、
みんなに見られる前にもう誰かにとり憑いているから、
つまり、
人が大勢いて、何人もの人が目撃した様な霊は、
無害な場合がほとんどだと思うな。」
「そうなんだ。」
「だから、全然怖がる必要ないと思うよ。
多分、
みんなが楽しそうに運動会をしているのを
見に来てるんじゃないかな。」
最後に、こんな話をした。
これは、ある体育教師の方から聞いた話だけど、
ある小学校に、
好子ちゃんという4年生の女の子がいたんだ。
体育だけが大好き、大好きで、
いつも、好子ちゃんだけが、
教えてくれる先生のお手伝いをかってでてくれました。
ある日、先生が、
「どして、お前だけ、後片付けを手伝ってくれるんだ?」
と聞くと、
「だって、私、
勉強は出来ないけど、体育は大好きなんです。
だから、用具にもありがとうって、
感謝してお片づけもしてあげなくちゃ。」
「そうかぁ」
「先生、私、ダンサーになりたいんです。」
と、そう言うのでした。
やがて、
好子ちゃんが一番楽しみにしているという
運動会が、ま近かに迫って来ました。
その中でもみんなで踊るダンスがとても楽しみでした。
ところが、ある日、
肩が痛いと言い出しました。
病院で検査すると、
骨肉腫と判断されたのです。
骨肉腫とは、骨のガンです。
好子ちゃんのは普通の骨肉腫ではなく、
続発性悪性骨腫瘍という難しい名前だったようで、
他の臓器のガンが骨に転移したもののようでした。
以前から微熱に悩んでいたものの、
頑張り屋の好子ちゃんは無理して頑張っていたのが裏目に出てしまいました。
余命1ヶ月と医者から言われた両親は、
とても好子ちゃんには言えませんでした。
ただ、見舞いに来られた体育の先生には、
泣いている所を見られてしまい、状況を話しました。
先生も、とても信じられないという顔で、
黙って帰っていかれました。
翌日、
好子ちゃんが、今月の運動会には出られないという事を、
聞かされてがっかりしていると、
そこへ先生が見舞いにやってきました。
「先生、私、検査入院で運動会に出ちゃダメだって。」
ご両親は、泣きそうになり、
部屋を出ていかれました。
「私、あんなにダンス練習したのに、
踊りたかったなぁ。」と残念がりました。
すると、それを聞いた体育の先生は、
ウソをつきました。
「大丈夫だ、ダンスだけ年明けに持ち越したんだ。
だから、
そこで、みんなでお前が好きな浜崎あゆみの曲踊ってみないか?
「ホントにぃ?」
「ああ、ホントだ
だから、お前も体早く治して、出るんだぞ!
2ヶ月後に、みんなで踊るんだから!」
その後も先生は、
毎日来ては、ダンスの音楽をかけ、
手の動きや、足の動きを教えました。
医者が言った余命1ヶ月が過ぎても、
好子ちゃんはまだ元気でした。
みんなと一緒に踊るという目標があったからかもしれません。
ところがある日、
いつもの様に、先生が見舞いにきて、ダンスの音楽をかけると、
好子ちゃんは、悲しそうに言いました。
「先生。
私、もうダメみたい。」
珍しく弱気になっていました。
「どしてだ?」
「なんか、もう手が上に、上がらないんです。」
「バカ言ってんじゃない、
まだ足が動くじゃないか。
今は足だけの練習をしよう。
歩ければ十分だ。」
「手が動かなくて、みんなに笑われないかしら?」
「バ、バカやろう、
笑うやつがいたら、先生がぶっとばしてやる!
だから、
だから、頑張って、早く治すんだぞ。」
「はい。先生。」
そう言うと、足だけでもダンスの練習をし始めました。」
でも、
やがて、足も動かなくなりました。
「先生、私もうダメかも。
足も動かないの。」
すると、先生は、
「よし、お前に、音楽のスイッチを担当してもらう。」
「音楽?」
「そうだ、
お前がスイッチを入れないと、ダンスが始まらないんだぞ。
一番偉い役だ。
やってくれるか?」
「はい。」
しかし、
その夜、彼女は危篤状態になりました。
先生も急いで病院に駆けつけました。
「好子ちゃん!!」みんなが叫んでいますが、
反応がありません。
その時、先生が、
運動会のダンスの音楽を流しました。
「うまいぞ、好子!!
好子は、ホントにダンスがうまいんだなぁ、
ダンサーになれるぞ!!
好子はきっと、ダンサーになれる。
ホントにうまいぞぉ!!」
そう言うと、好子ちゃんの顔が、
かすかに笑顔になったのです。
もしかしたら、
夢の中で、ダンスを踊れたのかもしれません。
好子ちゃんは、
最後に、ご両親にかすかに笑顔を見せて、
天国に旅立って行きました。
きっと、
彼女のような子が、
運動会で、みんなが楽しく踊っているダンスを、
見にやってきているのかもしれません。
世の中には、
ただ、
ただ、
みんなが楽しそうに踊っている様子を見たい。
一緒に加わりたい。
それだけの為に、現れる。
そんな可愛い霊もいるのです。