●悲しみのザクロ


このお話は、昨日のブログ(●家庭菜園の祟り)の続きです。

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-11107224564.html


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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あるお客様に、


「庭に野菜畑を作る事で祟られる事ってありますか?」と唐突に聞かれた。


 庭に家庭菜園を作ってから悪い事ばかり起こるんです。」という。


庭に畑を作り始めた時からだという。


それまで庭仕事で怪我などしたことがない旦那が、珍しくシャベルで足を切ってしまったのだ。


そして、家庭菜園用の土をホームセンターから買ってきた時、車を駐車場にぶつけたのである。


そして、約1ヶ月半が過ぎた頃、ご主人が突然会社から解雇を言い渡されたのである。


それからしばらく経って、庭の野菜を収穫する時が来たのだが、


出来たナスは薬臭く、トマトは実がならず、大根は枯れたのだった。


家庭菜園をやっている友人に聞いてみると、


「なんか土地がおかしいんじゃない。」と言われ、私の所に相談に来たのであった。


彼女にざっと質問したが、問題らしき所が思い当たらない。


結局、翌日問題の庭を見に行く事になったのである。




























































行ってみると、


その家を見て驚いた。





話では、70年も住んでいるとの事だったので、


随分古い木造の家だろうと思っていたら、


鉄筋の3階立てだったのだ。








「随分、りっぱな家ですね。」


「6年前に建替えました。」




私はさっそく庭を見せてもらった。


中くらいの広さの庭に木々と花と芝生が、


それぞれ均等な広さくらいに分かれて広がっていた。






何も植わっていない場所が、どうやら問題の家庭菜園の場所だろう。




南側にある庭には全体的に太陽が当たり、気持ちもいい。


昨日聞いたように、問題は無さそうである。





70年も何も起きなかった土地に


畑を作ってから異変が起きる。


なぜだろう?


昨日色々聞いて分らなかったが、


現場に来て1時間、


家や庭を見て回ったが、おかしな所が無いのだ。





やっぱり一連の不運は偶然だったのだろうか。







何も思いつかぬまま時間が過ぎた。




でも、


何か不思議と気になるなぁ。





「ちょっとシャベルを貸してもらえますか。」


私は奥さんからシャベルと借りると、


トマトが植えてあったという場所の畑を掘り出した。





しかし、


特に何もおかしなものは出てこなかった。


やっぱり極普通の土地に見える。








ところが、


しばらく庭を眺めていると、


ふと、ある事に気がついた。











それは、落ちていた1枚の葉っぱだった。








細長く、真ん中がやや膨らんでいる葉っぱ




これは、どこの木の葉っぱだろう。




疑問に思ったのは、


ざっと見る限り、このような長細い葉っぱの木がこの庭に無いのだ。




私は、まるでシンデレラの靴の持ち主を探すかのように、


その葉っぱの持ち主の木を探した。




庭に木の葉っぱを1つ1つ見比べて歩いた。




しかし、


この葉っぱの持ち主の木が無い。




「隣の家から飛んできたのだろうか?」



そこで、


一旦外に出て、お隣さん近辺を探したが、


この細長い葉っぱの木が無いのだ。




「はて?このシンデレラの葉っぱはいずこから・・・」





風で飛んで来たのではないとすると、






やがて、


私はある事を見落としていた事に気がついたのだ。





「なぜ、もっと早く気がつかなかったか!」




私はまた庭に戻ると、


あちこち見回した。



すると、



この細長い葉っぱと同じものがもう2つ見つかったのである。




そうなれば、答えは1つである。











私は奥さんを庭に呼んで聞いてみた。


「この細長い葉っぱに見覚えはありませんか?」


すると、奥さんは、


「あっ、はい。


 それは、庭にあったザクロの木の葉っぱです。」






ザクロ?」




「そうすると、


 庭に家庭菜園を作る前に、ザクロの木があったのですね?」




「はい。」






私は直感ですぐに感じた。



この問題は、


庭に家庭菜園を作った事から始まったのではない。






きっと、



庭のザクロの木を切ってから始まったのだと。







「ザクロの木を切ってから、


 その場所に家庭菜園を作ったのですね?」




「はい。そうです。」



「ちなにみ、ザクロの木を切る時、


 何か御祓いとかお礼とかしましたか?」




「いいえ、特にそういうことは・・」



「ご主人が切ったのですね?」



「はい。」









私は奥さんに、ザクロという木は、


怨念が入りやすい木である事を説明した。






バカげていると思うかもしれないが、


庭にあるザクロや松などを木を切る時、


出来れば切る3日前には、木に話しかけてあげて欲しいのだ。


切る理由と、お礼を言ってあげて欲しいのだ。


「家庭菜園を作る事になりました。今までどうもありがとうございました。


 3日後に切らせてもらいます。」



そして、お線香を1本と、


倍に薄めたお酒を1カップまいてあげて欲しかった。








お世話になった庭の木をただ切って捨てると、


仕事運に悪影響が起こる事がよくあるのである。


会社を首になったり、仕事に失敗したり、大損したりする。


そんなケースを何回か見ているのだ。










そんな話をした直後であった。






奥さんが、


「ザクロの木って、怨念が入りやすいという事ですが、


 亡くなった母の念とか入ったりしますか?」という。





詳しく話を聞くと、


御祖母様は、亡くなる前、





「あのザクロの木は大切にしなさいよ。」と言っていたというのだ。




私は生前の御祖母様の話を聞いて、しみじみ思った。









「あのザクロの木には、


 御祖母様の念も入っていたと思いますよ。」





しかし、


1つ疑問に思った。




それは、


生前、御祖母様から大切にしてねと言われたザクロの木をなぜ切ったのだろうか?








そこで、思い切って聞いてみた。







「なぜ、御祖母様に大切にしてと言われたザクロの木を切ったのですか?」




すると、奥さんは、








「私、ダメなんです。」



「えっ?」




「私、毛虫が大嫌いなんです。


 ある日、ザクロの木の葉っぱに沢山毛虫がいたんです。


 それで主人に頼んで切ってもらったんです。」






どうやら、


御祖母様の死後、ほとんど手入れらしき手入れもしなかったようだ。



それで気がついた時、毛虫がいたという。









「今回の問題は、


 ザクロを切った事と、


 御祖母様の無念が合わさった形で、現れた気がします。」





私がアドバイスしたのは、


亡くなられた御祖母様の為にも、


生前植えられていたザクロと同じ品種を探して、同じ所に植えてみてください。


なんでしたら、この葉っぱを見ながら探して下さい。




そして、仏壇で御祖母様に謝り、供養してあげて、


ザクロを切った所にお線香を1本と2倍に薄めたお酒をかけて謝ってみてください。


それを3日間やります。




その後、


同じ品種のザクロを探して植えたそうである。


やがて、娘さんの病状も良くなり、


ご主人の再就職後も順調だとの事だった。






最後に、


彼女から聞いた


御祖母様の生前の話を記して終わりたい。







戦後まもない頃、


御祖母さんは、ご主人を戦争で亡くし、


子供3人を大変な思いで、育てという。






一家に働き手はなく、


少ない内職のお金と、


洗濯の請負などで細々く暮らしていたという。




それでも戦後と言えば、食料難である。





子供3人が満足する食料は得られず、


子供に隠れて、


近所などの家に物乞いのように食料を分けてもらう為によく出かけたという。




そんな苦しい生活の中にあっても、


亡くなった夫が植えたザクロだけには、水やりや手入れを欠かさなかった。


まるでそのザクロが亡き夫のように可愛がったという。




しかし、


そんな生活にも苦境がやってくる。







もう明日の食料も無く、


もうダメだと思った時があったという。



「死のう。」


そう思った時。













あのザクロが急に狂い咲きしたというのだ。




御祖母さんいわく、


普通の時は20個位しか取れないのに、


あの時は、


あのたった1本のザクロの木に、


多い時で120個も実がなったというのだ。






それはそれは立派な実のザクロが実ったという。



それはまるで、


ザクロの木が、御祖母さん達に、




死んじゃダメだ。




 死んじゃダメだよ。」



と言っているようだったという。




御祖母さんと子供達は、夢中でザクロを食べた。


空腹にはどんな物でもご馳走だったのだ。









子供達が大きくなった時にも


御祖母さんは良く言ったものだという。


「昔、あのザクロには助けられたたんだよ」って。






2年前に御祖母さんが亡くなった時、


不思議な事が起こった。





普段20個ほど実っていたザクロが。


その年は、たった1つしか実らなかったのである。



「それはまるで、


 ザクロの木が、


 御祖母さんの死を悲しんでいるかのようだった」