●墓地の立地
普通、土地鑑定というと、
これから住む為に買う土地の鑑定をする事がほとんどである。
しかし、
先月来た依頼は違った。
なんと、
これから買う墓地の鑑定をして欲しいと言うのだ。
ご主人は忙しいとの事で、奥さんが色々な資料を持参して現れた。
墓地のパンフレットと、
実際に見学に行った時の写真を多数持ってきた。
「値段は考慮しなくていいんですか?」
「値段はどれもそんなに変わらないので、考えなくてもいいです。」
「そうですか。
では、まず土地ですが、
昔から、埋立地は仏様が嫌がるようなのですが、
それは分りますか?」
「多分、違うと思いますが、
今度聞いてみます。」
「誰のお墓を建てるのですか?」
「先月亡くなった父のお墓を建てようと思いまして。」
「お父様の死因は何ですか?」
「胃がんでしたが、
死因が何か関係あるんですか?」
「病死なら、あまり墓地選定には関係ないんですけど、
例えば、
池で溺れ死んだ場合など、
墓地から池が見える場所は嫌がる傾向にあるんですよ。
また、
電車に引かれて亡くなったという場合にも、
墓地から電車が見える場所を嫌がるという事もあります。
つまり、
死因にまつわるものが墓地から見えると安らげずに霊障となって、
遺族に訴えて来るという時があるんですよ。」
「そうなんですか。
じゃあ、病死は関係ないんですね。」
「はい。」
「1つ、これだけ長野県の墓地のパンフレットがありますが、
これも候補に入っているのですか?」
「父が生前、山登りが好きだったので、
もしかしたら、アルプスに近い所もいいのかなって、と思いまして。
一応候補に考えました。」
「なるほど、
時々あるんですが、
亡くなった人の為に、その人が好きだった場所にお墓を建ててあげようという人が。
でも、
最初は、自分の好きな場所という事で、亡くなった人も喜ぶんですが、
時が経つにつれ、後悔するんですよ。
遠くて誰も墓参りに来てくれないって。
だから、遠い故人の思い出の地よりも、
近くでみんなが沢山墓参りしてくれる所の方が結局はいいんですよ。
ということで、
そのアルプスが見える所は止めた方がいいですね。」
結局、彼女は家から車で30分の一番近い候補の所にすると言って帰られた。
ちなみに、
上で触れなかった他の点では、
●周りに木があって、根が墓下まで来そうな感じな所は止めた方がよい。
●豪雨の時に水溜りで池になるような所や、普段でもジメジメと水気のある土地はよくない。
●自動車事故などで亡くなった場合、道路のすぐ脇でない方がよい。
●公衆トイレの近くやゴミ置き場の近くはよくない。