●命を狙われる




占いをしていると、



まれに、


ホントにまれに、



占う相手の人が命を狙われている事もある。










それは最初から不思議な依頼であった。









滅多に出向いての鑑定はしないのだが、




相手が食品会社の社長というのと、


鑑定料がというのにつられて、引き受けてしまった。












しかし、


私は、引き受けた事を、


じきに後悔する事となるのだった。














だいたい待ち合わせ場所も


駅のロータリーというのも変な感じだった。









私も、最初、


車の中で鑑定して欲しいと頼まれて


なんかおかしいとは思っていた。



しかも、


新聞を左手に持って待ってて何?と思った。



まぁポケットにバラを刺すとかじゃないからいいけど。








でもきっと、


なかなか落ち着いて時間が取れない人なんだろうなぁ。



そんなに仕事が忙しいんだと、納得してしまったのだった。










待ち合わせ時間を2分ほど過ぎた時、


黒塗りの車が、


私の前に止まると、


サングラスをした運転手が降りてきた。










「かや先生ですか?」と声をかけて来た。



そして、私をピックアップすると、


車はすぐに発進した。











ホントに、


マジ車の中での鑑定だよ。










私は内心、



「鑑定途中で車に酔ったらどうしよう


 初めてだからどうなるかわからんなぁ」




小学校の修学旅行の時、


バスの中で吐いた事があったな。


そんな事を思い出していた。









まぁ時間が無いようなので、


まずは、


ざっと顔相を診てから、


質問に移っていた。







しかし、


災難は突然やってきた。



















いきなり、


お抱え運転手がボソっと怖い事を言ったのだ。




「社長、後ろの車2台につけられています。」






「誰だ?」





「まだはっきりとは分りません。


 いつもヤツラではないようです。」







「悪いね、かやさん、


 ちょっと占い中断だ。






 私も商売柄、色々と恨みをかってしまう事もあるんだよ。



 どうやらつけられてるみたいだ。



 死ぬ時は、一緒だ、ガッハハハ」










マジかよ。



私は内心、


「バカ言ってんじゃねぇよ。


 何が、死ぬ時は一緒だ、ガッハハハだ!


 こんな安い鑑定料の為に死んだらつまらんでしょ。」









「てか、恨みをかってしまう商売って何?


 食品会社じゃねぇのかよ。」







社長の車は、


素早く、細い路地に曲がった。






「どうだ、まだついてきてるか?」



「はい。


 間違いなく我々をつけて来ています。


 警察でしょうか?」






私は内心、


「てめぇ、警察に追われるような事してんのかよ?」




「まさか捕まったら何んかの共犯にされてしまうのか!」



「ああ、神様


 どうか警察に追われてるじゃないようにお願いします!」








すると、社長は、





「いや、違うな、



 警察だったら、



 助手席にも男性が乗っているのが普通だ」








私は内心、


「ああ、よかった。警察じゃないんだ」





「てか社長!


 やけに詳しいのは何故?」







すると、社長は、


「多分、探偵ヤクザのチンピラだ!」




私は内心、


「チンピラ? 



 神様、ごめんなさい、訂正します。






 やっぱ警察の方がいいです。」






車は時速40mの所を60kmで走っていた。



後ろの2台も同じ速度で追ってきている。






運転手は、社長に、


「そろそろ、あの手を使いますか?」





私は内心、


「なんだあの手って?」


「オイラの手じゃねぇだろうな」と両手を引っ込めた。






それにしても、


運転手は冷静である。




「襲ってくるとしても、この道路はないでしょう。」











外は、まだ人通りもある。


外を眺めていると、


前方の信号の前に交番があった!






私は交番の前で止まったら、


窓を開けて助けを呼ぼうかと思って


窓を開ける用意をした。












交番だ。よし!












しかし、


無人だった!





「使えねぇ~









すると、


突然社長が私に言った。



「君に、金持ちの車のまきかたを見せてやろうか?」




「ハイ。」




えっ、何?



金持ちの車のまきかたって?




でもこの場を無事切り抜けられるなら何でもんでもいいけど。





社長の車は、


一直線にどこかに向かっているようだった。






ナビをどこかに設定している。









社長達はどうやって、後ろの車をまくのだろう







金持ちのやり方って何?



仲間に電話している様子も無い!



いったいどうやって?







このサスペンスな実話の後半は、



明日のブログへ続く。